ワンダ・ヴェンサム

イギリスの女優 (1935 - )

ワンダ・ヴェンサム: Wanda Ventham1935年8月5日[1] - )はイングランド女優

ワンダ・ヴェンサム
Wanda Ventham
生年月日 (1935-08-05) 1935年8月5日(89歳)
出生地 イングランドの旗 イングランドイースト・サセックスブライトン
職業 俳優
活動期間 1956年 -
配偶者
ジェームズ・タバナクル[注釈 1](結婚 1957年⁠–⁠1974年)

著名な家族 ベネディクト・カンバーバッチ(息子)
主な作品
謎の円盤UFO
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1970年代のSFテレビドラマ『謎の円盤UFO』で演じたヴァージニア・レイク大佐役や、『オンリー・フールズ・アンド・ホーシズ英語版』(1989年 - 1992年)で演じたカッサンドラ・トロッター (enの母パメラ・パリー役などで知られる。またロジャー・ムーア主演のテレビシリーズ『セイント 天国野郎』にも2話出演している。

2014年4月には『ピープル』誌の「世界で最も美しい人たち」(英: "Most Beautiful People in the World")企画で特集された[2]

ティモシー・カールトン、息子ベネディクト・カンバーバッチも俳優である[3][4]

俳優になるまで

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ヴェンサムはブライトンで、母グラディス・フランシス(旧姓:ホルサム)、父フレデリク・ハワード・ヴェンサム[注釈 2]の間に生まれた[1][5]。当初は画家になろうと考えており、美術学校に1年通ったほか、休暇にはウェスト・サセックスワージングコンノート・シアター英語版で背景画家として働いていた。ここでプロの舞台演劇に触れたことで、彼女は美術学校を中退し、演技の道に進むことになる[6]。ヴェンサムはセントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマに進学し、1956年に卒業した[7]。女優のジュディ・デンチは当時の1年後輩である[8][9]

キャリア

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ヴェンサムの映画初出演作品は、アンナ・ニーグルシルヴィア・シムズが出演した映画『マイ・ティーンエイジ・ドーター英語版』(1956年)だった。他にも1964年の映画『キャリー・オン・クレオ英語版』や、1968年の映画『キャリー・オン・アップ・ザ・カイバル英語版』などに出演している。1966年のミステリー映画『殺しへの招待英語版』ではマーク・バーンズ英語版と共演した[10]。最もよく知られているのは、カルトシリーズ『謎の円盤UFO』で演じた、ストレイカー司令官(演:エド・ビショップ)に次ぐ高官のヴァージニア・レイク大佐役である[11]

ヴェンサムはテレビ番組にも多数出演しており、ドラマ『ハートビート英語版』ではフィオナ・ウェストン役でレギュラー出演したほか、『Hetty Wainthropp Investigates英語版』ではマーガレット・バルショー役、『ラグ・トレード英語版』ではシャーリー役を演じた。他にも『マインダー英語版』ではアーサー・デイリーの恋人役を演じたほか、『カップリング英語版』ではスーザンの母親、『Men Behaving Badly英語版』ではデボラの母親役を演じた。1972年から1973年にかけてのドラマ『ロータス・イーターズ英語版』(BBC、15話)ではイアン・ヘンドリー英語版の相手役という主役級を演じ、エリック・アイドルの番組『ラトランド・ウィークエンド・テレビジョン英語版』にもゲスト出演した。ドラマ『デンジャー・マン英語版』にも出演したほか、パトリック・マクグーハンの『プリズナーNo.6』、シットコムの『エグゼクティブ・ストレス英語版』や『ネクスト・オブ・キン英語版』、スケッチ・ショー『トゥー・ルーニーズ英語版』にも出演している。

彼女はイギリスの長寿テレビドラマ『ドクター・フー』に3度出演している。最初の出演は1967年の "The Faceless Ones" (enで演じたジーン・ロック役で、続いて1977年の "Image of the Fendahl" (en(シア・ランサム役)、1987年の "Time and the Rani" (en(ファルーン役)である。1977年の "Image of the Fendahl" ではデニス・リル英語版と共演したが、彼とはシットコム『オンリー・フールズ・アンド・ホーシズ英語版』でパメラとアランのパリー夫妻役を演じている。

2014年、ヴェンサムは夫のティモシー・カールトンと共に、BBCのテレビドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』に出演した[12]。この作品で夫妻は、実の息子であるベネディクト・カンバーバッチが演じるシャーロック・ホームズの両親役を演じている[13]。またドラマシリーズ『ホルビー・シティ英語版では、二重生活を送る病院患者マートル・マッキーを演じている[14]

