ワルツ第14番 (ショパン)
ワルツ第14番[注釈 1](ワルツだいじゅうよんばん)ホ短調は、フレデリック・ショパンが1830年に作曲したワルツである。いまだ郷里ジェラゾヴァ・ヴォラにいて、華やかな演奏技巧で名をあげようとしていた時期の作品である。出版は死後の1868年(遺作)。クリスティナ・コビラニスカによる作品番号リストではKK IVa/15、モーリス・ブラウンによる作品目録ではB. 56。
後年の作品(第7番)のような抒情的な表現はないが、明るく華やかである。演奏時間も3~4分程度と短く、アンコールピースによく選ばれる。
曲の構成
編集ヴィヴァーチェ。序奏とコーダを伴う三部形式。序奏は主和音を半音ずつ下げて、華やかな演出をするアルペッジョ。ロ音(H)の連打が主題である。右手のオクターヴにわたるポジションチェンジと半音階的進行とが、ともにピアニスティックな技巧を発揮する。中間部はホ長調で、左手が滑らかな音階を描き、右手が簡単な旋律を歌うが、右手の和音に支えられて左手が激情を歌う嬰ト短調のフレーズによって中断される。その後再び元の主題に戻り、華々しいコーダが展開されて曲を締めくくる。ショパンのワルツの中でも技巧的な曲である。
脚注
編集注釈
編集- ^ ヘンレ社原典版では第16番。
外部リンク
編集- Waltz in E minor, B. 56の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- 2009 recital in Oslo - YouTube, Iskra Mantcheva