平面幾何学におけるレスターの定理(レスターのていり、Lester's theorem)は、任意の不等辺三角形において外心九点円の中心・2つのフェルマー点の4点が同一円上にあるという定理である。

緑色の三角形のフェルマー点 九点円(薄い青の円)の中心 外心 はレスター円(黒い円)上にある。

この定理の名称は1997年[1]に論文を発表したジューン・レスターに由来する。この4点を通る円は Clark Kimberling(英語)によってレスター円(Lester Circle)と命名されている[2]

レスターはこの定理を複素数を用いて証明しているが、のちに初等幾何学を用いた証明[3][4][5][6]、ベクトルを用いた証明[7]、コンピュータによる証明[8]が発表されている。

レスター円

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レスター円は、不等辺三角形外心九点円の中心・2つのフェルマー点の4点を通る円である。Clark Kimberling によって命名された。また、氏のサイト「Encyclopedia of Triangle Centers」ではX(1116)として登録されている[9]

中心の重心座標は、以下の式で表される。

 
 

ここで、  は3辺の長さ、 外接円の半径である。

二等辺三角形の場合、4点が同一直線上に来るためこの円は定義できない。

拡張

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Paul Yiu によれば、Bernard Gibert は2000年にこの定理の拡張となる以下の事実を発表している[10]

直径の両端がキーペルト双曲線上にあり、かつその直径がオイラー線と直交する円は、2つのフェルマー点を通る。

Dao Thanh Oai は、直角双曲線を利用したさらなる一般化を発表した[11]

直角双曲線上に以下の点を定義する
  • H と G は双曲線の同じ側にある点である。
  • F+ と F- は、その点における双曲線の接線が HG と平行になる点である。2点は双曲線の中心に対して対称の位置にある。
  • K+ と K- は、その点における双曲線の接線が HG 上の点 E を通る点である。
K+K- とHG の交点を D とし、DE の垂直二等分線と双曲線の交点を G+, G- とする。6点 D, E, F+, F-, G+, G-共円である。

参照

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  1. ^ Lester, June A. (1997), “Triangles. III. Complex triangle functions”, Aequationes Mathematicae 53 (1–2): 4–35, doi:10.1007/BF02215963, MR1436263 
  2. ^ Kimberling, Clark (1996), “Lester circle”, The Mathematics Teacher 89 (1): 26, JSTOR 27969621, https://jstor.org/stable/27969621 
  3. ^ Shail, Ron (2001), “A proof of Lester's theorem”, The Mathematical Gazette 85 (503): 226–232, doi:10.2307/3622007, JSTOR 3622007, https://jstor.org/stable/3622007 
  4. ^ Rigby, John (2003), “A simple proof of Lester's theorem”, The Mathematical Gazette 87 (510): 444–452, doi:10.1017/S0025557200173620, JSTOR 3621279, https://jstor.org/stable/3621279 
  5. ^ Scott, J. A. (2003), “Two more proofs of Lester's theorem”, The Mathematical Gazette 87 (510): 553–566, doi:10.1017/S0025557200173917, JSTOR 3621308, https://jstor.org/stable/3621308 
  6. ^ Duff, Michael (2005), “A short projective proof of Lester's theorem”, The Mathematical Gazette 89 (516): 505–506, doi:10.1017/S0025557200178581 
  7. ^ Dolan, Stan (2007), “Man versus computer”, The Mathematical Gazette 91 (522): 469–480, doi:10.1017/S0025557200182117, JSTOR 40378420, https://jstor.org/stable/40378420 
  8. ^ Trott, Michael (1997), “Applying GroebnerBasis to three problems in geometry”, Mathematica in Education and Research 6 (1): 15–28, http://library.wolfram.com/infocenter/Articles/1754/ 
  9. ^ ENCYCLOPEDIA OF TRIANGLE CENTERS Part2”. faculty.evansville.edu. 2024年3月16日閲覧。
  10. ^ Yiu, Paul (2010), “The Circles of Lester, Evans, Parry, and Their Generalizations”, Forum Geometricorum (10): 175-209, https://forumgeom.fau.edu/FG2010volume10/FG201020.pdf 
  11. ^ Thanh Oai, Dao (2014), “A Simple Proof of Gibert’s Generalization of the Lester Circle Theorem”, Forum Geometricorum (14): 123-125, https://forumgeom.fau.edu/FG2014volume14/FG201410.pdf 

外部リンク

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