ワーグナー/偉大なる生涯
『ワーグナー/偉大なる生涯』(原題:Wagner)は、イギリス、オーストリア、ハンガリー合作。ドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーの没後100年に合わせて1983年に制作されたテレビドラマ。ワグナーの生涯を、全10話(三部構成)、約8時間の大作として描いている。主演はリチャード・バートン[1][2]。
ワーグナー/偉大なる生涯 Wagner | |
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ジャンル | テレビドラマ |
脚本 | チャールズ・ウッド |
監督 | トニー・パーマー |
出演者 | リチャード・バートン |
音楽 |
リヒャルト・ワーグナー アイヴァン・フィッシャー ゲオルグ・ショルティ (指揮) |
国・地域 |
イギリス オーストリア ハンガリー |
言語 | 英語 |
時代設定 | 19世紀 |
話数 | 10 |
製作 | |
撮影監督 | ヴィットリオ・ストラーロ |
制作 |
ラドブローク フンガロフィルム MTV |
製作 | アラン・ライト |
製作費 | $10,000,000[1] |
放送 | |
放送期間 | 1983年12月 |
放送時間 | 240分 466分 (完全版) |
概要
編集監督のトニー・パーマーは本来、長編映画としての公開を想定しており、計7時間46分の本作品が完成したが、最初はアメリカ合衆国などでいくつかの場面が削除され約5時間に短縮編集されたものが公開された。その後、全10話のミニシリーズとして再構成した上でテレビ放映され、2011年にトニー自らマスタリングしたディレクターズ・カット版がDVDでリリースされた[3]。
製作は、ワーグナーの孫であるヴォルフガング・ワーグナーの協力、監修のもとで行われた。撮影はノイシュヴァンシュタイン城やヘレンキームゼー城、ミュンヘン・レジデンツ、バイロイト祝祭劇場など本格的な場所で行われ、他のロケーション撮影もハンガリー、スイス、イタリア(シエーナ、トスカーナ州、ヴェネツィア)、ドイツ(ウィーン)、ダブリンなど様々な国でされている。
ワーグナーの楽曲に関しては、本作のために新録音されたものを使用。ゲオルグ・ショルティが主席指揮者と音楽監督を務め、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団演奏により録音された。
リチャード・バートンの演技について、トニーは後に「今でも彼より上手くやってのけることができた人は誰もいない」と語っている[4]。
あらすじ
編集キャスト
編集※括弧内は日本語吹替(テレビ版・ソフト未収録[5])
- リヒャルト・ワーグナー: リチャード・バートン(森川公也)
- コジマ・ワーグナー: ヴァネッサ・レッドグレイヴ(此島愛子)
- フィスターマイスター: ジョン・ギールグッド
- プフォイファー: ローレンス・オリヴィエ
- ミンナ: ジェマ・クレイヴン
- マティルデ・ヴェーゼンドンク: マルト・ケラー
- ルートヴィヒ・フォン・デア・プフォルテン: ラルフ・リチャードソン
- オットー・ヴェーゼンドンク: リチャード・パスコ
- カール・リッター: ガブリエル・バーン[6]
- ジャコモ・マイアベーア: ヴァーノン・ドブチェフ
- フランツ・リスト: エッケハルト・シャル
- ハンス・フォン・ビューロー: ミゲル・ヘルツ=ケストラネク
- ルートヴィヒ2世: ラズロ・ガルフィ
- フリードリヒ・アウグスト2世: ウィリアム・ウォルトン
- ユリウス・シュノル・フォン・カロルスフェルト: ペーター・ホフマン
- マルヴィーナ・ガリゲス: ギネス・ジョーンズ
- アルベルト・ニーマン: ジェス・トーマス
- テイラー夫人: ジョーン・プロウライト
- ポラート夫人: プルネラ・スケイルズ
- フリードリヒ・ニーチェ: ロナルド・ピックアップ
- クレスピ: フランコ・ネロ
- メーザー: アーサー・ロウ
- プシネッリ: コリン・レッドグレイヴ
- スルザー: シリル・キューザック
- ペーター・コルネリウス: クリストファー・ゲイブル
- パウリーネ・フォン・メッテルニヒ: ダフネ・ワーグナー[7]
- ナレーター: ドナルド・モファット
スタッフ
編集- 監督: トニー・パーマー
- 製作: アラン・ライト
- 脚本: チャールズ・ウッド
- 撮影: ヴィットリオ・ストラーロ
- 音楽: リヒャルト・ワーグナー、イヴァン・フィッシャー
- 指揮: ゲオルグ・ショルティ
- 日本語版プロデューサー: 熊谷国雄
- 日本語版監修: 三光長治、三宅幸夫
作品の評価
編集公開時、ヨーロッパの主要な音楽ジャーナル誌から熱烈なレビューを受けた。
ディ・ヴェルトは「素晴らしい...技術的に素晴らしい..音楽的にも映画的にも最高レベルで、それは間違いなく世界中でヒットの行列を掴み取るだろう」と評し[8]、サンデー・タイムズは「注目に値する作品。1分も長すぎる場面がない...英国の栄光の映画でスクリーンを席巻する大胆な作品」と評した[9]。一方、アメリカ合衆国では短縮編集版で放送されたため、ニューヨーク・タイムズでは「大げさなキッチュ」や「巨大な災害」と評している[10]。
脚注
編集- ^ a b “RICHARD BURTON AS WAGNER”. The New York Times. (1982年4月4日) 2021年5月1日閲覧。
- ^ “BURTON'S LAST MAJOR ROLE WAS AS WAGNER”. The Morning Call. (1986年10月19日) 2021年5月1日閲覧。
- ^ Limelight, July 2011: Palmer talks Wagner
- ^ Bragg, Melvyn, Rich! The Life of Richard Burton, p. 464
- ^ その他の出演者は江守徹など、計200名となった。
- ^ “Irish screen legend Gabriel Byrne says advice from acting icon Richard Burton helped to shape his Hollywood career”. The Irish Sun. (2020年7月10日) 2021年5月1日閲覧。
- ^ ワーグナーの子孫。
- ^ Die Welt, November 1983[要文献特定詳細情報]
- ^ The Sunday Times, November 1983[要文献特定詳細情報]
- ^ "Richard Burton Stars in Wagner on 13" by John J. O'Connor, The New York Times, October 24, 1986
外部リンク
編集- 『ワーグナー/偉大なる生涯』公式サイト - ウェイバックマシン(2016年3月5日アーカイブ分)
- “ワーグナー/偉大なる生涯”公式 (@wagner2013dvd) - X(旧Twitter)
- ワーグナー/偉大なる生涯 - allcinema
- Wagner - オールムービー
- Wagner - IMDb