ヴァレリー・L・ダラム(Valerie L. Durham、1957年10月28日 - 2013年12月6日)は、アメリカ合衆国日本文学研究者[1]東京経済大学助教授、専修大学教授などを歴任した。

経歴

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ニューヨーク州ブルーム郡エンディコットに生まれ、1976年ヴェスタ・ハイスクール (Vestal High School) を卒業して、ハーバード大学に進み、1981年に東洋言語文化学科を優等賞を得て卒業した[1]1981年国費留学生として日本へ渡り、お茶の水女子大学大学院で日本文学の修士号を得、さらに博士課程に学んだ[1][2]

ダラムの研究の焦点のひとつは、歌舞伎などにおける悪婆(あくば)の描写であり、日本語と英語で関連する研究論文を発表したほか、歌舞伎作品の英語への翻訳も手がけた[1]。また、歌舞伎の英語音声ガイドの作成にも関わった[3]

日本で大学教員となることを目指したダラムは、まず英語教員として東京経済大学助教授となった。次いで2003年専修大学文学部に近世日本文学担当の助教授として採用され、後に教授へ昇進した。

晩年のダラムは母国に戻り、ニューヨーク州ノーウィッチ英語版に定住した。

おもな業績

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単著

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  • 身近な英誤表現 : between English and Japanese 1, 2. 研究社出版、1994年

翻訳

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  • Kabuki Plays On Stage, University of Hawai'i Press, Volume 3, Honolulu (2003) 所収
    • 於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)
    • 切られお富(きられおとみ)= 処女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし)- 与話情浮名横櫛の派生作品のひとつ
  • Masterpieces of kabuki : eighteen plays on stage, University of Hawai'i Press, Volume 3, Honolulu (2004) 所収
    • 於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)
    • 女書生繁(おんなしょせいしげる)= 富士額男女繁山(ふじびたいつくばのしげやま)
  • An Edo Anthology, University of Hawai'i Press, Volume 3, Honolulu (2013) 所収

脚注

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  1. ^ a b c d “Valerie Durham Obituary”. Press & Sun-Bulletin. (2013年12月19日). http://www.legacy.com/obituaries/pressconnects/obituary.aspx?pid=168626822 2014年10月9日閲覧。 
  2. ^ 舞踊―森田拾史郎写真集”. 紀伊国屋書店. 2014年10月9日閲覧。
  3. ^ News from the Kabuki World”. Kabuki 21 (2013年12月31日). 2014年10月9日閲覧。