ロンドン日本人学校
ロンドン日本人学校(ロンドンにほんじんがっこう、英語: The Japanese School in London)はロンドンのイーリング区アクトンにある日本人学校[1]。日本の文部科学省、英国教育技能省より認定を受けた私立小中一貫教育校である[2]。「日本人学校有限会社」として法人化している。また、ロンドン補習授業校も同校の一部である。
ロンドン日本人学校 The Japanese School of London | |
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所在地 | |
87 Creffield Road, Acton, ロンドン, 3162, イギリス | |
座標 | 北緯51度30分49.0秒 西経0度16分50.1秒 / 北緯51.513611度 西経0.280583度座標: 北緯51度30分49.0秒 西経0度16分50.1秒 / 北緯51.513611度 西経0.280583度 |
情報 | |
創立 | 1976年6月18日 |
外部リンク | www |
『Japanese Bankers in the City of London(ロンドン市にいる日本人銀行員)』の著者である酒井 順子は、この学校をロンドンの日本人コミュニティにおける「地理的な中心」だと述べている[3]。
歴史
編集日本文部省によって運営されているロンドン日本人学校は日本の会社の出資で設立された[4]。最初は1965年9月にシオンヌの聖母(Our Lady Sion)修道院にて「日本語会」として始まり、当時は教師4人と学生20人しかいなかった。その後、学生数が増えたため、1974年に文部省が教師を派遣して学校が正式な補習授業校に昇格した。文部省が1975年4月に初代校長の田中勝哉を派遣すると、全日制の日本人学校が1976年6月18日に開校した[5]。
1976年10月時点の学生数は小学生54人、中学生25人だった。同月には校舎を日本クラブと日本大使館広報センターの建物に移した。1977年4月には再び移転して[5]カムデン区の現ノース・ブリッジ・ハウス・スクールにあたる場所に移った[6]。
1987年4月[5]、ウェスト・アクトンにある[注釈 1][3]元ハーバーダッシャーズ・アスケス女子学校の校舎に移転した[8]。移転時点ではロンドンの日本人社会が拡大していた[4]。
1987年時点の学生数は657人で、1991年時点の学生数は980人だった[9]。
教育
編集文部科学省から派遣された教員および現地採用された教員、英会話講師により教育が行われている。教科書は教科書検定を受けたものを使用している。学習指導要領に準拠するとともに在外教育施設としての特色を生かした教育を行っている[2]。
英会話の授業では、読む・書く・聞く・話す能力の向上に努めている。またICTを用いた授業が行われている[10]。英会話講師は現地採用されて[2]、レベル別英会話授業を行っており、上位A,B,Cは外国人教師、D,E以下からは日本語を話せる教師が教えている。
2014年のOfstedによる報告ではロンドン日本人学校に「改善の必要な学校」という評価を下した。学生の礼儀作法と安全性は「合格」という評価を得たが、リーダーシップ、運営管理、教授の質、学生の業績については改善の必要があるとされた[11]。
開校以来、児童生徒文集の『緑と霧と』を毎年発刊して[12]、在籍する児童生徒に配布している。2021年には創立45周年記念の『緑と霧と』の特別版『テムズ』が発刊された[13]。
部活動
編集2022年現在、バスケットボール部、フットボール部、テニス部、バドミントン部、軽音楽部、美術部の8部活が活動している[14]。
学生
編集2001年時点の学生数は583人である[4]。また2012年時点でロンドンに居住している日本人の大半は子供を日本人学校か現地の学校に通学させている[3]。2003年に『The Japanese in London: From transience to settlement?(ロンドンの日本人:一時滞在から定住に?)』の著者ポール・ホワイトは、「転勤してきた人でもわが子をロンドンにある日本人学校システムに預けるとは限らず」、ロンドンにあるイギリスの学校やインターナショナルスクールの一部が日本人学生を受け入れている、と述べた[4]。
教師
編集1991年、全日制の日本人学校の教師は、3年間の人事異動(一時的な赴任期間)として日本の文部科学省により派遣されている[9]。
交通
編集この学校には、ロンドンの様々な地域に住んでいる日本人学生の送迎を行うバスシステムがある。
資金面
編集学校は主に授業料によって資金調達をしているが、日本の文部科学省からの助成金や日本企業からの寄付金も受け取っている。 この学校は、他の英国のインデペンデント・スクールと同様に、慈善的地位(非営利かつ公益) を有している。
関連項目
編集脚注
編集- 注釈
- 出典
- ^ "Home Archived 2014-01-02 at the Wayback Machine.." Japanese School in London. Retrieved on 1 January 2014. "所在地:87 CREFFIELD ROAD, ACTON, LONDON, W3 9PU, U.K."