私生活

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ヴェンサムは最初の夫ジェームズ・タバナクルと1957年に結婚し[15][16]、娘トレイシー(英: Tracy)を儲けている。夫妻は1974年11月12日に離婚した[17]。ドラマシリーズ『ア・ファミリー・アット・ウォー英語版』撮影中の1970年に現在の夫ティモシー・カールトンと出会い[6][18]、1976年4月に結婚した[15]。同年7月には息子[19]であるベネディクト・カンバーバッチが生まれている。夫妻は1973年の『ロータス・イーターズ英語版』第2シリーズなどで共演したほか、『SHERLOCK(シャーロック)』第3シーズンからは、息子のカンバーバッチを含めた一家共演を果たしている[12]

フィルモグラフィ

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映画

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作品名 役名 備考
1956年 マイ・ティーンエイジ・ドーター英語版(原題)
My Teenage Daughter
ジーナ
Gina
1959年 ネイヴィー・ラーク英語版(原題)
The Navy Lark
メイベル
Mabel
1961年 We Joined The Navy 「手始めのテスト」の女子
The "Initiative test" girl
1962年 ソロ・フォー・スパロウ英語版(原題)
Solo for Sparrow
ウェイトレス
Waitress
1964年 キャリー・オン・クレオ英語版(原題)
Carry On Cleo
美人競り師
Pretty Bidder
クレジット無し
1965年 ビッグ・ジョブ英語版(原題)
The Big Job
ドット・フランクリン
Dot Franklin
ナック
The Knack ...and How to Get It
体育の女教師
Gym Mistress
クレジット無し
1966年 殺しへの招待英語版
Death Is a Woman
プリシラ・ブランストーン=スミス
Priscilla Blunstone-Smythe
スパイ・ウィズ・ア・コールド・ノーズ英語版(原題)
The Spy with a Cold Nose
ウィンターズ夫人
Mrs. Winters
1967年 ミスター・テン・パーセント英語版(原題)
Mister Ten Per Cent
キャシー
Kathy
1968年 ブラッド・ビースト・テラー英語版(原題)
The Blood Beast Terror
クレア・マリンガー
Clare Mallinger
スタントワークもこなし、巨大なの怪獣として着ぐるみでも登場。
キャリー・オン・アップ・ザ・カイバル英語版(原題)
Carry On Up the Khyber
カージの最初の妻
Khasi's First Wife
1974年 Invasion: UFO
(『謎の円盤UFO』シリーズ)
ヴァージニア・レイク大佐
Col. Virginia Lake
吸血鬼ハンター英語版[20]
Captain Kronos – Vampire Hunter
レディ・ダーワード
Lady Durward
2002年 Mrs Caldicot's Cabbage War (en ヴィクトリア
Victoria
2005年 アサイラム/閉鎖病棟
Asylum
ブライディ・ストラッフェン
Bridie Straffen
2012年 ラン・フォー・ユア・ワイフ英語版(原題)
Run for Your Wife
バスの女性
Lady on Bus
カメオ出演
2016年 ザッツ・ファビュラス!
Absolutely Fabulous: The Movie
ヴァイオレット
Violet
カメオ出演

