ヴェルス - パッサウ線
ヴェルス - パッサウ線(ドイツ語: Bahnstrecke Wels–Passau)は、オーストリア国鉄の鉄道線の名称である。路線番号は150。
ヴェルス~パッサウ線 | |
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基本情報 | |
国 | ドイツ, オーストリア |
起点 | ヴェルス中央駅 |
終点 | パッサウ中央駅 |
路線記号 |
5831(DB管轄) 205 01(ÖBB管轄) |
路線番号 | 150 |
全通 | 1861年9月1日 |
路線諸元 | |
路線距離 | 81.2 km |
軌間 | 1,435 mm (標準軌) |
電化方式 | 交流 15,000 V・16.7 Hz 架空電車線方式 |
最大勾配 | 8 ‰ |
最高速度 | 160 km/h |
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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沿線概況
編集ヴェルス - パッサウ線はヴェルス中央駅から始まって、北西方向に急曲線で、ザルツブルクへ向かう西部鉄道から離れる。西部鉄道がリンツからトラウン川と平行に伸びて、列車はヴェルスでこの川と別れる。この路線はまずプッフベルクの荒れ地を通過して、ハイディングに至る。ハイディングではアシャッハ線が分岐し、列車はタウフキルヒェンまでトラットナッハ川と平行で走行する。
ノイマルクト=カルハム駅ではインクライス線がリート(インクライス)の方面に、リンツ地方線がポイアーバッハ方面にそれぞれ分岐する。アシャッハ川の上流とツェル(プラム)まで、列車は勾配を避けて緩慢な曲線で走行する。ツェル駅からこの路線はプラム川を沿ってシェルディング駅に至る。聖フロリアン(イン)ではリート(インクライス)から伸びるザルツカンマーグート線がこの路線に合流する。列車はイン川の右岸を従い、国境を通過する。その直後、ハウツェンベルク方面の支線が分岐する。列車は110 m長さのイン川鉄橋を通過して、その鉄道橋は第二次世界大戦の以後、以前の176 m長さのアーチ橋の代わりに建設された。この路線はパッサウトンネルを通じて新都心を貫通して、終点であるパッサウ中央駅に至る。パッサウ - オーバートラウブリング線がドナウ川に沿ってこの路線を継承する。
歴史
編集皇后エリーザベト鉄道(k.k. privilegierte Kaiserin Elisabeth-Bahn, KEB)が本線を建設した期間に、財政難に直面して、その結果リンツ - パッサウ区間建設が遅延されることとなった。バイエルン東部鉄道 (Bayerische Ostbahn) は既に鉄道をオーストリア国境線まで完成した。しかし、KEBは1860年初にプロジェクト計画を立てたばかりであった。経路短縮が可能だったので、起点はリンツからヴェルスに変更された[1]。1860年8月に、本線の開通直後、ヴェルス - パッサウ区間の工事が始まり、この路線は1861年9月1日に開通された[2]。1906年ヴェルス - ハイディング区間は複線で改修された。
この路線は国際貨物輸送や国際旅客輸送の部門で重大な意味を持つ。1894年頃からオーステンデ・ウィーン急行列車がオリエント急行との連結でこの路線上に運行された。
1938年独墺合邦以後この路線の複線化が完了した[2]。1955年5月22日に全区間の電気運転が実現された[2]。1971年からヨーロッパ横断特急のオイゲン王子号がドイツ北部がらヴィーンまで運行され、その経路と名をのちにユーロシティ列車、最後にICE列車が引き受けた。オーストリアが1995年欧州連合に加盟するまで、パッサウ駅ではオーストリア側の施設物が存在して、そこで国境統制が行われた[3]。
2007年12月からドイツ鉄道との協力によりICE Tの運行がフランクフルト (マイン) - ヴィーン区間で始まった。運行時間を減らすために曲線区間の片勾配変化が必要だった。「ドナウ・イヴェント列車」が伝統的な客車の構成でウィーン - パッサウ区間に運行されたが、2008年12月夏のシーズンのみに運営されることとなった。2015年に「自転車ヒッチハイカー・ドナウ」列車がこのイヴェント列車を置き換わって、現在快速列車として運行されている[4]。
超特急「インターシティ・エクスプレス(ICE)」
編集ウィーン~ヴェルス~パッサウ~ハンブルク・フランクフルト・ドルトムント間に、2時間に1本運行されている。ヴェルス以東は101号線に、パッサウ以西はドイツ国鉄880号線に直通する。
2017年以前は、全列車がヴェルス停車・シェアディンク通過であった。
寝台特急「ナイトジェット(nightjet)」
編集ウィーン~ヴェルス~パッサウ~ハンブルク/デュッセルドルフ間に、一日1往復運行されている。ヴェルス以東は101号線に、パッサウ以西はドイツ国鉄880号線に直通する。
2015,16年度は、ハンブルク方面とデュッセルドルフ方面が別系統で運行していて、合計一日2往復の運行であった。2017年以前は、ユーロナイト(EN)の種別で運行していた。
特急「インターシティ(IC)」
編集- ウィーン - ヴェルス - パッサウ - ヴァーネミュンデ
- 一日1往復の運行。ヴェルス以東は101号線に、パッサウ以西はドイツ国鉄880号線に直通する。
- 2020年春に運行を開始した。
快速「レギオナルエクスプレス(REX)」
編集リンツ~ヴェルス~パッサウ間に、2時間に1本程度運行されている。ヴェルス以東は101号線に直通する。
2023年度以前は、ハイディングに停車する列車もあった。
普通「レギオナルバーン(R)」
編集下記3系統が運行される。
- リンツ - ヴェルス - ノイマルクト - パッサウ
- リンツ - ヴェルス - ノイマルクト - ジムバッハ
- ノイマルクト - パッサウ
- 4時間に1本の運行。ノイマルクトで、リンツ方面の列車に接続する。
- 2015年以前は本数が少なく、リンツ - パッサウの系統がほぼ同じダイヤで運行されていた。
駅一覧
編集以下では、オーストリア国鉄150号線の駅と営業キロ、停車列車、接続路線などを一覧表で示す。
- 種別
- ICE:超特急「インターシティ・エクスプレス」
- EN:寝台特急「ユーロナイト」
- IC:特急「インターシティ」
- REX:快速
- R:普通
- 停車駅
- ■印:全列車停車
- ●印:一部通過
- ○印:一部停車
- |印:全列車通過
