今日の芸術』(こんにちのげいじゅつ、Today's Art)は、岡本太郎による美術評論書である。サブタイトルは「時代を創造するものは誰か」。1954年に光文社で刊行され、ベストセラーとなる。その後一時絶版になっていたが、1999年に光文社知恵の森文庫で改訂再刊した。

概要

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目次

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第1章 なぜ芸術があるのか
  • 生きるよろこび
    • 現代人は、部品になった
    • 楽しいが空しい
    • 自己回復の情熱
  • 芸術の見方 - あなたには先入観がある
第2章 わからないということ
  • 「八の字」文化
    • 符丁の魔術
    • 今日の「八の字」文化
  • わからない絵の魅力
    • 抽象芸術(アプストラクト)
    • 超現実派(スュールレアリズム)
  • 鑑賞と創造の追っかけっこ
第3章 新しいということは、何か
  • 新しいという言葉
    • そのほんとうの意味
    • 「近ごろの若いものは……」
    • 法隆寺の壁画は新しいか
  • 芸術は常に新しい
    • 美術史はくり返さない
    • 建築も音楽も文学も
  • 新しいものへのひがみ
    • 流行とは何か
    • 根のない日本主義
  • 近代文化の世界性
    • 世界は狭くなった
    • 洋服とキモノ
    • 自動車と駕籠
    • 建築様式の国際化
    • 具象から抽象へ - 私の遍歴
    • 国境を越えた現代芸術
  • アヴァンギャルドとモダニズム
    • 新しいといわれればもう新しくない
    • 暮らしの中のモダニズムの効用
    • ゆきづまりが、ゆきづまりを越える
第4章 芸術の価値転換
  • 芸術はここちよくあってはならない
  • 芸術はいやったらしい
  • 芸術は「きれい」であってはならない
  • 芸術は「うまく」あってはいけない
第5章 芸術はすべての人の創るもの
  • 見ることは、創ることでもある
    • 芸術とは単数であり、複数である
    • あなた自身を創造する
    • 見ることから描くことへ
  • 昔、絵は見るものではなかった
    • お蔵の中に眠る名画
    • 見せると減る芸術
  • 下手な絵描きたち
    • 貴族から市民の芸術へ
    • ヘッポコ絵描きセザンヌ
    • 素人画家ゴッホ、ゴーギャン、アンリ・ルソー
    • まずく描くピカソ
  • 名人芸のいらない時代
    • 生産様式と芸術様式
    • 四君子とモンドリアン
    • 「ピカソなんか、おれだって……」
  • だれでも描けるし、描かねばならない
    • 絵を描くのは余技ではない
    • うまい絵を描こうとするまちがい
    • デタラメがなぜ描けないか
    • とにかく描く
  • 自由の実験室
    • 家じゅう全部で
    • ポーズを切りくずすこと
    • 「芸術なんてなんでもない」
  • 子どもと絵
    • 描く衝動
    • 見られたくない
    • 正しい図画教育とは
    • 昔の図画教育
    • 生徒に絵を教わる時間
    • 赤丸チョンチョン、子どもの「八の字」
    • 子どもの自由と芸術家の自由
第6章 われわれの土台はどうか
  • 日本文化の特殊性
    • 文化の袋小路
    • 日本文化は東洋的か
  • 芸術と芸ごと
    • 芸能の世界
    • 邪道が正道である
    • 「芸術」という言葉の身元は
    • フランス絵画史は語る
    • 技術と技能
    • 芸術は決意の問題
    • 渋みと、なまなましさ
  • 日本的モラル
    • 謙譲の美徳
    • 自分がやると公言すること
    • たった一人で飛び出すもの
    • しおらしい卑屈さ
    • 「外国人がほめた」
    • 「らしく」ということ
  • 巻末解説 赤瀬川原平(文庫版のみ)

各版

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翻訳版

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関連項目

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