伝染性無乳症
伝染性無乳症(でんせんせいむにゅうしょう、英:contagious agalactia)とはマイコプラズマ感染を原因とする感染症。日本では家畜伝染病予防法において届出伝染病に指定されており、対象動物はヒツジ、ヤギ。ヒツジではMycoplasma agalactiae、ヤギではそのほかにMycoplasma mycoides subsp.、Mycoplasma mycoides large colony type、Mycoplasma capricolum subsp. capricolumが原因となる。
感染力は強く、飛沫感染、経口ないし接触感染するほか、垂直感染する場合もある。症状は多くが慢性に経過し、乳量の減少を起こすほか、関節炎や角結膜炎の症状が見られる場合がある。悪化すると敗血症により死亡する場合や、流産を招く場合もある。[1]日本国内では1991年に初めて沖縄県で発生報告があり、以降2023年現在まで、沖縄県で散発的に発生している[2]。
日本ではワクチン投与は行われていない。テトラサイクリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質、ニューキノロン系合成抗菌薬が治療に使用される。
脚注
編集- ^ “動衛研:家畜の監視伝染病 届出伝染病-37 伝染性無乳症(contagious agalactia)”. www.naro.affrc.go.jp. 2024年10月19日閲覧。
- ^ “監視伝染病の発生状況:農林水産省”. www.maff.go.jp. 2024年10月19日閲覧。
参考文献
編集- 清水悠紀臣ほか 『動物の感染症』 近代出版 2002年 ISBN 4874020747