今川 憲次 (いまがわ けんじ IMAGAWA Kenji1908年1月20日 - 1984年4月17日)は北海道根室市出身の英文学者、大学教授第八高等学校教授等を経て、南山大学で教鞭をとる。中世英文学カトリック系文学の解明をライフワークとした。言語時評を中心とした軽妙洒脱なエッセイの書き手として活躍。妻・蕁子(かずこ)は文化学院女学部の教師時代に、与謝野晶子の助手として師事[1]。同僚に、西村伊作戸川秋骨与謝野鉄幹、西脇マジョリーがいた[2]

今川の文学研究のありように関して、遠藤周作は他の欧米文学研究者と基本的にちがう点をあげ、「文学研究をとおして御自分の基督教を練磨」[3]したことにあると、最高の賛辞をもって評した。

経歴

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著作

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  • Treasure Island (編注)、 青雲堂、1930
  • Modern Novelettes (編注)、文修堂、1932
  • Edward B. Shanks, A Londoner's England (編注)、荘仁社、1939
  • 『英語はたのし』(大学書林語学文庫 No. 105)、 大学書林, 1966-8-25 
  • “On Some Interpretations of Chaucer's Knight's Tale” 『アカデミア』(南山大学)、第4輯、1953
  • Troilus and Creseyde: Celestial or elles love of Kynde」『アカデミア』、第8輯、1954
  • The Book of the Duchess」『アカデミア』、第14輯、1956
  • 「ストロベリブロンド」(随筆)『南山文学』(南山文学会)、創刊号、1956-3
  • Troilus and Cressida」『アカデミア』、第28-29輯、1960
  • 「Courtly LoveとConjugal Love」『アカデミア』、第35輯、1962
  • 「ダーム・アリスン」Nanzan Review、 第1号、1962
  • ハムレットの劇の一つの見方」『南山文学』、第4号、1962
  • 「哭いて去る彼奴」『南山文学』、第5号、1962
  • “Mulier est Hominis Confusio” Nanzan Review、 第2号、1963
  • Memento Mori について」『南山文学』、第6号、1963
  • A Burnt-out Case考」Nanzan Review、 第3号、1966
  • The Comedians考」Nanzan Review、 第4号、 1967
  • A. E. Hotchner, The Last Days of Ernest Hemingway (編注) 、朝日出版、1968
  • “An Image of Man in Modern Japanese Novels,” Man in Society: Facts and Visions, ed. Helmut H. Loiskandl. Dubuque, Iowa: Kendall/Hunt, 1971
  • 「悪魔払いの文学:エクソシストについて」『政界往来』、9月号、1973
  • “A Comparative Study of Graham Greene and Endo Shusaku"『アカデミア』、第25輯、1975-1976(合併号)
  • グレアム・グリーンの『名誉領事』について」『政界往来』、12月号、1975-1976
  • 「カトリック作家としてのイヴリン・ウォー」『声』(大阪教区出版)、7・8月合併号、1977
  • 「文学と宗教」『政界往来』、12月号、1977
  • チョーサーのファブリオー: Musical, The Canterbury Talesを見て」『アカデミア』、第25輯、1978
  • 『もんく・もんく・もんく:ある語学教授の言語時評』(今川憲次先生・出版賛助会)、中日新聞本社、1979
  • 「人間的要素」『声』(大阪教区出版)、2月号、1979
  • 『不思議な電話』(ミュリエル・スパーク著、今川憲次訳)、東京新聞出版局、1981
  • 徳川美術館宝物英訳集』、東京新聞出版局、1982-1
  • 『幾山河:金婚記念』(今川蕁子との共著)、名古屋: 朝日新聞本社、1982-11
  • 『カトリック小説考:グレアム・グリーンと遠藤周作を中心に』、近江誠編(遠藤周作「序」、pp. 1-2;大橋健三郎「故今川憲次さんのこと」、pp. 311-314;近江誠「おわりに: 今川遺稿をまとめるにあたって」、pp. 315-318)、南雲堂、1988

参考文献/出典

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  • 「今川教授略歴・主要業績」『アカデミア: 今川憲次教授退職記念号』、25輯(通巻第122集)、1978
  • 『もんく・もんく・もんく: ある語学教授の言語時評』(今川憲次先生・出版賛助会)、中日新聞本社、1979
  • 『幾山河:金婚記念』(今川蕁子との共著)、名古屋: 朝日新聞本社、1982
  • 「今川憲次年譜・著作目録」『カトリック小説考:グレアム・グリーンと遠藤周作を中心に』、南雲堂、1988、pp. 308-309

脚注

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  1. ^ 『幾山河:金婚記念』(今川蕁子との共著、名古屋: 朝日新聞本社)、pp. 13, 134-135, 149-150
  2. ^ 『幾山河』、p. 160 (このページには学院を支えた人々のグループ写真が掲載されている)
  3. ^ 遠藤周作「序」『カトリック小説考:グレアム・グリーンと遠藤周作を中心に』(今川憲次著、南雲堂)、p. 1
  4. ^ 『幾山河』、p. 137