仙台高校教諭殺害事件(せんだいこうこうきょうゆさつがいじけん)とは、2010年平成22年)4月私立高校教諭殺害された事件である。保険金詐欺を企てたとして妻と知人の男が起訴された。

概要

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2010年平成22年)4月30日宮城県仙台市泉区で退院したばかりの私立高校教諭が自宅で血を流して倒れていたところを長男によって発見された。頭や顔を鈍器のようなもので何度も殴られており、鑑定の結果、死因は頭蓋骨骨折などによる脳挫傷であった。近くに凶器と見られている金属バットが落ちていた。また、周りの道路に犯人のものと見られる血痕が付いた足跡が残されていたのが確認された。尚、被害者は事件の二か月前にも謎の大怪我を負い、入院していた。

宮城県警の捜査により、8月8日殺人容疑で被害者の知人の男A、Bを逮捕。そして8月12日にA、Bの「妻が犯行を知っていたはず」などの供述から被害者の妻Cが殺人事件に関与した疑いがあるとして逮捕した。その後、AがBに指示して頭や顔を鈍器で何度も殴るなどしたとして起訴。6月7日に他の被告らと保険金2810万円をだまし取ろうとしたとして、Cも殺人と詐欺未遂罪で起訴された。

裁判経過

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  • 妻Cの弁護側は、Cの殺害に多少は責任はあるが殺害計画を知らず実行役でもないとして、殺人ほう助罪の適用を主張。殺人罪を求める検察と対立した。2011年9月27日に仙台地裁は懲役11年(求刑懲役20年)の実刑判決。川本清巌裁判長は判決でAが主導したとして積極的に殺害を企てたとまではいえないとしながらも「被告が嫌いな夫が亡くなることは妻にとって利益があり、妻は殺害に加担した行為は手助けにとどまらない」と認定した。検察、弁護側の双方が控訴せずに懲役11年の実刑判決が確定した。
  • 妻の交際相手の男Aには2011年10月20日に仙台地裁(川本清巌裁判長)で懲役23年(求刑懲役30年)の判決が言い渡された[1]。判決では動機については保険金目的ではなく、怒りが爆発して殺害を決意したもので詐欺未遂はほう助にとどまるとした[1]。弁護側はこの判決を不服として控訴した。2012年6月28日、仙台高裁(飯渕進裁判長)は一審判決を支持し、検察側の控訴を棄却した[2]。判決では、保険金目的を動機の1つと認定した上で、「関係証拠を総合しても事実誤認とまでは認められない」とした[2]。弁護側は判決を不服として上告した[3]
  • 実行役の男Bに対しては、2011年11月24日に仙台地裁(鈴木信行裁判長)は懲役18年(求刑懲役20年)の判決を言い渡した[4]。弁護側は男Aにマインドコントロールを受けていたと主張していたが、判決では殺害をやめることは不可能でなかったとした。判決理由では、「強い殺意を持ち、金属バットで殴って殺害しており極めて悪質だ」とした[4]

脚注

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  1. ^ a b “知人の男に懲役23年 仙台の高校教諭殺害”. 共同通信社. 47NEWS. (2011年10月20日). https://web.archive.org/web/20111021213503/http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011102001000631.html 2012年8月14日閲覧。 
  2. ^ a b “元交際相手、二審も懲役23年=高校教諭殺害-仙台高裁”. 時事通信社. (2012年6月28日). http://www.jiji.com/jc/zc?k=201206/2012062800850 2012年8月14日閲覧。 
  3. ^ “教諭殺害、懲役23年の判決受けた被告が上告”. 読売新聞. (2012年7月17日) 
  4. ^ a b “実行役に懲役18年の判決 仙台の高校教諭殺害”. 共同通信社. 47NEWS. (2011年11月24日). http://www.47news.jp/CN/201111/CN2011112401000558.html 2012年8月14日閲覧。 

参照

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関連項目

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