劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち
『劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』は、2005年12月17日に全国東宝系で公開された『超星艦隊セイザーX』の映画作品。『劇場版 甲虫王者ムシキング グレイテストチャンピオンへの道』と同時上映[5]。
劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち | |
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監督 | |
脚本 | 田部俊行 |
製作 |
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製作総指揮 |
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出演者 | |
音楽 | 高木洋 |
主題歌 |
「New Horizon〜戦え! 星の戦士たち」 歌:キングコング梶原 |
撮影 |
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編集 |
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制作会社 | ゼネラル・エンタテイメント |
製作会社 | セイザーXムービープロジェクト |
配給 | 東宝 |
公開 | 2005年12月17日[1] |
上映時間 | 70分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 6億4,000万円[2][3][4] |
概要
編集『ゴジラ FINAL WARS』で終了したゴジラシリーズに替わり東宝の正月映画として公開された[6]。
『超星艦隊セイザーX』のメンバーの他に、『超星神グランセイザー』と『幻星神ジャスティライザー』のメンバーが全員登場する[注釈 1]。クライマックスの巨大戦では超星神4体と幻星神3体とグレートライオが共闘するという大掛かりなモノとなっている[注釈 2]。『グランセイザー』からは堀口博士、『ジャスティライザー』からは澪とレギュラーキャスト3人が登場。このうちジャスティライザーは「変身能力を取り戻す」という最終回の設定を踏まえたシチュエーションで登場している。
高田モンスター軍が登場するが、出番もわずかでストーリーへの絡みはなかった[注釈 3]。公開前に開催された「ハッスルマニア2005」ではタイアップ興行も行われた[7][8]。
特撮監督はテレビシリーズと同じく川北紘一が担当。監督は大森一樹が務め、川北とは『ゴジラvsキングギドラ』(1991年)以来のタッグとなった[出典 1]。
『海底軍艦』の轟天号をリメイクした迎撃戦艦 轟天号やキングギドラを模したマンモスボスキートなど、テレビシリーズ同様に過去の東宝特撮映画のオマージュが盛り込まれている[出典 2]。川北お気に入りの怪獣である『キングコングの逆襲』のメカニコングを模したメカ巨獣ブルガリオも『ジャスティライザー』から再登場させている[11][5]。
テレビ東京系列局のアナウンサーが出演しているシーンは、各局で撮影された映像を使用している[12]。
DVDは2006年5月26日発売[13]。
テレビシリーズ第12話には本作品のポスターがビルの壁面広告に使用されている[14]。
ストーリー
編集ある日、天文台でバスケットボールに興じていたセイザーXと研究をしていた天堂澪のところに、記憶を失った少年リキが現れる。さらに宇宙からは謎の幽霊船が地球に迫っていた。
セイザーXは宇宙海賊が送り込んだメカ巨獣ブルガリオを撃破するが、突如現れた謎の球体が海底に沈んだブルガリオの残骸から残存エネルギーを吸収し、巨大化して海上に出現。球体はグランセイザーが絶滅させたボスキートの近縁種であるニューボスキートの卵であったが、その特性を知らないままがむしゃらに卵を攻撃する拓人。しかし、セイザー砲も吸収し卵はさらに巨大化。星神島に戻った澪の前に現れ、彼女からジャスティパワーを吸収。その力で作り出した黒雲から、大量の偽ジャスティライザーを発生させる。偽ジャスティライザー出現の報に愕然とする翔太たちの目の前で、偽ジャスティライザーは街に降り立ち、人間たちからエネルギーを吸収し始める。
登場人物
編集- ボルム星人リキ
- 4億年前、宇宙に旅立った超古代地球人の末裔で、地球によく似た環境の第三銀河系にあるボルム星人の少年[15][16]。幽霊船の繭に幽閉されていたところをアクアルに救われ、コスモカプセルを奪うためのスパイとして利用される[15][16]。
- 神宮司 翼
- 国防省総司令官[15][17]。戦闘時には自ら轟天号に乗り込み直接指揮を執る[17]。
- 絶滅獣ニューボスキート
- 『グランセイザー』に登場したボスキートの近縁種[16]。ボスキート同様、人間などのあらゆる有機体を分子レベルに生命エネルギーを分解してインストール(吸収)してエネルギー源とし、その姿を借りて無限に進化・増殖できる[10][18][16]。第一形態の卵がブルガリオの残存エネルギーを吸収して覚醒し、ライオキャリアーのセイザー砲を吸収し、ジャスティパワーを吸収したことで、その影響でニューボスキートに進化し偽ジャスティライザーに変身できる[18][16]。また、マザーボスキートや無数のボスキートを乗せた幽霊船を呼び寄せる性質を持つ。星神島の個体は18人の戦士たちによる超星神アタックを受け、全滅した。
