佐藤幸治 (ボクサー)

日本のアマチュアボクシング選手

佐藤 幸治(さとう こうじ、1980年12月11日 - )は、日本の男子アマチュアボクシング選手、元プロボクサー福島県相馬市生まれ、千葉県野田市出身。第40代・第42代OPBF東洋太平洋ミドル級王者。帝拳ボクシングジム所属。西武台千葉高等学校日本大学卒業。

佐藤 幸治
基本情報
本名 佐藤 幸治
階級 ミドル級
身長 180cm
国籍 日本の旗 日本
誕生日 (1980-12-11) 1980年12月11日(43歳)
出身地 千葉県野田市
スタイルボクサーファイター
プロボクシング戦績
総試合数 22
勝ち 20
KO勝ち 18
敗け 2
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人物

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父義弘は日本サラダ株式会社の代表取締役を勤めている。4兄弟の次男で長男賢治は全日本ライトミドル級ミドル級優勝を果たしプロ入りし、三男もアマチュア強豪として知られ、四男貴則もインターハイフェザー級高校選抜フェザー級優勝を成し遂げている。4兄弟とも高校・大学が同じである。

2008年2月のグアムキャンプ中には、宿泊先の池に誤って転落し心肺停止状態となった少年の救助を行ない、心臓マッサージなどを施して命を救った[1][2]

来歴

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アマチュア

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中学3年生の時、兄の影響でボクシングを始める。高校3年時の1998年かながわ・ゆめ国体少年・インターハイ・高校選抜ライトウェルター級で優勝し、高校生では日本初のアジアジュニア大会に出場し銀メダルを獲得。

大学1年時の1999年全日本・くまもと未来国体成年ウェルター級優勝、2000年の2年時には全日本・とやま国体成年ライトミドル級優勝、2001年の3年時には全日本・新世紀・みやぎ国体成年ライトミドル級優勝、2002年4年時にはボクシング部のキャプテンを務めよさこい高知国体成年・全日本ライトミドル級優勝。

大学卒業後、自衛隊体育学校で2003年NEW!!わかふじ国体・全日本ミドル級優勝(全日本決勝では南京都高校3年、後のロンドンオリンピック金メダリスト・WBA世界ミドル級王者村田諒太に1回RSC勝利)と活躍し、全日本5連覇などを含む13冠を獲得。シドニーオリンピックアテネオリンピックのアジア予選の日本代表になったが、準決勝でスリヤー・ソー・プルンチットに敗退し出場は叶わずプロに転向する[3]

プロ

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2004年、帝拳ボクシングジムに入門しB級ライセンスを取得。

2005年4月8日、ラスベガスオーリンズで行われたプロデビュー戦では、フランシスコ・バルデスに初回KO勝利を収め、後に何度か経験したラスベガス合宿ではマイク・マッカラムの指導を受けた[4]。同年9月25日には横浜アリーナダブル世界戦のアンダーカードで李朱永に1回2分36秒TKO勝利を収めた。

2006年、B:Tight!に参戦。12月9日の決勝ではWBA世界ミドル級王座に挑戦経験のある保住直孝を3回1分17秒TKO勝ちで退けて優勝した。

2007年3月17日、プラディープ・シンが返上したため催されたOPBF東洋太平洋ミドル級王座決定戦で、同級1位のアダム・ベラを9回1分11秒TKO勝ちで退け王座を獲得に成功し、プロ初戴冠を果たした。同年8月4日、OPBF同級4位のデービッド・コスワラを2回1分54秒TKO勝ちで退けて初防衛に成功し、12月15日にはOPBF同級8位の小松学を3回KOで退け、2度目の防衛に成功した。翌2008年4月19日、OPBF同級5位・インドネシア王者バンバン・ルサディの2回終了時棄権により3度目の防衛に成功。同年9月6日には日本同級王者江口啓二を1回1分52秒TKO勝ちで下し、4度目の防衛に成功した。2009年1月3日、パシフィコ横浜ダブル世界戦のアンダーカードで前メキシコスーパーウェルター級王者でメキシコ同級2位のマルティン・アビラとノンタイトル10回戦を行い、2回2分18秒KO勝利を収めた。

2009年4月25日、無敗のまま世界初挑戦。ドイツクレーフェルトのケーニッヒ・パラストでWBA世界ミドル級王者フェリックス・シュトルムに挑んだが、王者の巧みなジャブに制され7回2分46秒TKO負けを喫した[5]。プロ15戦目にして初黒星となった。6月5日、自身のブログで現役続行を表明した[6]

