ワキモンユタトカゲ
ワキモンユタトカゲ (Uta stansburiana) はユタトカゲ属のトカゲである。主に北アメリカの西砂漠で見られるトカゲで、特有の繁殖パターンを持っていることで知られる。[1] ユタトカゲはユタトカゲ科に分類される。体長は15cmほどに成長し通常雄のほうが大きい 。また雄は喉のあたりに鮮やかな模様をもつ
ワキモンユタトカゲ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ユタトカゲのオス
| |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Uta stansburiana Baird & Girard, 1852 |
蛇、ヒョウモントカゲやハリトカゲなどの大型のトカゲ、ミチバシリなどの鳥といった生物はこのトカゲにとって天敵である。逆にワキモンユタトカゲが主食とする動物として節足動物、昆虫、 クモ、時にサソリなど。
こうした天敵は少なくないため多産である。 4月から6月にかけて繁殖期を迎え、早ければ5月の下旬には子供が生まれる。繁殖期は9月まで、つまり夏の間中続く。
性別など
編集ワキモンユタトカゲについて特筆すべきは3つのタイプのオスと2つのタイプのメスによる性形態である。
オス
編集オレンジの喉のオスは最も強い。テストステロンの値が高いことで体は大きく、広い領域を支配し多くのメスを確保できる。
黄色いストライプの喉をもつオスはこそこそと行動する。相手の領域を侵すことはしない。オレンジの喉のオスが領域を守るために不在の間、メスと親密になる。
青い喉のオスは攻撃的な性格ではない。中間的な大きさである。一匹のメスを守ることに専念するが、黄色いストライプのオスから守ることはできてもオレンジの喉のオスにはメスをとられてしまう。
メス
編集オレンジの喉のメスはたくさんの小さな卵を領域中に広く産む。
黄色い喉のメスはそれよりは少なく産むが、大きく頑丈な卵を産む。[2]
またオレンジの喉のオスと青い喉のオスはメスを逃がすとため大胆にも人間に近寄ってくる。メスが助かると穴の中や岩の下で"繋がる"。
このようなオスがメスをめぐる争いはじゃんけんのようだと言われる。[3] またメスはオスに比べ色が地味である。
脚注
編集- ^ Sinervo, B.; C.M. Lively (1996). "The rock–paper–scissors game and the evolution of alternative male strategies". Nature 380 (6571): 240–243. doi:10.1038/380240a0.
- ^ Roughgarden, Joan (2004). Evolution's Rainbow: Diversity, Gender, and Sexuality in Nature and People. University of California Press. ISBN 0-520-24073-1 Especially chapter 6, Multiple Gender Families, pp. 90-93.
- ^ Goodenough, J (2010). Perspectives on Animal Behaviour. pp. 70
参考文献
編集- Collins, Joseph T. (1991): Viewpoint: a new taxonomic arrangement for some North American amphibians and reptiles. Herpetological Review 22(2): 42-43. PDF fulltext
- Grismer, L.L. (1994): Three new species of intertidal side-blotched lizards (Genus Uta) from the Gulf of California, Mexico. Herpetologica 50: 451–474.
- Murphy, Robert W. & Aguirre-León, Gustavo (2002): The Nonavian Reptiles: Origins and Evolution. In: Case, Ted & Cody, Martin (eds.): A New Island Biogeography of the Sea of Cortés: 181-220. Oxford University Press. ISBN 0-19-513346-3 PDF fulltext Appendices 2-4
- Oliver, James A. (1943): The Status of Uta ornata lateralis Boulenger. Copeia 1943(2): 97-107. doi:10.2307/1437774 (First page image)
- Pennock, Lewis A.; Tinkle, Donald W. & Shaw, Margery W. (1968): Chromosome Number in the Lizard Genus Uta (Family Iguanidae). Chromosoma 24(4): 467-476. doi:10.1007/BF00285020 PDF fulltext
- Upton, Darlene E. & Murphy, Robert W. (1997): Phylogeny of the side-blotched lizards (Phrynosomatidae: Uta) based on mtDNA sequences: support for midpeninsular seaway in Baja California. Mol. Phyl. Evol. 8(1): 104-113. doi:10.1006/mpev.1996.0392 PDF fulltext