路線名 | 駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | ICE | EN | IC | REX | R | 接続路線 | 所在地 | |
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150 | ヴェルス駅 | - | 0.0 | ○ | ■ | ■ | ■ | ■ | オーバーエスターライヒ州 | ヴェルス市 | |
ハイディンク駅 | 7.2 | 7.2 | | | | | | | | | ■ | 152号線(アシャハ方面) | ヴェルスラント郡 | ||
バト・シャラーバッハ・ヴァラーン駅 | 6.1 | 12.3 | | | | | | | ● | ■ | グリースキルヒェン郡 | |||
シュリュスルベルク駅 | 4.4 | 16.7 | | | | | | | ● | ■ | ||||
グリースキルヒェン・ガルスパハ駅 | 2.3 | 19.0 | | | | | | | ● | ■ | ||||
オーバートラトナハ・マルクト・ホフキルヒェン駅 | 5.7 | 24.7 | | | | | | | ○ | ■ | ||||
ノイマルクト・カルハム駅 | 5.0 | 29.7 | | | | | | | ■ | ■ | 143号線(ニーダーシュパヒンク方面)、151号線(ジムバッハ方面) | |||
キンプリンク駅 | 4.4 | 34.1 | | | | | | | ○ | ■ | ||||
クンプフミュール駅 | 5.0 | 39.1 | | | | | | | ○ | ■ | シェアディンク郡 | |||
リーダウ駅 | 3.2 | 42.3 | | | | | | | ■ | ■ | ||||
ツェル・アン・デア・プラム駅 | 1.5 | 43.8 | | | | | | | ○ | ■ | ||||
アンドルフ駅 | 7.5 | 51.3 | | | | | | | ■ | ■ | ||||
タウフキルヒェン・アン・デア・プラム駅 | 5.8 | 57.1 | | | | | | | ■ | ■ | ||||
シェアディンク駅 | 10.0 | 67.1 | ○ | | | ■ | ■ | ■ | 171号線(アトナンク方面) | |||
ヴェアンシュタイン駅 | 4.8 | 71.9 | | | | | | | ■ | ■ | ||||
パッサウ駅 | 9.3 | 81.2 | ■ | ■ | ■ | ■ | ■ |
ドイツ国鉄 |
ニーダーバイエルン行政管区 | パッサウ市 |
脚注・出典
編集- ^ H. Strach (1898), p. 454
- ^ a b c Kurze Geschichte der Bahnlinie Wels – Passau und des Bahnhofes Grieskirchen-Gallspach mit dem Stellwerk 2 (Memento des Originals vom 6. Oktober 2014 im Internet Archive)
- ^ Wie die Fortsetzung der Westbahn Salzburg – München mit der deutschen Zollstation Salzburg Hbf
- ^ Aus Erlebniszug wird Radtramper. (noen.at: 週刊誌である下オーストリアニュース(Niederösterreichische Nachrichten)のインターネットサイト). 2017年7月30日閲覧.
- ^ Fahrplanbilder zum ÖBB Fahrplan
参考文献
編集- Elmar Oberegger: Zur Geschichte der "Kaiserin Elisabeth-Bahn". (Budweis/Passau/Simbach am Inn/Wörgl–Amstetten–St. Pölten–Wien Westbahnhof). Sattledt, 2007. (= Veröffentlichungen des Info-Büros für österr. Eisenbahngeschichte 8). (ドイツ語)
- Elmar Oberegger: Zu Struktur und Geschichte der "Passauer-Bahn". Wels Hbf. – Neumarkt-Kallham – Passau Hbf. Sattledt, 2011. (Veröffentlichungen des Info-Büros für österr. Eisenbahngeschichte 5). (ドイツ語)
- Michael Alexander Populorum: 150 Jahre Passauer-Bahn 1861-2011. Wels Hbf. – Neumarkt-Kallham – Schärding – Staatsgrenze – Passau Hbf. Ein kleiner Beitrag zum „vergessenen“ Jubiläum im September 2011. Mit einem Exkurs „Die Zweigbahnen der Passauer Bahn“. Mercurius Eigenverlag, Grödig/Salzburg 2011.(ドイツ語)
- Hermann Strach (1898). Österreichischer Eisenbahnbeamten-Verein. ed (ドイツ語). Geschichte der Eisenbahnen Oesterreich-Ungarns von den ersten Anfängen bis zum Jahre 1867. Geschichte der Eisenbahnen der Oesterreichisch-Ungarischen Monarchie. Band 1.1. Wien / Teschen / Leipzig: Karl Prochaska. pp. 73~503
- Peter Wegenstein: Die Westbahnstrecke III. Linz–Salzburg, Wels–Passau. Reihe Bahn im Bild 48. Verlag Pospischil, Wien 1986. (ドイツ語)
外部リンク
編集- 路線経路、主要施設、許容速度: OpenRailwayMap