三千円の使いかた
原田ひ香による小説
『三千円の使いかた』(さんぜんえんのつかいかた)は、日本の小説家、脚本家である原田ひ香による小説。
三千円の使いかた How to use 3,000 yen | ||
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著者 | 原田ひ香 | |
発行日 |
(単行本)2018年4月25日 (文庫本)2021年8月25日 | |
発行元 | 中央公論新社 | |
ジャンル |
経済小説 エンタメ | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 |
(単行本)四六判上製 (文庫本)文庫判 | |
ページ数 |
(単行本)304 (文庫本)352 | |
公式サイト | www.chuko.co.jp | |
コード |
ISBN 978-4-12-005070-1 ISBN 978-4-12-207100-1(文庫判) | |
ウィキポータル 文学 | ||
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中央公論新社の「アンデル 小さな文芸誌」に2017年7月号から12月号まで連載され、2018年4月25日に中央公論新社から刊行された[1]。2021年8月には垣谷美雨の解説付きで中公文庫版が発売された。
元は「節約家族」というタイトルだったが、本を出す前に中央公論新社の営業部から「そのタイトルでは売れない」と言われ改題された[2]。
エッセイでもなければハウツー本でもない。小説という体裁ながら、読感はどこか軽やかで、帯には「知識が深まり、絶対「元」もとれちゃう「節約」家族小説!」と謳われている。
あらすじ
編集次女の御厨美帆はクリスマスに恋人とプレゼントを贈り合うが、自分が選びに選んで贈った万年筆と明らかに釣り合いが取れないありきたりなペンダントを寄越す彼との関係に、別れの気配を感じている。
長女の井戸真帆も、愛する夫と子供に囲まれ幸せな生活を送りながらも、玉の輿のような良縁に恵まれた友人をどこかで羨んでいる。
かつて「人は三千円の使いかたで人生が決まるのよ」と教えてくれた節約上手な祖母の琴子でさえ、祖父の死後、生活費の確保のために、再び働きに出ようとしている。人生に不可欠なお金。そんなお金の悩みを、個性溢れる登場人物が一人ひとりその胸のうちを語ってゆく。
登場人物
編集- 御厨美帆(みくりや みほ)
- 主人公。御厨家の次女。24歳。実家から離れ一人暮らし。貯金は三十万円。
- 井戸真帆(いど まほ)
- 美帆の姉。御厨家の長女。29歳。専業主婦。高校時代から交際していた同級生の太陽と結婚。太陽は消防士として働いているが、仕事は危険なうえ、高給取りとは言えない状況の中、家計をやりくりしている。貯金は六百万円。
- 御厨琴子(みくりや ことこ)
- 美帆・真帆の祖母。73歳。かつて一千万円の貯金を貯めた節約上手。しかし夫の死後、減額された年金の収入を補うため、働きに出る事を考えている。
- 御厨智子(みくりや ともこ)
- 美帆・真帆の母。55歳。バブル期にOLと呼ばれた世代。貯金は百万円弱。
- 小森安生(こもり やすお)
- 琴子が園芸売り場で知り合った年の離れた友人。39歳。少しでもお金が貯まると海外に旅行へ行く自由人。
- 本木きなり(もとき きなり)
- 安生のよき理解者。フリーのライター。安生とは旅行先のインドで知りあう。一度は安生に求婚している。
- 黒船スーコ(くろぶね スーコ)
- 節約講座を開くフィナンシャルプランナー。
書誌情報
編集- 単行本:2018年4月18日発売、中央公論新社、ISBN 978-4-12-005070-1
- 文庫本:2021年8月25日発売、中公文庫、ISBN 978-4-12-207100-1
テレビドラマ
編集三千円の使いかた How to spend money happily | |
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ジャンル | 連続ドラマ |
原作 | 原田ひ香 |
企画 | 市野直親(東海テレビ) |
脚本 |
嶋田うれ葉 鈴木裕那 青木江梨花 |
演出 |
村上牧人(テレパック) 室井岳人 柿原利幸 下向英輝 |
監修 |
村田憲昭(FP) 山本昌督(医療) |
出演者 |
葵わかな 山崎紘菜 森尾由美 橋本淳 利重剛 堀井新太 アンミカ 中尾ミエ |
ナレーター | 柳亭小痴楽 |
音楽 |
横山克 橋口佳奈 |
エンディング |
LE SSERAFIM 「Choices」 |
国・地域 | 日本 |
言語 | 日本語 |
製作 | |
プロデューサー |
遠山圭介(東海テレビ) 雫石瑞穂(テレパック) 山本梨恵(テレパック) |
制作 |
東海テレビ放送 テレパック |
放送 | |
放送チャンネル | フジテレビ系 |
映像形式 | 文字多重放送 |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2023年1月7日 - 2月25日 |
放送時間 | 土曜 23:40 - 翌 0:35 |
放送枠 | 土ドラ (東海テレビ) |
放送分 | 55分 |
回数 | 8 |
公式サイト |
2023年1月7日から2月25日まで、東海テレビとテレパックの共同制作で「土ドラ」枠にて放送された[4]。主演は葵わかな[4]。
