三太夫 (落語)
三太夫 (さんだゆう)は、落語に登場する架空の人物である。
人物像
編集フルネームは田中三太夫であることが多く、赤井御門守の家老や用人として登場する事が多い。赤井御門守などと共に行動することが多いが、彼らに振り回されることが多い[1]。現代の時代劇もしくは時代劇をもとにしたコントの「殿様と家老」の原型であるという指摘がある[2]。
時代考証
編集江戸時代には、実際に家老や用人などを「三太夫」と呼ぶ慣習はなかった。大名の家老の呼称としてあったのは「太夫」で、この場合は「たいふ」と読んだ。「三太夫」と呼ぶ慣習が起こったのは華族が登場した明治時代以降である。「三太夫」と呼ばれたのは、華族や家令や家扶など、財産のある人々であった。[3]
登場する噺
編集『妾馬(八五郎出世)』[4]、『目黒のさんま』[4]、『松曳き』[4]、『火焔太鼓』[5]、『将棋の殿様』[5]、『ねぎまの殿様』[5]、『初音の鼓』[5]といった噺に登場するが、演者によっては名前が違う場合がある。
脚注
編集参考文献
編集- 北村一夫 『落語人物事典 上』 社会思想社〈現代教養文庫〉、1978年。
- 高橋啓之 『落語登場人物辞典』 東京堂出版、2005年。ISBN 978-4-490-10667-1
- 三遊亭圓歌監修 『雑学3分間ビジュアル図解シリーズ 落語』 PHP研究所、2006年。ISBN 4-569-64734-0