五所の家小禄
五所の家 小禄(ごじょのや ころく、1949年12月4日 - )は、京都府京都市出身の落語家。本名は高橋 平明。
本名 | 高橋 |
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生年月日 | 1949年12月4日(75歳) |
出身地 | 日本 京都府 京都市 |
師匠 | 二代目露の五郎兵衛 二代目笑福亭松之助 |
名跡 | 1. 露の小治郎 (1972年 - 1974年) 2. 明石家小禄 (1974年 - 1981年) 3. 五所の家小禄 (1981年 - 1992年) 4. 右京小禄 (1998年 - ?) |
活動期間 | 1972年 - 1992年 1998年 - ? |
活動内容 | 新作落語 古典落語 形態模写 |
所属 | 吉本興業 |
人物
編集京都産業大学卒業。はじめは露の五郎に師事し、後に笑福亭松之助に再入門。弟弟子の明石家さんまの大ブレイクであまり目立たなかったが、京都新京極の京都花月劇場をホームグラウンドとして、独演会を開くなど活躍した。松之助・さんま同様、上方落語協会には所属していない。
デビュー当初はタレント志望が強かったが、新作落語・古典落語ともに演じた。さんまと京都で落語2人会をやったこともあり(客として、やしきたかじんと当時の愛人の2人だけに行ったこともあり、さんまはそれを恩義に感じている)、さんまが巨人の小林繁の形態模写をしたのに対して、張本勲の形態模写をした。芸名を合わすために「明石家ひらめ」に改名の話もあった。
京都花月の出番を終えたNSC(吉本総合芸能学院)の出身芸人などを食事に誘うなど後輩の面倒みはよかったらしい。一時「カレッジⅠ」という6人組みのコントユニットを結成し活動していたことがある(メンバーの1人に現在吉本契約社員である坂田きみお(坂田利夫の弟子)がいた)。
弟子には小七、ポッポ、小八、クックなどがいた。芸能活動の傍ら京都・祇園で飲食店「スナック小禄」を開くが、金銭トラブルが原因で芸界から去ることとなり、1992年秋に事業の失敗で一度目の廃業。
1993年に裁判所から破産決定が下る[1]。また、この頃詐欺罪で逮捕されていたとの報道がある[2]。
流転の後、1996年に母親の実家のある岐阜県に移り住む[3]。スナックを経営、東海地方にて復帰するも表舞台に立つことはなかった。 このため、吉本興業の関係者では長らく「死亡した」こととされていた。2019年に営まれた、師匠である笑福亭松之助の葬儀にも顔を出していなかったことも、死亡説に真実味を帯びさせる要因となった[4]。
2021年末まで岐阜市に女性と暮らしていたが、警察が出動するほどの激しい喧嘩の後に姿を消す[3]。
2022年5月19日、東海テレビとメ~テレで逮捕の報道。ニュースによると名古屋市中村区に在住、知人で愛知県豊田市の自営業の男性(50)に「イベントの仕事を受けたんだが、準備金が足りないので200万円を貸して欲しい」などと嘘の内容の電話をかけ、現金200万円を振り込ませだまし取った疑い[5][6]。その後余罪が明らかになり6月8日に再逮捕。報道によると語り口は弟弟子のさんまに似ており[7]、落語家としては「都家福助」の名前を名乗ったという[8]。奇しくも先述の死亡説は今回の事件ではっきりと覆された[9]。
経歴
編集- 1972年6月 - 2代目露の五郎(のちの2代目露の五郎兵衛)に入門し、露の小治郎を名乗る。
- 1974年10月 - 2代目笑福亭松之助の門下に移り、明石家小禄と改名。
- 1981年7月 - 家号を出身地にちなんだ「五所の家」に変更し、五所の家小禄と改名した。
- 1982年4月 - 6人組コントユニット「カレッジI」結成。当時のメンバーには、ひょうろく(岡田泰宏)・まさお(赤滝政信)・純(中西一一)・げんき(小島昭文)・きみお(鈴木君男)がいた。ジャンルは形態模写・物真似・珍芸の3種類。ヤコッペティのビンタ演奏、寺の除夜の鐘、養鶏場の朝などがあった。京都花月の舞台ではダウンタウンとからむこともあり、この頃は髭を蓄えていた。
- 1986年3月 - カレッジI 解散。
- 1992年秋 - 廃業。
- 1993年(時期不明) - 詐欺罪で逮捕される[2]。
