国会議員
国会議員(こっかいぎいん)は、国家の最高議決機関(立法府)の一般的な呼称である「国会」を構成する議員。投票した有権者によって選出された代表者である例が多いが、必ずしも、そうでない例もある。両院制の場合、上院議員と下院議員とに呼び分けられる例が多い。ほとんどの国会議員は、何らかの政党に所属する。
アイルランド
編集議員はチャクタラ・ドーラ(Teachta Dála; TD)と呼ばれる。国民議会はウラクタス(Oireachtas)と呼ばれる。
アメリカ合衆国
編集イギリス
編集英国議会は二院制であり、下院に相当する庶民院と上院に相当する貴族院が置かれているが、公選制を採っているのは庶民院のみであり、通常「国会議員」(Members of Parliament、略称: MP)といえば、庶民院議員を指す。その任期は5年、定数は650名で、単純小選挙区制 (First-past-the-post system) で選出される。選挙権及び被選挙権の条件は同一で、18歳以上のイギリス国民と、イギリスに在住する英連邦国民及びアイルランド国民に与えられている。
国会議員 (MPs) は、各小選挙区を代表して総選挙及び補欠選挙で選出され、議会が解散されるまで議員でいられる。議会の解散は、およそ5年ごとに行われることが議会任期固定法に規定されている。
国会議員に立候補するには、18歳以上[注 1]のイギリス国民またはアイルランド国民または英連邦国民でなければならず、かつ公務員や公職者であってはならない。選挙は2006年選挙管理法に則って行われる。[1]
貴族院もまた、英国議会を構成する議院であるが、その議員は、「国会議員」 (MPs) ではなく、「貴族」 (peers) または(より畏まって)「上院議員」 (Lords of Parliament) と呼ばれる。世俗貴族 (Lords Temporal) は終身、聖職貴族 (Lords Spiritual) は聖職者の地位を占めている間、議員の任期が続く。最近の貴族院改革の結果、世襲貴族は貴族院の議席を自動的に後継者に譲ることはできなくなった。貴族院法の制定を受けて、世襲貴族の議席は92名を残して失われた。[2]
インド
編集オーストラリア
編集オーストラリア連邦議会では、元老院議員と代議院議員とが存在するが、通常「国会議員」と言えば代議院議員を指す。代議院議員は、150名の定員が小選挙区から各1名選出される。
カナダ
編集ケニア
編集一院制。定数224名。その内、210名が小選挙区制、12名が議長による指名を受ける。
ドイツ
編集ドイツ連邦議会と連邦参議院の二院制だが、参議院は州首相が議員を務めると定められており、一般に「国会」といえば連邦議会を指す。定数630。
日本
編集日本の国会は「全国民を代表する選挙された議員」[3]である国会議員で構成されている。
衆議院と参議院から構成される二院制をとっており、衆議院と参議院では被選挙権や任期などが異なる。両議院の独立を確保するため、衆議院議員と参議院議員とを兼ねることができない[4]。
- 衆議院議員
- 参議院議員
- 衆参両院議員共通
- 選挙権は18歳以上の日本国民に与えられる[10]。
- 2015年6月に改正公職選挙法が成立し選挙権年齢は20歳以上から18歳以上に引き下げられて18歳選挙権が認められるようになり[11]、2016年の参議院議員選挙より実施された。
- 選挙権は18歳以上の日本国民に与えられる[10]。
なお、政治家は議会では男性も女性も君付けで呼ぶことが定着しているが、これは吉田松陰の影響である[12][13]。吉田松陰は常に自分のことを「僕」という謙称で呼び、松下村塾の弟子たちを「君」という敬称で呼び敬い、身分や出自によらず互いに尊重し議論する関係を築いた。この精神は弟子の伊藤博文(初代内閣総理大臣)や山県有朋(第3・9代内閣総理大臣)に受け継がれ、参議院要覧に「議員は、議場または委員会議室においては互いに敬称として『君』を用いる。」と定められている[14]。
バングラデシュ
編集Jatiya Sangsadと呼ばれる国会は、一院制の議会。任期5年、定数345名。その内、45名が女性議員と定められている。
マルタ
編集代議院のみの一院制。定数69名で任期5年。
マレーシア
編集関連項目
編集- 政党幹部 (Frontbencher)
- 平議員 (Backbencher)
- 無所属議員 (Independent politician, クロスベンチャー (Crossbencher))
- 国家公務員
参考文献
編集- Johann Caspar Bluntschli, Politik als Wissenschaft(意: 政治の科学). J. G. Cotta, Stuttgart, 1876年. 664頁.
- (日本語訳)ヨハン・カスパー・ブルンチュリ『国会議員選挙論』。ブエルベッキ口訳、武者小路実世筆記、1879年(博聞社)。74頁
- 前書きに「此書ハ原名ヲ『ポリチーク・アルス・ベヒセンシヤフト』ト云ヒ」と記載されてはいるものの、目次構成も頁数もブルンチュリの「Politik als Wissenschaft」とは全く異なり、日本国内で女性に選挙権を与えることの是非などを論じた文部省の書籍。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ Electoral Administration Act 2006 Office of Public Sector Information
- ^ House of Lords Reform UK Parliament
- ^ 日本国憲法第43条
- ^ 日本国憲法第48条
- ^ 日本国憲法第45条
- ^ 公職選挙法第256条
- ^ a b 公職選挙法第10条第2項
- ^ 日本国憲法第46条
- ^ 公職選挙法第257条
- ^ 公職選挙法第9条第1項、公職選挙法第10条第1項第1号
- ^ “選挙権年齢「18歳以上」に 改正公選法が成立”. 47NEWS. (2015年6月17日) 2015年6月18日閲覧。
- ^ 牛見, 真博「近世における一人称代名詞「僕」の使用をめぐって : 江戸中期の徂徠学派 〈山県周南〉 から幕末の へ」『東アジア研究』第18巻、2020年3月、374–361頁。
- ^ “国会では女性も男性も「くん」で呼んでいる理由|TBSテレビ”. TBS Topics. 2024年10月5日閲覧。
- ^ “参議院先例録:関係法規等:参議院”. www.sangiin.go.jp. 2024年10月5日閲覧。