上武佐駅(かみむさえき)は、北海道標津郡中標津町字武佐にかつて存在した、北海道旅客鉄道(JR北海道)標津線廃駅)である。電報略号は、カム事務管理コードは▲111706[2]

上武佐駅
上武佐駅駅舎(ホーム側より撮影)
(1989年3月)
かみむさ
Kami-Musa
中標津 (8.1 km)
(4.9 km) 川北
所在地 北海道標津郡中標津町字武佐
北緯43度37分2秒 東経144度59分54秒 / 北緯43.61722度 東経144.99833度 / 43.61722; 144.99833
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 標津線
キロ程 55.2 km(標茶起点)
電報略号 カム
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1937年昭和12年)10月30日[1]
廃止年月日 1989年平成元年)4月30日[1]
備考 標津線廃線に伴い廃駅
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1977年の上武佐駅と周囲約500m範囲。上が根室標津方面。駅横中標津側の民家の庭先に、ここで90°に曲がって左中央の道路脇を走っていた殖民軌道の路盤跡が僅かに確認できる。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
現在の駅前

歴史

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駅名の由来

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標津川支流武佐川の上流にあることから「上」を冠した[7]

「武佐」はアイヌ語の「モサ(mosa)」が由来とされるが、はっきりしない[8]。アイヌ語研究者のジョン・バチェラーは、「モサ」「モセ」「ムセ」を「イラクサ」の意としており、武佐も同由来と考えられている[8]。なお、アイヌ文化ではイラクサの皮から繊維を取り出し「レタルペ」という着物を作っていた。

駅の構造

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廃止時点で、単式1面1線のホームを有した。

貨物及び荷物取り扱い廃止までは、島状の単式1面1線のホームを有し、駅舎とホームとの間に根室標津側から貨物積降線1本が引き入れられていた。 駅舎は構内西側(中標津方面に向かって右側)の中標津側寄りにあって地面に直接建てられ、駅舎とホーム中標津寄りの階段が連絡していた。駅舎横の根室標津側には、貨物積降場があった。荷物及び貨物取り扱い廃止後は、貨物積降線が撤去された。

また、1944年から1954年まで、駅舎北側の貨物積降場に接して駅前を横切って中標津町開陽まで通じる、殖民軌道根室線(標津線開通後の残存部から駅前まで引き直し)の停車場が置かれていた。

利用状況

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乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均
1978年(昭和53年) 32 [9]

駅周辺

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現状

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駅構内跡(ホーム跡)

駅前には、映画『遙かなる山の呼び声』の撮影ロケ地であったことを示す、中標津町が設置した標柱と、同映画の宣伝看板が設置されている。また、駅跡付近の木には、ホーム上の高倉健鈴木瑞穂山田洋次の写真(打ち合わせ中の様子)が付された「上武佐駅跡」の標識が付けられている。

隣の駅

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北海道旅客鉄道
標津線
中標津駅 - 上武佐駅 - 川北駅

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、927頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、247頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年4月2日閲覧 
  3. ^ 中標津町史編さん委員会 編『中標津町史』中標津町、1981年、1064-1065頁。doi:10.11501/9570446https://doi.org/10.11501/95704462023年4月15日閲覧 
  4. ^ 「標津線三駅に請負制度実施」『交通新聞』交通協力会、1959年4月5日、1面。
  5. ^ 『釧路鉄道管理局史』日本国有鉄道釧路鉄道管理局、1972年10月14日、58頁。doi:10.11501/12757877 
  6. ^ 「通報 ●飯田線三河川合駅ほか186駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報号外』日本国有鉄道総裁室文書課、1986年10月30日、12面。
  7. ^ 札幌鉄道局 編『駅名の起源』北彊民族研究会、1939年、169頁。NDLJP:1029473 
  8. ^ a b アイヌ語地名リスト ホロナモオ P121-130”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2014年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月26日閲覧。
  9. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、917頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 

関連項目

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