不空院

奈良県奈良市にある寺院

不空院(ふくういん)は、奈良県奈良市高畑町福井町)にある真言律宗の寺院。山号は春日山(しゅんにちさん)。本尊は不空羂索観音。かつては「かけこみ寺」であった歴史から縁切り寺として知られる。

不空院
所在地 奈良県奈良市高畑町(高畑福井町)1365番地
位置 北緯34度40分35.5秒 東経135度50分48.0秒 / 北緯34.676528度 東経135.846667度 / 34.676528; 135.846667座標: 北緯34度40分35.5秒 東経135度50分48.0秒 / 北緯34.676528度 東経135.846667度 / 34.676528; 135.846667
山号 春日山
宗派 真言律宗
本尊 不空羂索観音
正式名 春日山不空院
春日山不空律院
別称 福井之大師
縁切り寺
札所等 大和北部八十八ヶ所霊場第77番
文化財 木造不空羂索観音坐像(重要文化財)
公式サイト 南都春日山 不空院
法人番号 7150005000395 ウィキデータを編集
不空院の位置(奈良県内)
不空院
不空院
不空院 (奈良県)
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歴史

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菅家本『諸寺縁起集』などによると、不空院は鑑真の住坊跡に建立された寺院と伝え、弘仁年間(810 - 824年)には空海が興福寺南円堂(八角円堂)建立に先立ち、その雛形を当寺に建てたという[1]

鎌倉時代には西大寺叡尊、興福寺の円晴唐招提寺覚盛西方院(唐招提寺子院)の有厳が当院で戒律を講じたという[2]室町時代には興福寺の二大院家の1つの大乗院の末寺となっていた。近世は本堂に弁才天が安置されていること、また院号の不空院が転じて福院とも呼ばれたことで、「かけこみ寺」として奈良町の芸妓達の信仰を集めていた[1]

1854年安政の大地震で堂宇が倒壊。大正年間に三谷弘厳によって再興された[2]

境内

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文化財

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重要文化財
  • 木造不空羂索観音坐像 - 寄木造、漆箔、玉眼。像高103,9cm。鎌倉時代。興福寺出身の僧円晴が、興福寺南円堂を模して八角円堂を建て、本尊としてこの不空羂索観音像を安置したとの伝承がある[3]

所在地

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〒630-8301 奈良県奈良市高畑町1365

交通アクセス

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  • 奈良駅から市内循環バスで10分、「破石町」下車、徒歩10分

周辺情報

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脚注

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  1. ^ a b 『日本歴史地名大系 奈良県の地名』、p.523
  2. ^ a b 『仏像めぐりの旅 2 奈良(奈良公園・西ノ京)』、pp.58 - 59
  3. ^ 「新指定の文化財」『月刊文化財』273号、第一法規、1986

参考文献

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  • 『日本歴史地名大系 奈良県の地名』、平凡社、1981年
  • 毎日新聞社編『仏像めぐりの旅 2 奈良(奈良公園・西ノ京)』、毎日新聞社、1992年

関連項目

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外部リンク

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