出砂島射爆撃場
出砂島射爆撃場(いですなじましゃばくげきじょう)は、沖縄県島尻郡渡名喜村の入砂島にある在日米空軍の基地。アメリカ軍施設名としては「出砂島」という表記で、国土地理院の地図上では「入砂島」で登録されている(詳しくは入砂島を参照)。施設全体が射爆撃場となっている[1]。
出砂島射爆撃場 | |
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渡名喜村(字入砂) | |
出砂島で射撃訓練をおこなう海兵隊員 | |
入砂島 (出砂島) | |
種類 | FAC6078 |
面積 | 245,000m2 |
施設情報 | |
管理者 | 沖縄の米軍基地 米海兵隊 |
歴史 | |
使用期間 | 1945- |
基地概要
編集那覇市から西北約55km、渡名喜島から西方約4kmに位置する出砂島は、無人島で、島全体が米軍の射爆撃場として、戦闘機やヘリによる小型爆弾投下訓練、機銃射撃訓練、照明弾投下訓練などの空対地射爆撃訓練が行われている。 特定防衛施設に指定され、演習時間は午前6時から午後11時まで、夜間も照明弾を投下して激しい訓練が実施されている。その様子は本土復帰後の1975年11月6日からは航空自衛隊も、標的投下及び回収訓練の訓練場として使用している[2]。
美しい島の姿は有名で、八重山の小浜島を舞台にしたNHKの朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」のオープニングの映像にも使われた[3][注釈 1]ほどだが、米軍基地であるため、上陸することはできない。
沿革
編集神のいる島
編集入砂島の頂上付近にある4つの御嶽は、西御嶽・中御嶽・黒崎御嶽・浜崎御嶽で[5]、渡名喜住民の聖地とされ、住民はこの島をまもり、毎年シマノーシ(島直し)の祭礼をおこなってきた。渡名喜島にある「神の宿る岩」(イェーンシジ)は、入砂島から渡ってくる神の岩だとされている[6]。中御嶽の入砂の神は入砂島から船で渡ってくる、あるいは馬で渡ってくると伝えられている[7]。
「 | 入砂島は神がいる島なのでそこに潮干狩に行ったら「神様の島に来ました。無事に潮干狩をさせて下さい。」と合掌した後で島に上がり、また、乱暴な言葉を使ったり大声を出すと祟りがあると言われた。 | 」 |
—沖縄県「沖縄のしまじま」 |
1933年から町四反の新畑が開かれ、新設道路や防風林もつくられた。魚介類や海藻の宝庫で、とくにタコとエビの名産地であった。
1945年、慶良間諸島に侵攻した米艦隊は、この島にも特攻艇が秘匿されているのではないかと警戒し、入砂島に艦砲射撃を行った。その後も占領は続き、特定防衛施設として現在では深夜11時まで照明弾を落とし射爆訓練が行われる。その様子は4km先の渡名喜島からもよく見える。
「 | この島は米軍の銃砲弾を浴び続け足の踏み場もないほどに地表は荒廃してしまっている。 | 」 |
—『渡名喜村史(上巻)』 |
1997年、『渡名喜村史(上巻)」によると、渡名喜島出身の神女五人が島に渡り、50数年ぶりの祭事をおこなったが、島にあった4つの御嶽すべてが、その位置すら確認することができない状態であった[8]。
地理
編集- ビーチロックの発達がみられる。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “FAC6078出砂島射爆撃場/沖縄県”. www.pref.okinawa.jp. 2021年4月12日閲覧。
- ^ 沖縄県「米軍基地環境カルテ 出砂島射爆撃場」平成29年3月
- ^ “「ちゅらさん」オープニングの島、実は米軍の射爆撃場 不時着だけじゃない渡名喜村”. 沖縄タイムス+プラス. 2021年4月13日閲覧。
- ^ 仲井間郁江 (2024年4月26日). “朝ドラ「ちゅらさん」SNS上で話題「オープニングがなぜ、あの島なのか」 NHK制作担当者に聞いた 沖縄”. 琉球新報デジタル. 琉球新報. 2024年4月29日閲覧。
- ^ 『角川日本地名大辞典(旧地名編)』。
- ^ “見る”. www.vill.tonaki.okinawa.jp. 渡名喜村役場. 2021年4月13日閲覧。
- ^ “離島総合情報サイト 沖縄のしまじま”. 沖縄県. 2021年4月13日閲覧。
- ^ 清水浩史『秘島図鑑』河出書房新社、2015年。
関連項目
編集- 沖縄の米軍基地 > 空軍基地
- 第5空軍 (アメリカ軍)
外部リンク
編集- FAC6078 出砂島射爆撃場 - 沖縄県知事公室基地対策課