中越信号場
中越信号場(なかこししんごうじょう)は、北海道上川郡上川町字中越にある北海道旅客鉄道(JR北海道)石北本線の信号場である。電報略号はナコ。事務管理コードは▲122510[2]。
中越信号場 | |
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中越信号場保線詰所(旧駅舎 2009年7月) | |
なかこし Nakakoshi | |
◄A43 上川 (12.3 km) (7.7 km) 上越(信)► | |
所在地 | 北海道上川郡上川町字中越 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | ■石北本線 |
キロ程 | 57.2 km(新旭川起点) |
電報略号 | ナコ |
駅構造 | 地上 |
ホーム | 3線 |
開業年月日 | 1929年(昭和4年)11月20日[1] |
備考 | 駅として開業。2001年(平成13年)7月1日より信号場。 |
白滝 まで25.0km。 |
歴史
編集かつては駅として設置されたが、現在は信号場として運用される。
- 1929年(昭和4年)11月20日:鉄道省石北西線上川駅 - 当駅間延伸開業にともない中越駅として設置[3][4][5]。一般駅[1]。
- 1932年(昭和7年)10月1日:当駅 - 白滝駅間延伸開業にともない、所属路線が石北線に改称[4]。
- これに際し、石北線の全通を祝して地域住民と鉄道関係者により自然石に彫刻した記念碑を駅舎脇に建立[5]。
- 1949年(昭和24年)6月1日:公共企業体である日本国有鉄道に移管。
- 1961年(昭和36年)4月1日:所属路線が石北本線に改称[4]。
- 1963年(昭和38年)2月10日:公衆電報の取り扱い廃止[6]。
- 1964年(昭和39年):同年に駅舎と構内を改修・拡充[7]。
- 1975年(昭和50年)12月25日:一般駅から無人駅(停留場)となる[8]。貨物・荷物取扱い廃止[9]。
- 1983年(昭和58年)1月11日:CTC導入により運転無人化[5]。
- 1986年(昭和61年)11月1日:同日のダイヤ改正で上川駅 - 白滝駅間の普通列車が1日1往復となり、当駅も1日1往復のみの停車となる[4]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化によりJR北海道に継承[4]。
- 2001年(平成13年)7月1日:前日をもって旅客扱い終了[4][10]。中越信号場となる[4]。
信号場名の由来
編集「中越」の地名の起こりは1892年(明治25年)9月21日に当地を通る中央道路(北見道路とも、後の国道273・333号)に設置された官設駅逓、中越駅逓所である[11]。
当地の留辺志部(るべしべ)川沿いには「越路(こしじ)」という大地名があり(現在も下流側に字名として残存)、これは「留辺志部」の由来となったアイヌ語の「ルペㇱペ(ru-pespe)」(道・下る・もの=峠道)の意訳に由来するとされている[12]。すでに、下流の越路には越路駅逓所が設けられていたため、越路地区と石狩北見国境(北見峠)との中間、との意で命名されたとされている[11][13]。
なお、字名としては1938年(昭和13年)の字名改正で、現在の中越と上越が分割・成立するまでは「茅刈別(ちかるべつ)」という字名であった[14]。これは1907年(明治40年)に植民区画が定まり公示されたときに示された地名で、当地で留辺志部川に合流する支流チカルベツ川のアイヌ語名「チカㇽペッ(ci-kar-pet)」(われら・作る・川)に由来したものであると考えられている[11]。
構造
編集もともと島式ホームを備えた1面2線に、側線1本を備えた交換可能な構造となっており[15]、旅客扱い終了後にホームが撤去されている。
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構内(2009年7月)
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信号所を通過する特急オホーツク5号
利用状況
編集旅客営業当時の乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。
年度 | 乗車人員 | 出典 | 備考 | |
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年間 | 1日平均 | |||
1965年(昭和40年) | (32,033.0) | (87.8) | [16] | 年間乗降客数:64,066 |
1966年(昭和41年) | (27,902.0) | (76.4) | 年間乗降客数:55,804 | |
1967年(昭和42年) | (17,182.0) | (46.9) | 年間乗降客数:34,364 | |
1968年(昭和43年) | (11,493.0) | (31.5) | 年間乗降客数:22,986 | |
1969年(昭和44年) | (8,923.0) | (24.4) | 年間乗降客数:17,846 | |