- 原典のボスキートとは違い、グランセイザーに似せる必要がないため、入り乱れることからかなりアレンジしている[19]。骸骨のような口元は『流星人間ゾーン』のガロガのニュアンスを入れている[19]。
- スーツは12体制作されている[20]。
マンモスボスキート | |
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全高 | 最大150m[10] |
体重 | 最大34,500t[6][10] |
ブルガリオ | |
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別名 | メカ巨獣[10] |
全高 | 48m[10] |
重量 | 1万2千t[10] |
キャスト
編集- 安藤拓人:高橋良輔
- アド:進藤学
- ケイン:三浦涼介
- シャーク隊長:松永博史
- レミー:松山まみ
- ゴルド:ロバート・ボールドウィン
- 安藤由衣:枚田菜々子
- 伊達翔太:伊阪達也
- 真田ユカ:神崎詩織
- 平賀真也:井坂俊哉
- 天堂澪:江口ヒロミ
- 堀口一郎:赤星昇一郎
- リキ:笠原織人
- リキのパパ:二村幸雅
- リキのママ:橘ゆかり
- 安藤宗二郎:宗方勝巳
- 安藤春子:森川由加里
- 国防省の幹部:渡会良、針生楊志夫、小野重樹、菊池均也
- 轟天の隊員:加藤大騎、庄島康哲、豊岡武士、福沢重文
- レポーター(A):中上ちか
- レポーター(B):宮崎寛之
- 目撃者:山本浩司
- テレビ東京アナウンサー:前田真理子、亀井京子
- テレビ大阪アナウンサー:黒部亜希子
- テレビ愛知アナウンサー:中山美香
- テレビせとうちアナウンサー:中島有香
- テレビ北海道アナウンサー:小澤良太
- TVQ九州放送アナウンサー:義山望
- 高田総統(友情出演)
- アン・ジョー司令長官(友情出演)
- 島田二等兵(友情出演)
- 神宮司翼:峰岸徹
声の出演
編集- ツインセイザーアイン:保村真
- ツインセイザーツバイン:大津田裕美
- 火将軍ブレアード:伊藤健太郎
- 水将軍アクアル:浅川悠
- 風将軍サイクリード:岸尾だいすけ
- セイザータリアス[23][注釈 4]:白濱孝次
- グランセイザー[23][注釈 4]:小倉直紀
スーツアクター
編集セイザーXスーツアクター
その他スーツアクター
スタッフ
編集- 監督:大森一樹
- 企画:藤原正道
- 製作:井澤昌平、油田哲、雲出幸治、森恭一
- プロデューサー:山川典夫、釜秀樹、渡辺和哉、船田晃
- 脚本:田部俊行
- 特撮監督:川北紘一
- アクション監督:松井哲也
- 音楽:高木洋
- 〈本編〉
- 撮影:関口芳則
- 照明:井上幸男
- 美術:平井淳郎
- 録音:三沢武徳
- 整音:斉藤禎一
- 編集:石井香奈江
- 操演:上田健一
- スクリプター:江口由紀子
- 助監督:クボ・ユタカ
- 制作担当:千綿英久
- 〈特殊技術〉
- 制作プロダクション:ゼネラル・エンタテイメント
- 特撮プロダクション:ドリーム・プラネット・ジャパン
- 製作:セイザーXムービープロジェクト(テレビ東京、東宝、読売広告社、ゼネラル・エンタテイメント)
音楽
編集- 主題歌「New Horizon〜戦え! 星の戦士たち」
- 歌 - キングコング梶原 / 作詞 - 山田ひろし / 作曲 - HΛL / 編曲 - 高木洋
- 挿入歌
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- 「Life goes on」
- 作曲 - Eddy Blues / 編曲 - 沢崎公一 / 作詞・歌 - 浅岡雄也(徳間ジャパンコミュニケーションズ)
- 「幻星神ジャスティライザー」
- 作詞・作曲 - 小島健二 (Dual Dream) / 編曲 - 清水武仁 / 歌 - 中島満雄
- 「超星艦隊セイザーX」
- 歌 - 高橋洋樹 / 作詞 - 山田ひろし / 作曲 - 浅田直 / 編曲 - 矢野立美
- 「海底軍艦」オリジナルサウンドトラックより
- 作曲 - 伊福部昭 / 音楽出版 - 東宝ミュージック
- 現代風アレンジにしてはいけないという大森の指示によって、原曲が用いられた[9]。
製作経緯
編集2004年12月に映画化が発表された際には『セイザーX』が発表される前であったため、タイミングの問題から仮題は『幻星神ジャスティライザー THE MOVIE』であった[8]。後に作成された劇場映画企画書では『超星神 THE MOVIE 超星艦隊ギャラクシーザー』という仮題であった[18]。
東宝制作の正月映画はなかなか通らなかったため、強い併映作として『甲虫王者ムシキング』との併映となった[8]。
第一稿と第二稿では、『グランセイザー』の御園木や九条、『ジャスティライザー』の麗香が登場する予定であった[8]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b ゴジラ365日 2016, p. 362, 「12月17日」
- ^ 増田弘道『アニメビジネスがわかる』NTT出版、2007年、60頁。ISBN 978-4-7571-2200-0。
- ^ 超星神シリーズ、バンダイチャンネル。(2016/3/9閲覧)
- ^ 超星神コンプリーション 2021, p. 143, 「オールスタッフ&放送リスト」
- ^ a b c d TOHO TV HEROES 2018, p. 140, 「東宝特撮、スクリーンに復活!!」
- ^ a b 宇宙船YB 2006, p. 33
- ^ 宇宙船YB 2006, p. 70.