- 1993年9月27日 - この日、京都地裁が破産決定を出す。負債は約1億5000万円[1]。
- 1996年 - 流転の後、岐阜市に転居。
- 1998年 - 右京小禄と改名し芸能活動再開。
- 1999年 - 岐阜柳ヶ瀬にて飲食店を開業。
- 2006年 - 初頭 衆議院議員・佐藤ゆかりを名誉後援会長に迎え、春に佐藤ゆかり後援会バスツアーにコンダクターとして参加。夏、詐欺等の金銭トラブル多発で失踪。
- 2009年7月、10月 - 名古屋の三楽座にて落語会を開催。
- 2010年4月27日 - 愛知県西尾市ロータリークラブ第2555回例会に営業出演。
- 2011年2月 - 旧知の芸人間で心筋梗塞で死亡との説が流れる。2022年の逮捕により生存確認されるまで死去していると思っていた者もいた[11]。
- 2022年5月 - 詐欺罪で逮捕。
- 2022年10月 - 懲役2年の実刑判決が出る。
脚注
編集- ^ a b 相羽秋夫 (1994年4月1日). 雑誌 落語「’92~’93年 上方演芸日誌」. 弘文出版. p. 142
- ^ a b c “「まだ諦めてない」さんまの兄弟子に下った「懲役2年判決」の中身”. FRIDAYデジタル. 講談社 (2022年10月23日). 2022年10月25日閲覧。
- ^ a b “明石家さんまの“元相方”がイベント話の詐欺で逮捕 兄弟子の哀しい転落人生”. NEWSポストセブン (小学館). (2022年5月25日)
- ^ “明石家さんま、20年前に死んだはずの元兄弟子が詐欺罪で逮捕に驚がく「生きてはったん?」”. スポーツ報知 (2022年5月28日). 2022年5月28日閲覧。
- ^ “元落語家の男を逮捕…知人から200万円騙し取ったか「イベントの仕事受けたが準備金足りない」などとウソ”. NEWS One. 東海テレビ放送 (2022年5月19日). 2022年5月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月20日閲覧。 “高橋容疑者は、過去に「五所の家小禄」の芸名で落語家として活動”
- ^ “元落語家を逮捕 「イベントの仕事受けたが準備金が足りない」と知人から200万円だましとった疑い 愛知”. 東海地方のニュース. 名古屋テレビ放送 (2022年5月19日). 2022年5月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月20日閲覧。 “高橋容疑者がかつて所属していた大手芸能事務所によりますと、高橋容疑者は30年以上前に所属して、落語家として活動していました。”
- ^ 「文春オンライン」特集班 (2022年6月6日). “《さんま“元相方”が詐欺で逮捕》「しゃべりは間違いなく天才」「リアクションはさんまそっくり」 かつての相棒はなぜ詐欺師に転落したのか? 被害男性が告発する“詐欺手腕””. 文春オンライン. 明石家さんまの兄弟子逮捕 #1. 文藝春秋. 2022年6月8日閲覧。
- ^ 「文春オンライン」特集班 (2022年6月6日). “《詐欺被害者が告発》「世の中、金じゃないんや!」 明石家さんま、村上ショージ、笑福亭鶴瓶…芸能界のビッグネームを利用して騙し続けた“さんまの元相方”が溺れた借金地獄”. 文春オンライン. 明石家さんまの兄弟子逮捕 #2. 文藝春秋. 2022年6月8日閲覧。 “借用書 私高橋平明(都家福助)は、”
- ^ “明石家さんま、元兄弟子逮捕の事件で「やっとこさ記者が来た」写真見て当人の風貌の変化に唖然”. 日刊スポーツ (2022年6月12日). 2022年6月12日閲覧。
- ^ “被害者も呆然…詐欺で捕まった「さんまの兄弟子」法廷での仰天発言”. FRIDAYデジタル. 講談社 (2022年9月28日). 2022年10月23日閲覧。
- ^ さんまの〝元相方〟が詐欺逮捕、洋七が証言「一緒に形態模写漫才をやっていた」 東京スポーツ 2022年5月21日
出典
編集- 諸芸懇話会・大阪芸能懇話会編『古今東西落語家事典』 平凡社、1989年。ISBN 458212612X
- 相羽秋夫著 『上方落語かたいれ事典』 弘文出版、1982年。ISBN 4875200218
- よしもと大百科 データハウス/著