佐々木望 (動物学者)
頭足類を専門とする日本の軟体動物学者
佐々木 望(ささき まどか、明治16年(1883年)10月10日 - 昭和2年(1927年)11月15日)は日本の動物学者、分類学者(男性)である。世界的な頭足類の研究者として知られている。
ささき まどか 佐々木 望 | |
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生誕 |
佐々木 望 1883年10月10日 日本 広島県 広島市 大手町 |
死没 |
1927年11月15日(44歳没) ハンガリー王国 ブダペスト |
居住 | 大日本帝国 |
国籍 | 大日本帝国 |
研究分野 | 分類学、水産学、動物学 |
研究機関 |
東北帝国大学 北海道帝国大学 |
出身校 |
天王寺中学校 第三高等学校 東京帝国大学 |
主な業績 | 日本産頭足類の分類学的研究 |
命名者名略表記 (動物学) | Sasaki |
配偶者 | 佐々木 延喜(のぶき)[1] |
子供 | 1男3女[1] |
プロジェクト:人物伝 |
略歴
編集瀧・五十嵐 (1967)に基づく[1]。
- 1883年(明治16年)10月10日、広島県広島市大手町(現、広島市中区大手町)に生まれる。
- 1909年(明治42年)7月10日、東京帝国大学 理科大学動物学科 卒業
- 同年8月31日、東北帝国大学 農科大学水産学科講師を嘱託
- 1910年(明治43年)8月31日、東北帝国大学 農科大学水産学科教授に任命
- 1918年(大正7年)4月1日、官制改正により北海道帝国大学附属水産専門部教授に任命
- 1919年(大正8年)9月3日、理学博士の学位を取得
- 1927年(昭和2年)1月22日、満3年間イギリスへ留学を命じられる
- 同年3月15日、横浜を出港
- 同年11月15日、病によりハンガリーの首都、ブダペストにて逝去
生涯
編集1883年(明治16年)10月10日、広島県広島市大手町(現、広島市中区大手町)に生まれる[1]。ハンガリーにて亡くなり、著名なモノグラフ[2]は彼の死後、1929年に発表されている。
論文
編集- SASAKI Madoka (1924-11), “On a Japanese Salamander, in Lake Kuttarush, which Propagates like the Axolotl”, Journal of the College of Agriculture, Hokkaido Imperial University, Sapporo, Japan (College of Agriculture, Hokkaido Imperial University) 15 (1): 1-36
- SASAKI Madoka (1929). “A monograph of dibranchiate cephalopods of the Japanese, adjacent waters”. Jour. Coll. Agric. Hokkaido Univ. 20, suppl.: 1-357, 30pls.. NAID 10012389156.
- 佐々木望「體腔に就きて(承前)(一般動物學)」『動物学雑誌』第20巻第242号、東京動物學會、1908年、529-534頁、NAID 110004614344。
- 佐々木望「日本に産する頭足十脚類(Cephalopode Decapoda in Japan.)」『動物学雑誌』第21巻第251号、東京動物學會、1909年、376-389頁、NAID 110004599993。
- 佐々木望「日本に産する十脚頭足類(續き)」『動物学雑誌』第21巻第253号、東京動物學會、1909年、481-486頁、NAID 110004622320。
- 佐々木望「日本に産する十脚頭足類(續き)」『動物学雑誌』第22巻第261号、東京動物學會、1910年、363-371頁、NAID 110004653568。
- 八田三郎, 佐々木望「北海道に產する腹足類及瓣鰓類の目録」『札幌博物学会会報』第3号、札幌博物學會、1910年10月、93-98頁、NAID 120005722559。
- 佐々木望「スルメイカOmmastrephes sloani pacificus(STEENSTRUP)の解剖」『動物学雑誌』第37巻第440号、東京動物學會、1925年、240-261頁、NAID 110004683046。
命名した生物
編集有効名のみを示す。
十腕形類
編集- テナガコウイカ Sepia longipes Sasaki, 1913
- ヒョウモンコウイカ Sepia pardex Sasaki, 1913
- ウデボソコウイカ Sepia tenuipes Sasaki, 1929
- ボウズコウイカ Sepia erostrata Sasaki, 1929
- マボロシコウイカ Sepia carinata Sasaki, 1920
- シリヤケイカ Sepiella japonica Sasaki, 1929
- ダンゴイカ Sepiola birostrata Sasaki, 1918
- ヒメダンゴイカ Sepiola parva Sasaki, 1913
- ニヨリミミイカ Euprymna berryi Sasaki, 1929
- ワタゾコボウズイカ Rossia mollicella Sasaki, 1920
- ヤワラボウズイカ Austrorossia bipapillata (Sasaki, 1920)
- ベイカ Loliolus beka (Sasaki, 1929)
- タイワンホタルイカ Abralia multihamata Sasaki, 1929
- テナガタコイカ Gonatopsis octopedatus Sasaki, 1920
- タコイカ Gonatopsis borealis Sasaki, 1920
- ヤセトビイカ Ornithoteuthis volatilis (Sasaki, 1915)
- スジイカ Eucleoteuthis luminosa (Sasaki, 1915)
- サヤボソイカ Teuthowenia elongatus Sasaki, 1929
八腕形類
編集- トヤマダコ Octopus fujitai (Sasaki, 1929)
- シコクダコ Octopus alatus (Sasaki, 1920)
- ナミダコ Octopus hattai (Sasaki, 1929)
- タイワンダコ Octopus oshimai (Sasaki, 1929)
- マメダコ Octopus parvus Sasaki, 1917
- ツノモチダコ Octopus tenuicirrus (Sasaki, 1929)
- アシボソダコ Octopus tenuipulvinus (Sasaki, 1920)
- ツガルダコ Octopus tsugarensis (Sasaki, 1920)
- コシキワタゾコダコ Bathypolypus validus (Sasaki, 1920)
- キシュウチヒロダコ Benthoctopus abruptus (Sasaki, 1920)
- サメハダテナガダコ Callistoctopus luteus (Sasaki, 1929)
- テナガダコ Callistoctopus minor (Sasaki, 1920)
- ヤナギダコ Paroctopus conispadiceus (Sasaki, 1917)
- クモダコ Paroctopus longispadiceus (Sasaki, 1917)
- オホーツクダコ Paroctopus ochotensis (Sasaki, 1920)
- トゲミズダコ Paroctopus spinosus (Sasaki, 1920)
- エンドウダコ Paroctopus yendoi (Sasaki, 1917)
- ワタゾコダコ Sasakiopus salebrosus (Sasaki, 1920)
- イイジマフクロダコ Eledonella iijimai Sasaki, 1929
- イイダコモドキ Amphioctopus ovulum (Sasaki, 1917)
献名された生物
編集脚注
編集- ^ a b c d 瀧・五十嵐(1967), 26頁
- ^ SASAKI Madoka 1929.
- ^ 奥谷喬司『新編 世界イカ類図鑑』東海大学出版部、2015年。ISBN 9784486037347。
参考文献
編集- 瀧巌・五十嵐孝夫 (1967-12), “北海道大学水産学部(函館)資料水産館 資料第7号”, 北海道水産学部水産資料館所蔵 頭足類標本目録 (故佐々木望博士蒐集標本及び水産動物学教室蒐集標本)
- (SASAKI Madoka 1929)
- 阿部余四男「故佐々木望氏に就て」『動物学雑誌』第40巻第472号、東京動物學會、1928年、70頁、NAID 110004664948。