前障
前障(ぜんしょう、claustrum)は哺乳類の脳の中の一領域。外包と最外包の間に位置する灰白質である。大脳皮質の広範な領野との間に回帰的(reciprocal)な結合を持つ。大脳基底核の一部に数えられないこともあるが、現在では機能的には関わりは薄いと考えられている。
脳: 前障 | |
---|---|
ヒト脳の右半球の水平断面。矢印の先、紫色で示すところが前障。 ヒト脳の冠状断面。矢印の先、青色で示すところが前障。 | |
名称 | |
日本語 | 前障 |
英語 | claustrum |
ラテン語 | claustrum |
略号 | Cl |
関連構造 | |
上位構造 | 前脳、終脳、(大脳基底核 ) |
画像 | |
Digital Anatomist |
水平断(海馬采/脳弓) 水平断(上丘) 水平断(前交連) 冠状断(海馬) 冠状断(脚間窩) 冠状断(黒質) |
関連情報 | |
Brede Database | 階層関係、座標情報 |
NeuroNames | 関連情報一覧 |
NIF | 総合検索 |
MeSH | Claustrum |
グレイ解剖学 | 書籍中の説明(英語) |
フランシス・クリックが晩年に、意識に相関した脳活動(意識的知覚を引き起こす最小の神経活動)を研究していく中で、前障が意識現象の最も重要な構成要素であるという考えを示した[1]。なお一般にはまだあまり支持されているとはいえない。
脚注
編集- ^ Stevens, Charles F. (2005年6月22日). “Crick and the claustrum”. Nature. 2020年1月22日閲覧。