- ^ a b c d 超星神コンプリーション 2021, pp. 102–103, 「プロジェクト・超星神」
- ^ a b c 平成ゴジラパーフェクション 2012, p. 161, 「平成ゴジラバーニング・コラム NO.024 君は『超星神シリーズ』を知っているか!?」
- ^ a b c d e f g h i j k l 東宝特撮全怪獣図鑑 2014, p. 197, 「超星艦隊セイザーX」
- ^ a b 平成ゴジラパーフェクション 2012, p. 135, 「幻の平成ゴジラストーリー」
- ^ a b c 超星神コンプリーション 2021, p. 109, 「超星神シリーズ 監督たちの証言 大森一樹」
- ^ ゴジラ365日 2016, p. 143, 「5月26日」.
- ^ a b c d 超星神コンプリーション 2021, pp. 63–69, 「超星艦隊セイザーX 劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち 撮影メイキング」
- ^ a b c 東宝特撮全怪獣図鑑 2014, p. 198, 「超星艦隊セイザーX」
- ^ a b c d e f g h i j k l m GTOM vol.20 2024, p. 28, 「怪人、宇宙恐獣、合成恐獣、未来恐獣」
- ^ a b GTOM vol.20 2024, p. 30, 「Impressive 西暦2500年から託された"使命"」
- ^ a b c d e 超星神コンプリーション 2021, pp. 130–131, 「特撮川北組 幻の劇場版プロット」
- ^ a b c 超星神コンプリーション 2021, p. 119, 「デザイナーインタビュー」
- ^ テレビマガジン特別編集 2005, pp. 75–77, 「超星神MOVIE始動!」
- ^ a b c 超星神コンプリーション 2021, pp. 91–95, 「怪獣・怪人の世界」
- ^ 超星神コンプリーション 2021, p. 125, 「造形部座談会」
- ^ a b c 超星神コンプリーション 2021, p. 129, 「アクションチーム座談会」
出典(リンク)
編集参考文献
編集- 『超星神グランセイザー』講談社〈テレビマガジン特別編集〉、2005年11月30日。ISBN 978-4-06-178432-1。
- 『宇宙船YEAR BOOK 2006』朝日ソノラマ〈ソノラマMOOK〉、2006年4月20日。ISBN 4-257-13086-5。
- 『平成ゴジラパーフェクション』監修:川北紘一、アスキー・メディアワークス〈DENGEKI HOBBY BOOKS〉、2012年2月10日。ISBN 978-4-04-886119-9。
- 『東宝特撮全怪獣図鑑』東宝 協力、小学館、2014年7月28日。ISBN 978-4-09-682090-2。
- 野村宏平、冬門稔弐『ゴジラ365日』洋泉社〈映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日。ISBN 978-4-8003-1074-3。
- 『TOHO TV HEROES 東宝TV特撮の戦士たち』ホビージャパン、2018年12月14日。ISBN 978-4-7986-1832-6。
- 『超星神シリーズコンプリーション』ホビージャパン、2021年3月22日。ISBN 978-4-7986-2337-5。
- 講談社 編『ゴジラ&東宝特撮 OFFICIAL MOOK』 vol.20《超星艦隊セイザーX》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2024年3月8日。ISBN 978-4-06-531517-0。