テレビ番組

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作品名 役名 備考
1962年 – 1963年 ラグ・トレード英語版(原題)
The Rag Trade
シャーリー
Shirley
レギュラー出演、18話
1964年 – 1965年 デンジャー・マン英語版
Danger Man(原題)
ステラ・ドーセット、ペニー
Stella Dorset / Penny
2話、それぞれ別役
1964年 – 1966年 セイント 天国野郎
The Saint
ローラ・ストライド、ペニー・ピアソン
Laura Stride / Penny Pearson
2話、それぞれ別役
1965年 ライクリー・ラッズ英語版(原題)
The Likely Lads
アンジェラ
Angela
1話
おしゃれ(秘)探偵
The Avengers
スプレー看護師
Nurse Spray
1話
1967年 プリズナーNo.6
The Prisoner
コンピューター係
Computer Attendant
1話
シーザーズ英語版(原題)
The Caesars
エニア (Ennia Thrasylla
Ennia
1話
1967年 – 1971年 トラブルシューターズ英語版(原題)
The Troubleshooters
モイラ・ハート
Moira Hart
リカーリング、4話
1967年 ドクター・フー
Doctor Who
ジーン・ロック
Jean Rock
シリアル:"The Faceless Ones" (en(全6話)
1977年 シア・ランサム / フェンダール・コア
Thea Ransome/Fendahl Core
シリアル:"Image of the Fendahl" (en(全4話)
1987年 ファルーン
Faroon
シリアル:"Time and the Rani" (en(全3話)
1969年 The Gold Robbers ディー・ラッタリー
Dee Lattery
1話
秘密指令S英語版(原題)
Department S
レイラ・ランキン
Leila Rankin
第2話
1970年 Zカーズ英語版(原題)
Z-Cars
オーウェン夫人
Mrs. Owen
1話
1970年 – 1971年 ア・ファミリー・アット・ウォー英語版(原題)
A Family At War
ジェニー・グレアム
Jenny Graham
リカーリング、3話
1970年 ドクター・アット・ラージ英語版(原題)
Doctor At Large
マギー・ウェストン
Maggie Weston
1話
1970年 – 1973年 謎の円盤UFO
UFO
ヴァージニア・レイク大佐
Col. Virginia Lake
レギュラー出演、9話
1971年 サーティ・ミニッツ・シアター英語版(原題)
Thirty-Minute Theatre
ジャスミン
Jasmine
"Walt, King of the Dumper"[21]
1972年 – 1973年 ロータス・イーターズ英語版(原題)
The Lotus Eaters
アン・シェパード
Ann Shepherd
主役、15話
1975年 ロンドン特捜隊スウィーニー
The Sweeney
ブレンダ
Brenda
1話
1975年 ラトランド・ウィークエンド・テレビジョン英語版
Rutland Weekend Television
複数役 2話
1976年 エマーデイル・ファーム英語版(原題)
Emmerdale Farm
ヘザー・バナーマン
Heather Bannerman
リカーリング、6話
1977年 クラウン・コート英語版(原題)
Crown Court
シビル・ハルステッド
Sybil Halstead
2話
1978年 – 1979年 Fallen Hero ドロシー・ホプキンズ
Dorothy Hopkins
主演、11話
1980年 トゥー・ルーニーズ英語版(原題)
The Two Ronnies
ジャック
Jack
2話
1982年 マインダー英語版(原題)
Minder
ベリル・マードック
Beryl Murdoch
1話
1986年 – 1987年 エグゼクティブ・ストレス英語版(原題)
Executive Stress
シルヴィア
Sylvia
リカーリング、4話
1988年 オール・クリーチャーズ・グレート・アンド・スモール英語版(原題)
All Creatures Great and Small
リッジ夫人
Mrs. Ridge
第5シリーズ第11話
1989年 キャプスティックズ・ロー英語版(原題)
Capstick's Law
マッジ・キャプスティック
Madge Capstick
リカーリング、6話
1989年 – 1992年 オンリー・フールズ・アンド・ホーシズ英語版(原題)
Only Fools and Horses
パメラ・パリー
Pamela Parry
リカーリング、4話
1995年 – 1996年 ネクスト・オブ・キン英語版(原題)
Next of Kin
ロージー
Rosie
リカーリング、6話
1996年 – 1997年 ハートビート英語版(原題)
Heartbeat
フィオナ・ウェストン
Fiona Weston
リカーリング、4話
2001年 カップリング英語版(原題)
Coupling
エドナ
Edna
1話
2005年 バーナビー警部
Midsomer Murders
ロマニー・ローズ
Romany Rose
1話
2007年 オックスフォードミステリー ルイス警部
Lewis
エレナー・マロリー
Eleanor Mallory
1話
2014年 – 2017年 SHERLOCK(シャーロック)
Sherlock
ホームズ夫人(シャーロック・ホームズの母親) 3話[注釈 3]

舞台演劇

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作品名 役名 劇場
1960年 Watch It, Sailor! ダフネ・ピンク
Daphne Pink
ロンドンアポロ・シアター
1979年 ジュリアス・シーザー
Julius Caesar
ポーシャ
Portia
チチェスターチチェスター・フェスティバル劇場
1990年 アウト・オブ・オーダー英語版(原題)
Out of Order
パメラ
Pamela
ロンドン、シャフツベリー・シアター英語版
1992年 It Runs in the Family ローズマリー・モーティモア
Rosemary Mortimore
ロンドン、プレイハウス・シアター英語版
2002年 One for the Pot エイミー・ハードキャッスル
Amy Hardcastle
ウィンザー、シアター・ロイヤル (en
2012年 カルテット英語版
Quartet
シシー
Cissy
シアター・オン・ザ・ベイ[注釈 4]ケープタウン
2014年 Entertaining Angels (en ルース
Ruth