2009年12月13日、松下IMPホールで日本ミドル級王者でOPBF東洋太平洋同級王者の鈴木哲也にOPBF東洋太平洋ミドル級王座を懸けOPBF東洋太平洋同級2位として挑戦し、116-113、116-113、115-113の3-0で判定勝利を収め、返上した王座を再獲得した[7]。翌2010年4月3日には韓国ミドル級王者でOPBF同級2位の李在明と対戦し、4回に2度のダウンを奪い、4回2分41秒TKO勝ちで初防衛に成功[8]、同年7月3日にはOPBF東洋太平洋同級8位で韓国スーパーウェルター級2位の尹仁栄と対戦し、3回2分6秒KO勝ちを収め、2度目の防衛に成功した[9]

2010年12月4日、サロモン・ロドリゲス(メキシコ)とノンタイトル戦で対戦し、2回に右フックでロドリゲスからダウンを奪うが、4回終了間際にロドリゲスの右ストレートでプロ2度目のダウンを奪われるなど苦戦を強いられるも、5回に猛攻を浴びせ、最後は右フックでロドリゲスをリングに沈め5回0分37秒TKO勝ちを収めた[10]

2011年8月6日、後楽園ホールで氏家福太郎(新日本木村)とOPBF王座の3度目の防衛戦を行い、6回1分33秒TKO勝ちで3度目の防衛に成功した[11]

2011年12月12日、後楽園ホールで日本ミドル級王者淵上誠(八王子中屋)と日本・OPBFミドル級王座統一戦を行い、9回1分26秒TKO負けを喫し日本王座とOPBF王座の統一に失敗。日本王座の獲得に失敗すると共にOPBF王座の4度目の防衛にも失敗しOPBF王座を淵上に譲り渡す結果となった[12]

2012年6月19日、自身のブログで現役引退を発表した。

引退後は、不動産会社や世界を旅する豪華客船の従業員など職を経て、有名人をボディガードする警備会社に就職した[13]

アマチュア復帰

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引退から7年が経過した2019年6月30日、プロからアマへの転向が解禁されたことを受け、2020年東京オリンピックを目指すべく38歳でアマ復帰した。その初戦となる全日本選手権東京都予選で勝利するも[14]、東京五輪予選出場選手を決める全日本選手権75キロ級(ミドル級)の準々決勝で森脇唯人に敗退し、東京オリンピック出場は叶わなかった[13]

2023年4月、東京都千代田区議会議員選挙に出馬したが落選した[15]

戦績

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  • アマチュアボクシング:136戦133勝 (101KO・RSC) 3敗[4](※海外の国際大会での戦績を除く)
  • プロボクシング:22戦20勝 (18KO) 2敗 (2KO)
日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 2005年4月8日 勝利 1R 0:56 KO フランシスコ・バルデス   アメリカ合衆国 プロデビュー戦
2 2005年7月2日 勝利 3R 1:27 KO 金住泰   韓国
3 2005年9月25日 勝利 1R 2:36 TKO 李朱永   韓国
4 2006年1月7日 勝利 3R 1:50 TKO 崔光鎭   韓国
5 2006年4月1日 勝利 6R 1:58 TKO 呉必勝   韓国
6 2006年8月19日 勝利 4R 判定3-0 岡田山金太郎   日本
(オサム)
7 2006年10月21日 勝利 1R 2:27 TKO 鮎沢雅夫   日本(新日本カスガ)
8 2006年12月9日 勝利 3R 1:17 TKO 保住直孝   日本
(ヨネクラ)
第3回B:Tight!ミドル級決勝
9 2007年3月17日 勝利 9R 1:11 TKO アダム・ベラ   オーストラリア OPBF東洋太平洋ミドル級王座決定戦
10 2007年8月4日 勝利 2R 1:54 TKO デビッド・コスワラ   インドネシア OPBF防衛1
11 2007年12月15日 勝利 3R 3:04 KO 小松学   日本
(ワタナベ)
OPBF防衛2
12 2008年4月19日 勝利 2R終了 TKO バンバン・ルサディ   インドネシア OPBF防衛3
13 2008年9月6日 勝利 1R 1:52 TKO 江口啓二   日本
(姫路木下)
OPBF防衛4
14 2009年1月3日 勝利 2R 2:18 KO マルティン・アビラ   メキシコ
15 2009年4月25日 敗北 7R 2:46 TKO フェリックス・シュトルム   ドイツ WBA世界ミドル級タイトルマッチ
16 2009年12月13日 勝利 12R 判定3-0 鈴木哲也   日本
(進光)
OPBF東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ
17 2010年4月3日 勝利 4R 2:41 TKO 李在明   韓国 OPBF防衛1
18 2010年7月3日 勝利 3R 2:06 KO 尹仁栄   韓国 OPBF防衛2
19 2010年12月4日 勝利 5R 0:37 TKO サロモン・ロドリゲス   メキシコ
20 2011年4月20日 勝利 1R 2:25 KO アデ・アルフォンス   インドネシア
21 2011年8月6日 勝利 6R 1:33 KO 氏家福太郎   日本
(新日本木村)
OPBF防衛3
22 2011年12月12日 敗北 9R 1:26 TKO 淵上誠   日本
(八王子中屋)
日本・OPBFミドル級王座統一戦/OPBF王座陥落
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獲得タイトル

