ヴァイオリンソナタ (プーランク)

ヴァイオリンソナタ FP119は、フランシス・プーランクによって1942年から1943年に作曲された室内楽曲である。1943年6月21日にプーランク自身のピアノ演奏とヴァイオリニストのジネット・ヌヴーによってパリサル・ガヴォーで初演された。出版は1944年で、その後1949年に改訂版が出版された。

1936年に殺害されたスペインの詩人フェデリコ・ガルシーア・ロルカを偲んで作曲された。この年は、友人のピエール=オクターヴ・フェルーの事故死、プーランク自身がロカマドゥール巡礼で宗教に目覚めるなど、大きな転機となった年であった[1]

ヴァイオリンは苦手だと公言していたプーランクだったが、ヴァイオリンパートの作曲に当たってはヌヴーの助言に依るところが大きい。他のプーランク作品とは異なり、作曲の動機により「荒々しく violent」など、ストレートな感情表現が多く見られるのが特徴である[1]

他のプーランク作品と同様に、自作・他作のフレーズが引用されている。

構成

編集
  1. Allegro con fuoco
  2. Intermezzo
  3. Presto tragico

第2楽章冒頭には、ロルカの詩『六本の弦 Las Seis Cuerdas 』冒頭のフランス語訳が掲げられている。

演奏時間は約15~18分。

脚注

編集
  1. ^ a b 鈴村真貴子「フランシス・プーランク《FP119 ヴァイオリン・ソナタ》 : その成立の背景と作品をめぐる一考察」『研究紀要』第10巻、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、2015年3月、27-41頁、CRID 1050001201682622208ISSN 21882703 

外部リンク

編集