- ^ a b c “学校概要”. ロンドン日本人学校. 2014年3月8日閲覧。
- ^ a b c Sakai, Page unstated (PT 67). "Although the Japanese have no precise geographical location for their community, they are connected with each other personally, and one of their geographical centres is the Japanese school in London, previously in North London and now in West Acton."
- ^ a b c d White, p. 89.
- ^ a b c "School Outline". Japanese School in London. June 24, 2001. Retrieved on April 24, 2016.
- ^ "Which School?" Truman & Knightley Educational Trust, 1989. p. D-66 (See search page). "THE JAPANESE SCHOOL I Gloucester Avenue, London, NWI Tel (01) 485 0700 Head H Fujino Type Co-educational Day 9-14 No of pupils 536 Fees On application NORTH BRIDGE HOUSE JUNIOR SCHOOL I Gloucester Avenue, London,"
- ^ アクトン周辺 / Acton駐在ドットUK、2017年4月5日。2018年12月10日閲覧。
- ^ a b Barber, Lynn (2009年6月7日). “Educating Lynn: take one”. London: The Observer (June 8, 2008). オリジナルのJanuary 11, 2015時点におけるアーカイブ。 November 23, 2009閲覧。 "Amanda asked if I'd like to watch some of the filming, and said I should come to the Japanese School, Acton, to watch one of the classroom scenes." and "But no - the Japanese school was there and in fact turned out to be the old Haberdashers' Aske's girls' school which we used to play at lacrosse."
- ^ a b "Britain: Japanese Spoken Here." The Economist. 14 September 1991. Volume 320, Issue 7724, p. 67. ISSN 0013-0613. CODEN ECSTA3. Accession number 00541106, 00898348. Available on ProQuest, Document ID 224204538. "The best known is the Japanese School in Acton, West London. It caters for 980 pupils--up from 657 in 1987--and is staffed by Japanese teachers on three-year secondments from the Ministry of Education in Tokyo."
- ^ “英会話クラス”. ロンドン日本人学校. 2014年3月8日閲覧。
- ^ “2014 Ofstead Report”. U.K. Government Ofstead Website. 17 June 2017閲覧。
- ^ “「緑と霧と」第44号を発刊”. ロンドン日本人学校公式ブログ(2020年12月23日). 19 May 2023閲覧。
- ^ “創立45周年記念誌「テムズ」を発刊”. ロンドン日本人学校公式ブログ(2021年12月23日). 19 May 2023閲覧。
- ^ 部活動 公式サイト
参考文献
編集- Sakai, Junko. Japanese Bankers in the City of London: Language, Culture and Identity in the Japanese Diaspora (Routledge Studies in Memory and Narrative). Routledge, October 12, 2012. ISBN 1134645082, 9781134645084.
- White, Paul. "The Japanese in London: From transience to settlement?" In: Goodman, Roger, Ceri Peach, Ayumi Takenaka, and Paul White (editors). Global Japan: The Experience of Japan's New Immigrant and Overseas Communities. Routledge, 2003. ISBN 0203986784, 9780203986783.
- 関連図書
- 池崎 喜美惠 (東京学芸大学). "日本人学校の児童・生徒の家庭生活観と家庭科観 : ロンドンおよびパリ日本人学校の事例をもとに" (Archive). 東京学芸大学紀要. 総合教育科学系), 東京学芸大学. 58, 361-369, 2007-02. See profile at CiNii, See profile at 東京学芸大学.
- 蒔田 孝. "在外教育施設における障害児教育 : ロンドン日本人学校のテムズ学級." 在外教育施設における指導実践記録 24, 181-185, 2001. 東京学芸大学. See profile at CiNii.
- 大渕 栄一 (前ロンドン日本学校:佐賀大学文化教育学部附属特別支援学校). "ロンドン日本人学校における特別支援教育の取組 (第1章 共同研究員報告)" 在外教育施設における指導実践記録 32, 7-10, 2009-10-12. 東京学芸大学. See profile at CiNii.
- 稲邊 宣彦 (前ロンドン日本人学校教諭・岩手大学教育学部附属養護学校教諭). "在外教育施設における特別支援教育 : ロンドン日本人学校における校内体制について." 在外教育施設における指導実践記録 25, 120-123, 2002. 東京学芸大学. See profile at CiNii.
- 山田 耕司. "在外教育施設の特色を生かした総合的な学習--ロンドン日本人学校中学部を事例として." 九州教育学会研究紀要 34, 91-98, 2006. 九州教育学会. See profile at CiNii.