1970年(昭和45年) | (7,584.0) | (20.8) | 年間乗降客数:15,168 | |
1971年(昭和46年) | (4,883.0) | (13.3) | 年間乗降客数:9,766 | |
1972年(昭和47年) | (2,701.0) | (7.4) | 年間乗降客数:5,402 | |
1973年(昭和48年) | (2,405.0) | (6.6) | 年間乗降客数:4,810 | |
1974年(昭和49年) | (2,212.0) | (6.1) | 年間乗降客数:4,424 | |
1975年(昭和50年) | (833.0) | (2.3) | 年間乗降客数:1,666 | |
1976年(昭和51年) | (833.5) | (2.3) | 年間乗降客数:1,667 | |
1977年(昭和52年) | (505.0) | (1.4) | 年間乗降客数:1,010 | |
1978年(昭和53年) | (888.5) | (2.4) | 年間乗降客数:1,777 | |
1979年(昭和54年) | (126.0) | (0.3) | 年間乗降客数:252 | |
1980年(昭和55年) | (88.0) | (0.2) | 年間乗降客数:176 | |
1992年(平成 | 4年)(0) | [17] | 一日平均乗降客数:0 |
周辺
編集正面に「第二次中越官設駅逓所跡」の碑が建つ。営業末期の1993年(平成5年)発行の書籍『北海道630駅』で「付近に人家もなく国道が並走しているだけ[17]」と記されるなど、現在では人の居住は見られない。
隣の施設
編集脚注
編集- ^ a b 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、918頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、244頁。doi:10.11501/1873236 。2023年3月21日閲覧。
- ^ “鉄道省告示 第231号”. 官報 (内閣印刷局) (866). (1929-11-16). NDLJP:2957333 .
- ^ a b c d e f g 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 28号・釧網本線/石北本線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年1月31日、22-23頁。
- ^ a b c 都竹一衛・中条良作・松下敏雄 編『上川町史』 2巻、上川町、1984年、691-692頁。doi:10.11501/2992391 。2022年11月23日閲覧。
- ^ 『鉄道百年記念 旭鉄略年表(1972年)』日本国有鉄道旭川鉄道管理局、1972年、33頁。doi:10.11501/12061017 。
- ^ 都竹一衛・中条良作・松下敏雄 編『上川町史』 2巻、上川町、1984年、826頁。doi:10.11501/2992391 。2022年11月23日閲覧。
- ^ “「通報」●石北本線中越駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 2. (1975年12月24日)
- ^ “日本国有鉄道公示第190号”. 官報. (1975年12月24日)
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '02年版』ジェー・アール・アール、2002年7月1日、184頁。ISBN 4-88283-123-6。
- ^ a b c 都竹一衛・青野績 編『上川町史』上川町、1966年9月10日、421-423頁。doi:10.11501/3021451 。2022年11月23日閲覧。
- ^ 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、102頁。ISBN 978-4-88323-114-0。
- ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、210頁。ASIN B000J9RBUY。
- ^ 都竹一衛・青野績 編『上川町史』上川町、1966年9月10日、541-543頁。doi:10.11501/3021451 。2022年11月23日閲覧。
- ^ 宮脇俊三、原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、128頁。ISBN 4-09-395401-1。
- ^ 都竹一衛・中条良作・松下敏雄 編『上川町史』 2巻、上川町、1984年、689-696頁。doi:10.11501/2992391 。2022年11月23日閲覧。
- ^ a b 宮脇俊三、原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、128頁。ISBN 4-09-395401-1。
参考文献
編集- 伊藤丈志「2020冬 魅惑の石北本線・釧網本線をたどる」『鉄道ジャーナル』第54巻第4号(通巻642号)、成美堂出版、2020年4月1日、14-21頁。