第1話の冒頭で葵が歌い踊る、ミュージカル仕立ての演出が施された。
キャスト
編集主要人物
編集美帆の親族
編集- 井戸真帆(いど まほ)〈29〉
- 演 - 山崎紘菜[7](少女期:田中千空)
- 美帆の姉。御厨家の長女。専業主婦。結婚前は証券会社に勤務していた。
- 御厨琴子(みくりや ことこ)〈77〉
- 演 - 中尾ミエ[7]
- 美帆・真帆の祖母。和彦の母。年金生活者。77歳にしてアパレルショップへ就職する。
- 御厨智子(みくりや ともこ)
- 演 - 森尾由美[7]
- 美帆・真帆の母。
- 御厨和彦(みくりや かずひこ)
- 演 - 利重剛[8]
- 美帆・真帆の父。
- 井戸太陽(いど たいよう)〈29〉
- 演 - 堀井新太[8]
- 真帆の夫。消防士。
- 井戸佐帆(いど さほ)
- 演 - 泉谷星奈[9]
- 真帆と太陽の娘。
周辺人物
編集- 小森安生(こもり やすお)〈39〉
- 演 - 橋本淳[8]
- アルバイトをしながら世界中を放浪している男。
- 本木きなり
- 演 - 高田里穂
- フリーのライター。安生の彼女。
- 黒船スーコ(くろふね スーコ)
- 演 - アンミカ[8]
- 人気のフィナンシャルプランナー。節約アドバイザーとして、テレビに出演する。
- 小田 街絵(おだ まちえ)
- 演 - 酒井若菜[10](特別出演)
- 美帆が勤務する会社「JIDMソリューションズ」の先輩。勤務中に脳卒中で倒れたのを契機に退職する。
- 沼田翔平
- 演 - 葉山奨之[10]
- 見習いグラフィックデザイナー。
- 長谷川大樹
- 演 - 中田圭祐[9]
- 美帆の恋人。商社勤務。
JIDMソリューションズ
編集- 原田英子(はらだ えいこ)
- 演 - 森高愛[11]
- 美帆の先輩。
- 山下明(やました あきら)
- 演 - 金井浩人[9]
- 美帆の先輩。
- 田中賢二(たなか けんじ)
- 演 - 長友郁真[12]
- 美帆の同僚。山下と仲が良い。
- 南山洋一(みなみやま よういち)
- 演 - 尾崎右宗[13]
- 美帆の上司。部長。
ゲスト
編集第1話
編集- 店員
- 演 - 長谷川千尋[14]
- 美帆が買い物をしたスーパーの店員。
- 村崎紫乃
- 演 - 須永千重[15]
- 美帆の地元の商店街にある婦人服店「トーキョーむらさき屋」の店主。
- 美帆の実家のご近所さん
- 演 - 坂本文子[16]、鯨エマ
- 動物保護団体の職員
- 演 - 小暮智美[17]
- 動物保護団体「シャイン・エンジェル」の職員。街頭で保護犬・猫の里親を募集するチラシを美帆に渡す。
第3話
編集- 河野 千さと(こうの ちさと)
- 演 - とよた真帆
- 智子の親友。航空会社勤務の夫との熟年離婚を考えていると明かす。
第4話
編集- 小春
- 演 - 中村加弥乃
- 真帆の友人。セレブ社長と婚約したが、相談なく彼の両親を受取人とする1億円の生命保険を掛けられ憤慨し破談にする。
第5話
編集- れな
- 演 - 東野絢香
- 安生と漁港のバイトで知り合い誘惑して一夜を共にする。妊娠したと漁港から住所を聞き出し安生の家に押しかけてくるが、生理が来て妊娠は間違いだと分かり、「思った人と違った」と言い残し去る。
スタッフ
編集- 原作 - 原田ひ香『三千円の使いかた』(中公文庫刊)
- ナレーター - 柳亭小痴楽[18]
- 企画 - 市野直親(東海テレビ)
- 脚本 - 嶋田うれ葉、鈴木裕那、青木江梨花
- 音楽 - 横山克、橋口佳奈
- 主題歌 - LE SSERAFIM「Choices」(EMI Records)[19]
- 挿入歌 - mihoro*「えっか」(JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)[20]
- FP監修 - 村田憲昭
- 医療監修 - 山本昌督
- 演出 - 村上牧人(テレパック)、室井岳人、柿原利幸、下向英輝
- プロデューサー - 遠山圭介(東海テレビ)、雫石瑞穂(テレパック)、山本梨恵(テレパック)
- 制作 - 東海テレビ、テレパック
放送日程
編集話数 | 放送日 | サブタイトル[21] | 脚本 | 演出 |
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第一話 | 1月 | 7日固定費を見直そう | 嶋田うれ葉 | 村上牧人 |
第二話 | 1月14日 | 77歳のハローワーク | ||
第三話 | 1月21日 | 熟年離婚の経済学 | 鈴木裕那 | 室井岳人 |
第四話 | 1月28日 | 専業主婦の貯金術 | ||
第五話 | 2月 | 4日費用対効果を考える | 青木江梨花 | 村上牧人 |
第六話 | 2月11日 | 退職金の使いかた | 下向英輝 | |
第七話 | 2月18日 | プロポーズは計画的に | 鈴木裕那 | 柿原利幸 |
最終話 | 2月25日 | 未来への投資 | 嶋田うれ葉 | 村上牧人 |
東海テレビ制作・フジテレビ系 土ドラ | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
三千円の使いかた
(2023年1月7日 - 2月25日 ) |
自由な女神
-バックステージ・イン・ニューヨーク- (2023年3月4日 - 3月26日) |
脚注
編集- ^ 初版奥付の記載による。
- ^ 60万部超え大ヒット作『三千円の使いかた』の著者、最新刊は「お金のつくりかた」!
