二塩化キセノン (XeCl2)とはキセノンの化合物の一種で、唯一のキセノンの塩化物である。化合物はキセノンと塩素の混合ガスにマイクロ波を照射し励起させることによって得られる。キセノン、塩素、三塩化ホウ素を用いて XeCl2·BCl3を得ようとした実験で、XeCl2·BCl3は生成されず二塩化キセノンが生成されたとされる報告がある。[1]

二塩化キセノン
識別情報
CAS登録番号 13780-38-6
特性
化学式 XeCl2
モル質量 202.199 g/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

しかしながら、二塩化キセノンが真の化合物であるのか、あるいはキセノン原子と二次結合によって結合した塩素分子から構成される超分子であるかどうかという疑問が残っている。[2]

二塩化キセノンはエキシマレーザーに利用される。

脚注

編集
  1. ^ 張青蓮 (November 1991). 《無機化学叢書》第一卷:稀有気体、氫、碱金属. Beijing: Science Press. pp. P72. ISBN 7-03-002238-6 
  2. ^ Proserpio, Davide M.; Hoffmann, Roald; Janda, Kenneth C. (1991). “The xenon-chlorine conundrum: van der Waals complex or linear molecule?”. Journal of the American Chemical Society 113 (19): 7184. doi:10.1021/ja00019a014.