脚注

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注釈

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  1. ^ 英: James Tabernacle
  2. ^ 英: Gladys Frances (née Holtham) and Frederick Howard Ventham
  3. ^ 空の霊柩車』、『最後の誓い』、『最後の問題
  4. ^ 英: Theatre-on-the-Bay

出典

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  1. ^ a b Ancestry.com. England & Wales, Birth Index: 1916-2005 [database on-line]. Provo, UT, USA: Ancestry.com Operations Inc, 2008. Original data: General Register Office. England and Wales Civil Registration Indexes. London, England: General Register Office.
  2. ^ “Stars & Their Hot Moms”. People: 139. (5 May 2014). https://pbs.twimg.com/media/BmB8oqcCEAAHvpZ.jpg 19 June 2015閲覧。. 
  3. ^ “Sherlock: Benedict Cumberbatch 'so proud' of parents”. The Telegraph. (2014年1月2日). http://www.telegraph.co.uk/culture/tvandradio/10546727/Sherlock-Benedict-Cumberbatch-so-proud-of-parents.html 2017年8月7日閲覧。 
  4. ^ ベネディクト・カンバーバッチの両親だけでなく、プロデューサーの息子も出演している”. ドラマ「SHERLOCK シャーロック」のトリヴィア24. Elle girl. p. 11/24 (2017年1月25日). 2017年8月7日閲覧。
  5. ^ FreeBMD. England & Wales, FreeBMD Birth Index, 1837-1915 [database on-line]. Provo, UT, USA: Ancestry.com Operations Inc, 2006. Original data: General Register Office. England and Wales Civil Registration Indexes. London, England: General Register Office.
  6. ^ a b Ventham, Wanda. Audio commentary for "Timelash". In: The Complete UFO Megaset (DVD). A&E Home Entertainment. 2003.
  7. ^ Central School of Speech and Drama Alumni Newsletter (19): 19. (July 2012). 
  8. ^ MARTIN, ANNIE (2014年9月19日). “Benedict Cumberbatch is 'a true gentleman,' says Judi Dench”. UPI Entertainment. 2017年8月7日閲覧。
  9. ^ Tim Walker. Edited by Katy Balls (2014年9月18日). “Dame Judi Dench: Benedict Cumberbatch is a true gentleman”. デイリー・テレグラフ. 2017年8月7日閲覧。
  10. ^ 殺しへの招待 - MOVIE WALKER PRESS - 2017年8月7日閲覧。
  11. ^ 謎の円盤UFO - allcinema - 2017年8月7日閲覧。
  12. ^ a b “Benedict Cumberbatch 'so proud' of parents”. The Daily Telegraph. (2 January 2014). http://www.telegraph.co.uk/culture/tvandradio/10546727/Sherlock-Benedict-Cumberbatch-so-proud-of-parents.html 4 January 2014閲覧。 
  13. ^ 山口浩太 (2014年1月7日). “「SHERLOCK(シャーロック)」第3シーズンにカンバーバッチの両親がカメオ出演”. シネマトゥデイ. 2017年8月7日閲覧。
  14. ^ Lazarus, Susanna (14 October 2014). “Benedict Mumberbatch! Wanda Ventham to appear on Holby City”. Radio Times. 1 October 2014閲覧。
  15. ^ a b Ancestry.com. England & Wales, Marriage Index: 1916-2005 [database on-line]. Provo, UT, USA: Ancestry.com Operations Inc, 2008. Original data: General Register Office. England and Wales Civil Registration Indexes. London, England: General Register Office.
  16. ^ Knowles, Stewart (28 July 1979). “Timothy, Wanda... and the rose that changed her mind about marriage”. TV Times: 14–15. 
  17. ^ “TV star Wanda's friendly divorce”. Daily Mirror: pp. 9. (13 November 1974) 
  18. ^ Passingham, Kenneth (22 March 1975). “It's good news to know I'm still fanciable”. TV Times: 21–22. 
  19. ^ BANG Media International (2014年1月3日). “ベネディクト・カンバーバッチ、母親ワンダ・ヴェンサムのファンだという男性たちにとまどい”. シネマトゥデイ. 2017年8月7日閲覧。
  20. ^ 吸血鬼ハンター - allcinema - 2017年8月7日閲覧。
  21. ^ Walt, King of the Dumper - IMDb(英語) - 2017年8月7日閲覧。

外部リンク

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