伊瀬幸太郎
伊瀬 幸太郎（伊瀨幸太郎[1]、いせ こうたろう、1894年〈明治27年〉12月11日[2] - 1991年〈平成3年〉1月23日[3]）は、大正から昭和期の農民運動家、政治家。衆議院議員（3期）。
経歴
編集奈良県[4]葛下郡、のちの北葛城郡當麻町[3]（現葛城市）出身。農業を営む[4]。磐城村会議員に選出された[4]。
農民運動に加わり、日本農民組合奈良県連会長、同中央委員、労働農民党奈良県支部連合会書記長、日本労農党奈良県連会長などを務めた。戦後、奈良県労働委員、同農地委員、奈良県指導農業協同組合連合会長、全国農民組合中央常任委員、奈良県農業会議々長などを務めた。
1946年（昭和21年）4月の第22回衆議院議員総選挙で奈良県全県区から日本社会党公認で出馬して落選[5]。1947年（昭和22年）4月の第23回総選挙で奈良県全県区から出馬して初当選[6]。第24回、第25回総選挙では連続して落選[7]。1953年（昭和28年）4月の第26回総選挙で再選され[8]、次の第27回総選挙でも当選し[8]、衆議院議員に通算3期在任した[4]。この間、社会党奈良県連会長、同党協同組合政策委員長、同農村政策委員長などを務めた[4]。その後、第29回総選挙まで連続2回立候補したがいずれも落選した[8]。
家族
編集- 妻・伊瀬静枝（1912-?）‐旧姓伊藤。当麻村農場経営者・伊藤直人の次女。八代高女中退後賀川豊彦のもとでキリスト教の洗礼を受け、1932年に幸太郎と結婚[10]。
- 長男・伊瀬敏郎（1924-2005）‐奈良学園創立者。奈良県立畝傍中学校、旧制松山高等学校を経て1947年に東京帝国大学経済学部を卒業、衆議院農林専門調査員、日本社会党代議士秘書を経て1950年に帰郷、翌年奈良県議会議員に当選、1955年に辞職し1957年に高田瓦斯株式会社設立、1964年に奈良学園の前身・中和学園理事長就任、翌年奈良文化女子短期大学と付属高等学校を開学した[11][12][13]。
- 孫・伊瀬敏史（1957-）‐敏郎の長男。奈良学園理事長（2018-）、大阪大学名誉教授。[12][14][15]
- 孫・伊瀬哲也‐敏郎の二男。奈良学園元理事長（2004-2007）。関西科学大学の文部科学省への開学申請書類で虚偽記載が見つかり、理事長を引責辞任した[16][17]。
脚注
編集- ^ a b 『官報』第562号8-9頁 平成3年2月2日号
- ^ 衆議院『衆議院議員名簿．第20回国会』〈衆議院公報附録〉、1954年、24頁。
- ^ a b 『現代物故者事典 1991～1993』61頁。
- ^ a b c d e 『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』41頁。
- ^ 『衆議院議員総選挙一覧 第22回』1247頁。
- ^ 『衆議院議員総選挙一覧 第23回文部科学省から』399頁。
- ^ 『国政選挙総覧 1947-2016』280-281頁。
- ^ a b c 『国政選挙総覧 1947-2016』281頁。
- ^ 『官報』号外第48号2頁 昭和41年4月30日号
- ^ 『日本女性録』中央探偵社、1958
- ^ 『人事興信録 第15版 上』伊瀬幸太郎の項
- ^ a b 伊瀬敏郎氏死去/奈良学園学園長四国新聞社、2005/11/25
- ^ 奈良学園創立者、伊瀬敏郎の建学精神学校法人奈良学園
- ^ [1]まほろば36号、奈良文化女子短期大学同窓会、2018.9.1
- ^ 伊瀬 敏史科学技術振興機構researchmap
- ^ 申請取り下げ等平成 19 年度 新設予定大学・短大等情報、旺文社 教育情報センター 18 年 12 月
- ^ 産経新聞「奈良学園・伊瀬理事長が退任へ 大学設置申請取り下げで引責 」2007/03/27
参考文献
編集- 衆議院事務局編『衆議院議員総選挙一覧 第22回』衆議院事務局、1950年。
- 衆議院事務局編『衆議院議員総選挙一覧 第23回』衆議院事務局、1948年。
- 衆議院・参議院『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
- 『現代物故者事典 1991～1993』日外アソシエーツ株式会社、1994年。
- 『国政選挙総覧 1947-2016』日外アソシエーツ、2017年。