下毛類(かもうるい)は、繊毛虫に含まれる単細胞生物の一群。太い繊毛の束があるのが特徴である。

下毛亜綱
藻類の表面を這うスティロニキア Stylonychia(側面)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: アルベオラータ Alveolata
: 繊毛虫門 Ciliophora
: 旋毛綱 Spirotrichea
亜綱 : 下毛亜綱 Hypotrichia
学名
Hypotrichia
Stein, 1859
Euplotes sp. の動画
Oxytricha trifallax の電子顕微鏡写真

特徴

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ゾウリムシのような、全身が繊毛に覆われた姿ではなく、繊毛がはえていない面が多い。また、腹面と背面がはっきりした、多少とも扁平な体をしており、多くの繊毛は腹面にはえる。背面には繊毛がない。腹面の繊毛の配列も、縁に沿って並んでいたり、後端に太いものが並んでいたりと、はっきりとした配列が見られる。また、複数の繊毛が集まって、太い繊毛の束となっているものがあるのが特徴である。なかには、そのような繊毛束が腹面に少数あるだけのものもある。そのようなものでは、ちょっと昆虫ののような感じになっている。細かい繊毛が多数あるものもあるが、その場合も、数は多くなく、ややまばらな列をなす。

細胞口は先端面か、やや側面にあって、横長に開き、きっちりと繊毛列を並べる。運動は、ゾウリムシのような滑らかなものではなく、ゆっくり動いていると思うと、素早く移動したり、急に跳ねるように動いたりと、変化に富む。

淡水にも海水にも種があり、汚泥中にもよく出現する。プランクトンとして出現するより、外の基物の上を腹面を接して這い回るように動くことが多い。時に水中に泳ぎ出ると、瞬間的に撥ねるように動くこともある。特に、腹面の繊毛束の数の少ないものが腹面を基質に触れさせて移動する様子は、まるでゴキブリが壁を走っているように見える。大きいものでも500 μm程度。

分類

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参考文献

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  • 岡田要,『新日本動物図鑑』,(1976),図鑑の北隆館
  • 上野益三,『日本淡水生物学』,(1973),図鑑の北隆館