二重小協奏曲 (リヒャルト・シュトラウス)
二重小協奏曲 ヘ長調 (Duett-Concertino in F-Dur) AV.147は、リヒャルト・シュトラウスが晩年に作曲したクラリネットとファゴットのための二重協奏曲。正式な名称は『弦楽オーケストラとハープを伴ったクラリネットとファゴットのための二重小協奏曲』である。
概要
編集晩年の1947年にイタリアのルガーノ放送局(現在のスイス=イタリア放送局)からの委嘱を受けて作曲された協奏曲である。同年秋に着手され、11月29日にスケッチを終えたのち、12月26日に完成させた。本来標題音楽として構想し、独奏者を具体的な役柄に当てはめる考えを作曲者は抱いていたようであったが、最終的にその案を破棄して、単純な協奏的作品に仕立てている[1]。しかし、管楽器のための一連の協奏作品の中でも著しく「演劇的」な側面を持っている[1]。
初演は1948年4月4日にルガーノで、オトマール・ヌッシオ(Otmar Nussio)の指揮(オーケストラはルガーノ放送局の管弦楽団)、アルマンド・バジーレ(Almando Basile)のクラリネット、ブルーノ・ベルガマスキ(Bruno Bergamaschi)のファゴットによって行われた。作品はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のファゴット奏者で作曲者の旧友のフーゴ・ブルクハウザーに献呈された。ただし、1949年にブージー・アンド・ホークスから出版された総譜には献呈の辞が外されている[2]。
楽器編成
編集構成
編集全573小節、3楽章から構成される。全曲は切れ目なしで演奏されるが、楽章は明確に区切られている。演奏時間は約20分[3]。
脚注・出典
編集参考資料
編集- 『作曲家別名曲解説ライブラリー9 R.シュトラウス』(音楽之友社)
- 『R.シュトラウス:協奏曲集』解説書(アンドレ・プレヴィン、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、DG)