ヴィオラ・ポンポーサイタリア語: viola pomposa)は18世紀に使用されていた5弦のヴィオラ。調弦は c–g–d′–a′–e″ 即ち通常のヴィオラに高音弦を追加したものか、あるいは d–g–d′–g′–c″と考えられる。1720年代半ばから1770年頃まで使われていた[1]

ヴィオラ・ポンポーサのための作品は、ゲオルク・フィリップ・テレマンの『フルートとヴィオラ・ポンポーサあるいはヴァイオリンのためのデュエット』が2つ、ヨハン・ゴットリープ・グラウンの2つの協奏曲、ヨハン・ゴットリープ・ヤーニチュの2つの室内ソナタ、クリスティアン・ヨーゼフ・リダルティの通奏低音付きソロ・ソナタが現存する[1]

18世紀後半の幾人かの著述家は誤ってヨハン・ゼバスティアン・バッハがこの楽器を発明したとしているが、これはライプツィヒのJ.C.ホフマンがバッハのために製作したヴィオロンチェロ・ピッコロと混同したためと考えられる[1]

バッハにまつわる18世紀の記述はヴィオラ・ポンポーサをチェロの音域の楽器としているが、多くの研究者はそれに否定的である[2]

1914年、リッカルド・ザンドナーイオペラ『フランチェスカ・ダ・リミニ』において中世風の雰囲気をかもしだすためにリュートピッフェロとともにヴィオラ・ポンポーサを使用した[3][4]

出典

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  1. ^ a b c Howard Mayer Brown, “Viola pomposa,” The New Grove Dictionary of Music and Musicians, 2nd ed., ed. by Stanley Sadie (London: Macmillan, 2001).
  2. ^ Dmitry Badiarov, Liner notes, Johann Sebastian Bach Cello Suites, Ramée, RAM 1003, 2010.
  3. ^ Jürgen Maehder (1988), “The Origins of Italian Literaturoper: Guglielmo Ratcliff, La figlia di Iorio, Parisina, and Francesca da Rimini”, in Arthur Groos; Roger Parker, Reading Opera, Princeton University Press, p. 123, ISBN 0691091323 
  4. ^ Zandonai Francesca da Rimini, Review | Grammophone, https://www.gramophone.co.uk/review/zandonai-francesca-da-rimini-1 

外部リンク

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