ヴァリオLF3(VarioLF3)は、チェコ企業グループであるアライアンスTW(Aliance TW Team)が製造する路面電車車両。車内の一部が低床構造となっている3車体連接車である[1]

ヴァリオLF3
VarioLF3
ヴァリオLF3/2
VarioLF3/2
ヴァリオLF3(2007年撮影)

ヴァリオLF3/2(2011年撮影)
基本情報
製造所 アライアンスTW
製造年 2006年(ヴァリオLF3)
2008年(ヴァリオLF3/2)
製造数 2両(ヴァリオLF3)
3両(ヴァリオLF3/2)
投入先 オストラヴァ市電
主要諸元
編成 3車体連接車
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600 V
架空電車線方式
最高速度 65.0 km/h
車両定員 ヴァリオLF3
着席61人
フリースペース2箇所
立席168人
最大329人(乗車密度8人/m2時)
ヴァリオLF3/2
着席54人
フリースペース2箇所
立席175人
最大334人(乗車密度8人/m2時)
車両重量 ヴァリオLF3 38.0 t
ヴァリオLF3/2 41.5 t
車体長 ヴァリオLF3 30,100 mm
ヴァリオLF3/2 31,200 mm
全幅 2,480 mm
全高 3,645 mm(集電装置含)
車体高 3,185 mm
床面高さ 860 mm(高床部分)
350 mm(低床部分)
(低床率50%)
固定軸距 1,900 mm
台車中心間距離 7,500 mm
主電動機 誘導電動機
主電動機出力 90 kw
出力 720 kw
制御方式 VVVFインバータ制御
制動装置 回生ブレーキディスクブレーキ電磁吸着ブレーキ
備考 主要数値は[1][2][3][4][5]に基づく。
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概要・運用

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鉄道車両製造に関わる3つの企業(プラゴイメックス、クルノフ修理機械工場、VKVプラハ)によって設立された企業グループのアライアンスTWは、独自ブランドの路面電車車両として"ヴァリオ"(Vario)と言う愛称を持つ部分超低床電車を展開している。その中でも、乗客数が多い都心や高速路線向けに設計された3車体連接車については"ヴァリオLF3"という愛称が与えられている[1][2][3]

動力台車が設置されている車端や連接部分(床上高さ860 mm)を除いた車内の50 %が床上高さ350 mmの低床構造になっており、運転台や乗降扉が片側に設置されている車両はヴァリオLF3(VarioLF3)、両側に設置されている車両はヴァリオLF3/2(VarioLF3/2)という形式名が付けられている。両形式とも前後車体の側面に2箇所、中間車体に1箇所、幅1,300 mmの両開き式乗降扉が設置されている[1][2][3]

台車にはクルノフ修理機械工場が開発したボギー台車「コンフォート(KOMFORT)」を用い、垂直に搭載された誘導電動機から自在継手や歯車を介して動力が伝達される垂直カルダン駆動方式が導入されている。主要な電気機器は屋根上に設置され、マイクロプロセッサによる制御・管理が行われている[1][4]

ヴァリオLF3、ヴァリオLF3/2共に2020年現在の時点でオストラヴァ交通局チェコ語版(DPO)が運営するオストラヴァ市電にのみ導入されており、前者は2両(2006年2007年製)、後者は3両(2008年製)が使用されている[1][2][3][6][7]

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d e f Tramvaj VarioLF3, VarioLF3/2” (チェコ語). Pragoimex. 2020年3月16日閲覧。
  2. ^ a b c d Vario LF3” (チェコ語). Dopravní podnik Ostrava. 2020年3月16日閲覧。
  3. ^ a b c d Vario LF3/2” (チェコ語). Dopravní podnik Ostrava. 2020年3月16日閲覧。
  4. ^ a b BOGIES” (英語). Krnovské opravny a strojírny. 2020年3月16日閲覧。
  5. ^ Vario LF2”. Alliance TW. 2020年3月16日閲覧。
  6. ^ Úvod — Reference Aliance TWT — Dopravní podnik Ostrava a.s.” (チェコ語). Pragoimex. 2020年3月16日閲覧。
  7. ^ Počty vozů” (チェコ語). Dopravní podnik Ostrava. 2020年3月16日閲覧。