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アマチュア

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  • 第53回国体少年の部ウェルター級優勝
  • 第52回インターハイライトウェルター級優勝
  • 第9回全国高校選抜ライトウェルター級優勝
  • 第54回国体成年の部ウェルター級優勝
  • 第69回全日本選手権ウェルター級優勝
  • 第55回国体成年の部ライトミドル級優勝
  • 第70回全日本選手権ライトミドル級優勝
  • 第56回国体成年の部ライトミドル級優勝
  • 第71回全日本選手権ライトミドル級優勝
  • 第57回国体成年の部ライトミドル級優勝
  • 第72回全日本選手権ライトミドル級優勝
  • 第58回国体成年の部ミドル級優勝
  • 第73回全日本選手権ミドル級優勝
受賞歴
  • プロ・アマチュア年間表彰
    • 1998年度アマチュア部門 新鋭賞
    • 2000年度アマチュア部門 努力賞
    • 2001年度アマチュア部門 優秀選手賞
    • 2003年度アマチュア部門 努力賞

プロ

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  • 第3回B:Tight!ミドル級優勝
  • 第40代OPBF東洋太平洋ミドル級王座(防衛4度)
  • 第42代OPBF東洋太平洋ミドル級王座(防衛3度)
受賞歴
  • プロ・アマチュア年間表彰
    • 2008年度プロ部門 新鋭賞

脚注

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  1. ^ Hisao Adachi (2008年2月7日). “¡Boxeadores de Teiken Boxing salvan a un bebé!” (スペイン語). NotiFight.com. http://www.notifight.com/artman2/publish/Reporte_7/Boxeadores_de_Teiken_Boxing_salvan_a_un_beb.php 2011年2月3日閲覧。 
  2. ^ Matsuda ante Soh este sábado en Tokio NotiFight.com 2010年6月28日閲覧 (スペイン語)
  3. ^ Green Hill Tournament (olympic qualifier) Karachi, Pakistan May 6-12, 2004”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2016年3月24日閲覧。
  4. ^ a b Hisao Adachi (2007年7月26日). “¡CMB#16 Sato defenderá ante Koswara!” (スペイン語). NotiFight.com. http://www.notifight.com/artman2/publish/Reporte_7/CMB_16_Sato_defender_ante_Koswara_printer.php 2011年2月21日閲覧。 
  5. ^ フェリックス・シュトルムVS佐藤幸治〜ボクシングWBA世界ミドル級タイトルマッチ スポニチ Sponichi Annex 2009年4月27日
  6. ^ 更新遅れすみません 佐藤幸治オフィシャルブログ 2009年6月5日
  7. ^ 佐藤、苦闘も王座返り咲き 鈴木に3-0判定 ボクシングニュース「Box-on!」 2009年12月14日閲覧
  8. ^ 佐藤強打で防衛―OPBFミドル級 ボクシングニュース「Box-on!」 2010年4月3日閲覧
  9. ^ 佐藤V2は3回KOで決めた 日刊スポーツ 2010年7月3日閲覧
  10. ^ 佐藤5回TKOも「不十分」/ボクシング 日刊スポーツ 2010年12月4日閲覧
  11. ^ 佐藤、5試合連続KOで3度目の防衛…東洋太平洋ミドル級戦 スポーツ報知 2011年8月7日閲覧
  12. ^ 日本王者・淵上、TKOでV4/BOX サンケイスポーツ 2011年12月13日
  13. ^ a b 村田諒太に勝った38歳元プロ佐藤幸治がRSC負けで東京五輪の夢絶たれる「挑戦できたことが幸せだった」”. The Page (2019年11月23日). 2019年12月24日閲覧。
  14. ^ “【ボクシング】「五輪目指す」内山、山中も応援、プロからアマ転向の勝者第1号が誕生=元日本王者・佐藤”. イーファイト. (2019年7月1日). https://efight.jp/news-20190701_341520 2019年7月14日閲覧。 
  15. ^ ボクシング界選挙結果 坂田健史さん4選 新人の佐藤幸治さん、阿知和賢さん及ばず”. ボクシングニュース (2023年4月24日). 2023年8月6日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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前王者
プラディープ・シン
第40代OPBF東洋太平洋ミドル級王者

2007年3月17日 - 2009年3月(返上)

空位
次タイトル獲得者
鈴木哲也
前王者
鈴木哲也
第42代OPBF東洋太平洋ミドル級王者

2009年12月13日 - 2011年12月12日

次王者
淵上誠