南樽市場
南樽市場(なんたるいちば)は、北海道小樽市新富町にある市場。正式名称は「南小樽市場(みなみおたるいちば)」だが、2000年代以降にはこの名は「南小樽市場協同組合」程度にしか使用されておらず、通称の「南樽市場」の名が定着している[1]。本記事では、同市築港に新設された新南樽市場(しんなんたるいちば)についても記載する。
南樽市場 Nantaru Ichiba | |
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南樽市場正面 | |
地図 | |
店舗概要 | |
所在地 |
〒047-0004 北海道小樽市新富町12-1 |
座標 | 北緯43度10分56.8秒 東経141度0分36.3秒 / 北緯43.182444度 東経141.010083度座標: 北緯43度10分56.8秒 東経141度0分36.3秒 / 北緯43.182444度 東経141.010083度 |
開業日 | 1949年6月 |
正式名称 | 南小樽市場 |
施設管理者 | 南小樽市場協同組合 |
店舗数 | #外部リンクを参照 |
営業時間 | 9:00 - 19:00 |
前身 | 高砂市場 |
最寄駅 | 南小樽駅 |
外部リンク | http://www.nantaruichiba.or.jp/ |
沿革
編集南樽市場の前身は、昭和初期に小樽市に建設された高砂市場である[2]。高砂市場は当時の市内の露天商たちにより、北海道の救済法(北海道非条令)のもと、1938年(昭和13年)に建設された。当時としては非常に近代的な市場で、開店当時は大盛況であった[2][3]。しかし1941年に大東亜戦争が勃発。配給制度が開始され、市場は廃業を余儀なくされた[2]。
終戦後の1949年(昭和24年)、地元の商業者や樺太からの引揚者の救済の名目のもと、高砂市場の会長らにより創立発起人が結成され、市場建設が開始された。同年6月、木造建築の長屋方式の市場が完成し、食品主体の小売市場の営業が開始された。1950年(昭和25年)には南小樽市場協同組合が結成され、繁栄の一途を歩んだ[2]。
やがて木造の市場の老朽化にともない購買力が低下したため、改築が必須となり、1968年(昭和43年)7月に改築工事が着工。同年12月には新たな市場が完成して営業が開始され、現在に至る。かつての高砂市場と同様、この建物も当時としては非常に近代的で、北海道・東北随一の市場として絶賛され[4]、開店当時は大盛況だったという[2]。
国道から百メートルも奥にあり、周囲には商店街もないという立地の悪さから、小樽市内の他の市場と比較すると、当初の客足はいま一つであったが、毎週2度の「週末特売」、毎月2度の「激安市」と特売日をもうけ、その4万枚以上の広告紙を小樽市内に配布するという戦略により[5]、売上は逆転し、2000年代以降には「南樽は市場の王様」「南樽の一人勝ち」と呼ばれるに至る[6]。
特徴
編集古くから小樽市民の台所として知られる[7]。全30店舗のうち9件が鮮魚店だが、ほかにも野菜、果物、肉、惣菜、日用品、花など生活に密着した店舗が揃い、小樽市民がごく普通に利用する市場である[3]。
港町である小樽だけあり、魚介類は新鮮で安価なものが多く揃い[3]、地元の料理人たちも買い出しに訪れるという[4]。道外の人には珍しいハッカク(トクビレ)、カスベ(エイ)なども扱う[3][7]。夕方になると、魚が売り切れていることもある[7]。惣菜店の揚げかまぼこも人気が高い[3][7]。
このほか、市場中央では寿司屋「わさび」が営業しており、20年以上のキャリアを持つ店主による新鮮な寿司を、手軽に味わうこともできる[7][8]。
観光においても、札幌市から1時間弱で行くことができ、短時間で周ることのできる規模のため、手軽に楽しむことができる市場である[7]。
新南樽市場
編集新南樽市場 Shin Nantaru Ichiba | |
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新南樽市場外観 | |
地図 | |
店舗概要 | |
所在地 |
〒047-0008 北海道小樽市築港8-11 |
座標 | 北緯43度11分10.6秒 東経141度1分1.9秒 / 北緯43.186278度 東経141.017194度 |
開業日 | 1999年9月 |
正式名称 | 新南樽市場 |
建物名称 | 新南樽ビル |
施設管理者 | 新南樽市場協同組合 |
店舗数 | #外部リンクを参照 |
営業時間 | 9:00 - 18:00 |
最寄駅 | 小樽築港駅 |
最寄IC | 札樽自動車道小樽IC |
外部リンク | http://www.shin-nantaru.com/ |
新南樽市場(しんなんたるいちば)は、北海道小樽市築港にある市場。南樽市場から分離する形で新設された。
南樽市場が各メディアで報道され、道内各地をはじめ全国の観光客に注目されて利用客が激増し、駐車場も手狭になったことなどから、1999年(平成11年)に建設に至った[7][9]。建設地である築港は、小樽で最も注目される場所として選ばれた[9]。マイカル小樽(現・ウイングベイ小樽)の進出により減少した客数と売上の挽回も、開業の目的の一つであった[10]。
兼ねてからの要望に応え、大型の駐車場を供え、広いスペースに25の店舗が集約されている[11]。さらに同じフロアには三喜(ファッション市場サンキ)[12]、2階には100円ショップのダイソー、隣にはウイングベイ小樽があり、買物のすべてが賄える商業地ともなっている[11]。
イメージキャラクター
編集- 「みなみちゃん」
- 小樽出身の画家・漫画家横山文代によってデザインされた女の子。店内外の装飾・案内板などに使用されている。
アクセス
編集脚注
編集- ^ 片岡麻衣子「小樽市場物語 第5部 南樽・新南樽の研究 賦課金 初めに販売促進ありき」『北海道新聞』北海道新聞社、2002年2月23日、樽A朝刊、26面。
- ^ a b c d e “南樽市場(南小樽協同組合)南樽市場の概要と歴史”. 南樽市場. 2020年7月13日閲覧。
- ^ a b c d e チバタカコ (2013年2月27日). “小樽市民の台所で北の食文化を感じる。「南樽市場」”. 北海道Likers. サッポロビール. 2017年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月7日閲覧。
- ^ a b “南樽市場”. コトバンク (2011年). 2013年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月7日閲覧。
- ^ 片岡麻衣子「小樽市場物語 第5部 南樽・新南樽の研究 特売 全市にチラシ配布」『北海道新聞』2002年2月21日、樽A朝刊、26面。
- ^ 片岡麻衣子「小樽市場物語 第5部 南樽・新南樽の研究 王者 繁栄の礎築いた挑戦」『北海道新聞』2002年2月20日、樽A朝刊、26面。
- ^ a b c d e f g 市之宮直子 (2013年5月7日). “プリプリ揚かまぼこがオススメ! 小樽市民の台所、“ハッカク”“カスベ”が並ぶ南樽市場”. 地球の歩き方. 2013年9月7日閲覧。
- ^ “寿司処 わさび”. 北海道ウォーカー. 角川マガジンズ (2010年4月12日). 2013年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月26日閲覧。
- ^ a b “新南樽市場”. 新南樽市場. 2013年9月7日閲覧。
- ^ 「兄弟市場効果を「新南樽」あすオープン 小樽」『北海道新聞』1999年9月16日、央広朝刊、19面。
- ^ a b “新南樽市場”. 小樽ジャーナル. 2013年9月7日閲覧。
- ^ “小樽築港店”. ファッション市場 サンキ. 三喜. 2020年4月17日閲覧。
関連項目
編集- 北海道銀行 - 同行のCMで当市場がロケ地に使用された。