和集合の公理
ZF公理系を構成する公理の一つ
和集合の公理(わしゅうごうのこうり、英: axiom of union)とは、ZF公理系を構成する公理の一つで、任意の集合に対し、その要素の要素全体からなる集合の存在を主張するものである。対の公理と合わせることで、任意の二つの集合に対し、それらの要素のみからなる集合(和集合)の存在が導ける。
定義
編集任意の集合 x に対しある集合 y が存在して、任意の要素 z に対し、z が y に含まれるならば、そのときに限り z を含むような x の要素 w が存在する。
すなわち形式的には、
と書ける。
性質
編集公理の意味としては、任意に与えられた集合族の和が再び集合になるということである。 公理により存在を保証される集合 y は、外延性より一意に定まり、 と記される。特に x が二つの元のみからなる集合の場合、すなわち x = {a, b} の場合は、 と書く代わりに、 と書く。
参考文献
編集- ケネス・キューネン『集合論 独立性証明への案内』藤田博司訳、日本評論社、2008年、ISBN 978-4-535-78382-9
- Jech, Thomas, 2003. Set Theory: The Third Millennium Edition, Revised and Expanded. Springer. ISBN 3-540-44085-2.