- ^ 佐藤隼秀 (2022年8月5日). "著者の仕事の哲学第17回『三千円の使いかた』60万部の原田ひ香氏 「お金と人生」描く新著". 日経クロストレンド. 日経BP. 2023年4月28日閲覧。
- ^ a b c “葵わかな“節約に目覚める今どき女子”に 原田ひ香氏の人気小説ドラマ化『三千円の使いかた』で主演”. ORICON NEWS. oricon ME (2022年11月8日). 2022年11月8日閲覧。
- ^ “有香”. スマイルモンキー. 2023年1月7日閲覧。
- ^ “川上 凛子”. スマイルモンキー. 2023年1月8日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b c “中尾ミエ、主人公見守る祖母で出演 来年1月スタート、フジ系ドラマ「三千円の使いかた」”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. 中日新聞社 (2022年11月23日). 2022年11月23日閲覧。
- ^ a b c d “中尾ミエ、山崎紘菜、森尾由美、橋本淳、堀井新太、利重剛、アンミカら『三千円の使いかた』新キャスト発表”. TV LIFE web. ワン・パブリッシング (2022年11月23日). 2022年11月23日閲覧。
- ^ a b c “相関図”. 三千円の使いかた. 東海テレビ. 2023年1月8日閲覧。
- ^ a b “「三千円の使いかた」に酒井若菜が出演、葉山奨之はグラフィックデザイナー役”. 映画ナタリー. ナターシャ (2023年1月4日). 2023年1月4日閲覧。
- ^ “三千円の使いかた”. 森高愛 オフィシャルブログ. LINE (2022年12月10日). 2023年1月8日閲覧。
- ^ “長友郁真 東海テレビ 土ドラ「三千円の使いかた」出演”. ジャングル (2022年11月22日). 2022年11月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月8日閲覧。
- ^ “尾崎 右宗”. 東宝芸能. 2023年1月8日閲覧。
- ^ “長谷川千尋”. サンミュージック・アカデミー東京校. 2023年1月8日閲覧。
- ^ “【須永千重】TV出演情報”. LOT STAFFS【ロットスタッフ】マネージメントオフィス (2023年1月6日). 2023年1月8日閲覧。
- ^ 坂本文子 [@00mochico00] (2022年12月29日). "東海テレビ・フジテレビ系 土ドラ『三千円の使いかた』に出演させて頂きますっ! 1月7日スタート! 是非もんのそれで、よろしくお願い致します😆". X(旧Twitter)より2023年1月8日閲覧。
- ^ 青年座映画放送 [@eigahousou] (2023年1月5日). "【ドラマ出演情報】1月7日(土)23:40-24:35、東海・フジテレビ「三千円の使い方」1話に、#小暮智美 が出演します!". X(旧Twitter)より2023年1月8日閲覧。
- ^ 柳亭 小痴楽 [@kochiraku] (2023年1月7日). "今日から始まる土ドラ「三千円の使いかた」でナレーションを務めます。 東海テレビ・フジテレビ系全国ネット 1月7日土曜よる11時40分スタートです。 ドラマの台本も面白かったし、原田ひ香さんの原作もめっちゃ勉強になった! アタシは、これを機に一足先に貯金しちょります! ぜひお楽しみを〜!". X(旧Twitter)より2023年1月8日閲覧。
- ^ “LE SSERAFIM初の日本オリジナル曲が葵わかな主演ドラマ「三千円の使いかた」主題歌に決定”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2023年1月6日). 2023年1月6日閲覧。
- ^ “mihoro*の新曲「えっか」が葵わかな主演『三千円の使いかた』の挿入歌に決定”. TV LIFE web. ワン・パブリッシング (2022年12月26日). 2022年12月27日閲覧。
- ^ FOD 三千円の使いかた