単相交流(たんそうこうりゅう)は、2本の電線を用いて交流電流を伝送する方法である[1]三相交流に対して電力の伝達効率は低いため、送配電用の方法としては用いられず、主に低圧配電系統(低圧電灯線)に用いられる[2]

単相交流の波形

電力会社など電気関係では慣習的に単相交流電源を電灯(でんとう)[3]、主に交流電動機の駆動に用いられる三相交流電源を動力(どうりょく)と呼ぶ[4]

日本における単相交流配電方式

編集

日本においては、単相交流における電力供給はほぼ低圧配電系統に限られる。高圧配電系統から単相柱上変圧器等で電圧を下げたのち、2本または3本の電線を用いて屋内配線に供給している[2]

  • 単相2線式 - 単相交流線2本を使う。うち1本は接地線となる[2]。出力電圧は100V。
  • 単相3線式 - 変圧器の低圧側中性点と両外側の出力を使う。中性点は接地し中性線とする。両外側出力電圧は200V、中性線と片側出力間で100Vとなる[2]

単相3線式は、対地電圧は単相2線式と同じであるが倍の電圧が得られ、かつ、電圧降下や電力損失を低減できるので[2]、第2次世界大戦後に急速に普及している[1]

脚注

編集
  1. ^ a b 電気学会編 『電気工学ポケットブック』 第11編 送電 2.2.2 - 2.2.5、オーム社、1959年
  2. ^ a b c d e 電気学会 『送配電工学』 第4章 配電、オーム社、1980年
  3. ^ 高田昌之「低圧配電線路」『身近な配電送電設備たち』
  4. ^ 三相交流」『通信用語の基礎知識』 2007年10月30日
  5. ^ 「電気エネルギー応用」閲覧

関連項目

編集