井上寛 (昆虫学者)
日本の昆虫学者
経歴
編集東京農業大学を卒業し、1967年から大妻女子大学で教授を務めた[1]。日本の蛾類研究の第一人者であり[1]、世界的にも著名な蛾類学者である[2]。生涯で記載した新種や新亜種などの分類群は1042にのぼり[1]、また、イノウエマダラ Inouela exiguitata[3] やイノウエトガリメイガ Endotricha inouei[4] など、多くの新種の献名の対象となった。中心となって編纂に関わり1982年に出版された『日本産蛾類大図鑑』は、現在でも日本産の蛾類に関する権威ある図鑑のひとつである[1]。標本のコレクションの多くは1992年にロンドン自然史博物館に寄贈されたが、一部は農業環境技術研究所に収蔵されている[2]。
著書
編集- 井上寛『日本産蝶蛾総目録 全6巻』陸水社、1954-1961。
共著・編纂
編集脚注
編集- ^ a b c d e 中島秀雄「井上寛博士の訃」『やどりが』第2008巻第217号、2008年、12頁、doi:10.18984/yadoriga.2008.217_12、NAID 110007631675。
- ^ a b 吉松慎一、中谷至伸、吉武啓「農業環境技術研究所所蔵の井上寛博士のメイガ上科 (昆虫綱:チョウ目) コレクション目録」『農業環境技術研究所報告』第34巻、農業環境技術研究所、2015年3月、101-142頁、doi:10.24514/00003015、ISSN 0911-9450、NAID 120006773627。
- ^ Konstantin A. Efetov (1999). “Inouela gen. n. from Japan and Taiwan (Lepidoptera: Zygaenidae, Chalcosiinae)”. Entomologist's Gazette 50: 91-95. ISSN 0013-8894 .
- ^ “イノウエトガリメイガ Endotricha inouei Yoshiyasu, 1987”. みんなで作る日本産蛾類図鑑. 2021年1月20日閲覧。
外部リンク
編集- 井上寛が記載した分類群のリスト - Wikispecies
- 吉松慎一、綿引大祐、中谷至伸、吉武啓「農業環境技術研究所所蔵の井上寛博士のシャクガ科 (昆虫綱:チョウ目) コレクション目録」『農業環境技術研究所報告』第37巻、農業環境技術研究所、2016年3月、1-55頁、doi:10.24514/00003024、ISSN 0911-9450、NAID 120006773633。