元 彝(げん い、506年 - 528年)は、北魏の皇族。任城文昭王。字は子倫。
任城王元澄の四男として生まれた。母は元澄の継妻の馮令華(馮熙の娘で、孝文帝の廃皇后と幽皇后の妹)。519年(神亀2年)、羽林監となった。12月、父が死去すると、任城王の爵位を嗣ぎ、驍騎将軍・通直散騎常侍となった。元叉が北魏の朝廷で権勢をふるうと、元彝は恥じておもねろうとしなかったため、顕職を得ることができなかった。528年(武泰元年)4月、河陰の変で殺害された。享年は23。車騎将軍・儀同三司・青州刺史の位を追贈された。諡は文昭といった。
子の元度世が任城王の位を嗣ぎ、東魏の武定年間に金紫光禄大夫となった。
妻の馮氏は爾朱世隆の妾とされた後、高歓の側妻となり、北斉の浮陽公主を産んだ。