ヴァイオリンソナタ第20番 (モーツァルト)

ヴァイオリンソナタ第20番[1] ハ長調 K. 303 (293c) は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したヴァイオリンソナタ新モーツァルト全集では第13番とされる。

概要

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6曲の「パリ・ソナタ」の3番目にあたる作品で、第18番第19番と共に1778年2月マンハイムで作曲された。

第1楽章で大胆な形式上の工夫が示されている作品で、実験的とさえもいえる異色作になっている。その第1楽章では、序奏風の部分と主部が2回交代するという形態が採用されているが、そこでは調性構造の特異性のほか、独自の不安定な情緒が目を惹くことになっており、この楽章が極度にユニークな創造であることを物語っている。

構成

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2楽章の構成で、演奏時間は約10分。

  • 第1楽章 アダージョ - モルト・アレグロ
    ハ長調、2分の2拍子、ソナタ形式
    序奏風のアダージョの部分と、ソナタ形式によるモルト・アレグロの主部から構成されている。第1主題はハ長調イ短調イ長調ト長調の4つの調性感を内住させている。また、再現の前にアダージョを採択している。
     
     
  • 第2楽章 テンポ・ディ・メヌエット
    ハ長調、4分の3拍子、ソナタ形式。
    縮小されたソナタ形式で、展開部は激性を省いて穏やかに流れ、また再現部は第2主題から始まる。
     

脚注

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  1. ^ K. 55からK. 61までの偽作(K. 61はヘルマン・フリードリヒ・ラウパッハの作品)を含めると第27番となる。

外部リンク

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