冰
冰(ひょう)は、漢姓の一つ。
中国の姓
編集冰 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 冰 |
簡体字: | 冰 |
拼音: | Bīng[1] |
注音符号: | ㄅ一ㄥ |
発音: | ピン |
英文: | Bing[1] |
冰(ひょう、Bīng)は、漢姓の一つである。
「氷」との違い
編集明の凌迪知の『万姓統譜』によれば、あるいは氷[注釈 1]氏と書かれることもあるという[1]。
実際、袁義達・邱家儒(2010) 中国姓氏大辞典 には、365頁の「冰 bīng」の項とは別に、254頁に「氷 bīng」の項があり、「氷は冰の異体字であり、すなわち冰氏である」とし、「氷氏」の分布として、江蘇省塩城市にこの姓があると記載している[1]。
出自
編集臧励龢『姓氏考略』(商務印書館、1921年)によれば、凌氏が改めたものが系出の一つだという[1]。
民族
編集『武川県志』(内蒙古人民出版社、1989年)によれば、少数民族の姓としては満州族にあるという[1]。
分布
編集山西省沁源県、河南省周口市・洛寧県・済源市・寧陵県、山東省新泰市、河北省河間市・清河県、北京市、遼寧省、貴州省習水県、湖南省津市市などの地におしなべてこの姓がある[1]。
著名な人物
編集朝鮮の姓
編集冰 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 빙 |
漢字: | 冰 |
発音: | ピン |
日本語読み: | ひょう |
MR式: 2000年式: |
Ping Bing |
冰(ひょう、ピン、朝: 빙)氏は、朝鮮人の姓氏の一つである。
著名な人物
編集- 冰如鏡 - 慶州冰氏の始祖。中国明の憲宗の時の文淵学士で礼部侍郎を歴任した後[3]、内閣翰林の地位にあって[4]、世祖の時、使臣として朝鮮に来たまま帰化した[3][4]。国賓として厚遇して、吏曹参議の位を授け、慶州府院君に封じた[5][4]。
氏族と起源
編集氏族は慶州冰氏が大宗で、その始祖は冰如鏡。『朝鮮氏族統譜』によれば、中国から入ってきた姓氏で、全南谷城地方に多く暮らすというが、『増補文献備考』や『陶谷叢説』にも見えないものが、1930年国勢調査で初めて現れた[5]。冰如鏡は世祖の時、使臣として朝鮮に来たまま帰化して、今日に至る名門である[3][4]。冰如鏡は慶州府院君に封じたことで、後孫たちが本貫を慶州とした[4]。
なお、2015年の韓国の統計庁による調査では漢字表記が下記の「氷」に統一される[6]。
氏族(地域) | 創始者 | 人数(2015年)[6] |
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慶州冰氏 | 冰如鏡 | 738 |
南原冰氏 | 5 | |
三陟冰氏 | 7 | |
清州冰氏 | 9 |
慶州「氷」氏
編集2000年に、韓国の統計庁が行った人口住宅総調査に伴う「姓氏および本貫集計」結果によって、本貫を慶州とする氷氏「慶州氷氏」が1世帯1名発見された[4]。しかしながら、これは上述の「「氷」との違い」とその注釈にあるように、「氷」は「冰」の略字体であり、中華圏では「冰」が公用字体とされており、その上、韓国では、いずれかを公用字体と指定しておらず、互いに通用していることで略体の「氷」を使ったにすぎず、それを混乱して別の姓氏と勘違いして集計したものであって、本来、「冰氏」および「慶州冰氏」に集計しても構わなかった物であろう[注釈 1]。
人口と割合
編集年度 | 人口 | 世帯数 | 順位 | 割合 |
---|---|---|---|---|
1930年 | - | 43世帯 | ||
1960年 | ||||
1985年 | 464人 | 112世帯 | 274姓中179位 | |
2000年 | 723人 | 221世帯 | 286姓中186位 | |
2015年 | 763人[6] |
脚注
編集注釈
編集出典
編集参考文献
編集- 朝鮮総督府 編(日本語)『朝鮮の姓』(復刻版)第一書房 (朝鮮総督府)、東京 (京城府)、1977年。
- 「새역사」역사편찬회 編(朝鮮語)『한구인의 성씨와 족보(韓国人の姓氏と族譜)』(第3版)図書出版オンブックス(도서출판 온북스 (onbooks))、ソウル、2008年。ISBN 8995435135。
- 袁義達; 邱家儒 (2010) (中国語). 中国姓氏大辞典 (1st ed.). 南昌市: 江西人民出版社. ISBN 978-7-210-04407-9
- (朝鮮語)『한구인의 역사(韓国人の歴史)』(第3刷)図書出版 春秋筆法(도서출판 춘추필법 )、大田、2010年。ISBN 9788996301202。