人民作家
人民作家(じんみんさっか)とは主に社会主義国家に見られる栄誉称号であり、人民称号の一つ。その国家の文芸に功績を挙げた作家に贈られる。
中華人民共和国の人民作家
編集中華人民共和国における栄誉称号の一つとして人民作家があり、同国では巴金が受称している。巴金は本名 李芾甘といい、1904年、中国四川省成都の大地主の家に生まれたものの、幼くして両親を失い、五・四運動により、新思想に傾倒。ピョートル・クロポトキンに心酔した。1923年に上海に進出し革命運動に従事した後、1926年にフランスに留学し、処女作『滅亡』を著した。その後次々と文学作品を世に送り出した。第二次世界大戦後は中国作家協会副主席などの要職にも就いたが、文化大革命により厳しい批判を受け、五・七幹部学校で労働改造を受けた。後に上海で作家として復活し、81年、85年と2期に中国作家協会の主席を歴任した。2003年に人民作家の称号を受けた[1][2]。
モンゴル国の人民作家
編集モンゴル国の栄誉称号としても人民作家を定めており、文献学者で作家のダムディンスレン(Damdinsreng Cendijn)が受称している。ダムディンスレンは1926年頃より文筆活動を開始し、29年に同国で傑作と評される『嫌われた娘』を表し、『元朝秘史』の現代語訳を行うなど同国文壇で活躍した[3]。
脚注
編集参照文献
編集文献資料
編集- フランク・B・ギブニー編『ブリタニカ国際大百科事典小項目事典4 第2版改訂』(TBSブリタニカ、1993年)
- フランク・B・ギブニー編『ブリタニカ国際大百科事典小項目事典5 第2版改訂』(TBSブリタニカ、1993年)
報道資料
編集- 『毎日新聞』2005年10月18日東京朝刊