四塩化酸化タングステン(VI)

四塩化酸化タングステン(VI) (Tungsten(VI) oxytetrachloride) は、化学式WOCl4無機化合物である。反磁性固体で、他のタングステン錯体の合成に用いられる。黄緑色で、非極性溶媒に溶けるが、アルコールとは反応して、ルイス塩基付加物を形成する。

四塩化酸化タングステン(VI)
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識別情報
CAS登録番号 13520-78-0 チェック
PubChem 19596810
特性
化学式 WOCl4
モル質量 341.651 g/mol
外観 赤色結晶
密度 11.92 g/cm3
融点

211 °C, 484 K, 412 °F

沸点

227.55 °C, 501 K, 442 °F

への溶解度 反応
溶解度 ベンゼン及び二硫化炭素に可溶
危険性
EU分類 not listed
関連する物質
その他の陰イオン 四フッ化酸化タングステン(VI)
四臭化酸化タングステン(VI)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

構造

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WOCl4の構造は、鎖中の短いWO結合と弱い W---O結合で、高分子構造を作る。赤色は酸素原子

四角錐形分子構造の単量体が弱く結びついた構造を取る[1]オキシハライドに分類される。

合成と反応

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四塩化酸化タングステン(VI)は、酸化タングステン(VI)から以下のように合成される[2]

WO3 + 2 SOCl2 → WOCl4 + 2 SO2
WCl6 + (Me3Si)2O → WOCl4 + 2 Me3SiCl

四塩化酸化タングステン(VI)はルイス酸であり、アルキン重合に用いられる触媒の前駆体となる[3]

出典

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  1. ^ Hess, H.; Hartung, H. (1966). “Die Kristallstruktur von Wolframoxidchlorid WOCl4 und Wolframoxidbromid WOBr4”. Z. Anorg. Allg. Chem. 34 (3-4): 157-166. doi:10.1002/zaac.19663440306. 
  2. ^ Nielson, A. J. (1985). “Tungsten and Molybdenum Tetrachloride Oxides”. Inorganic Syntheses. Inorganic Syntheses. 23. 195-198. doi:10.1002/9780470132548.ch41. ISBN 9780470132548 
  3. ^ Hayano, S.; Masuda, T. (1999). “Living Polymerization of [o-(Trifluoromethyl)phenyl]acetylene by WOCl4-Based Catalysts such as WOCl4-n-Bu4Sn-t-BuOH (1:1:1)”. Macromolecules 32: 7344-7348. doi:10.1002/zaac.19663440306.