数学におけるレイリーの定理とは、1より大きい無理数が、床関数によって自然数全体を互いに素な2つの集合に分ける方法を与える定理である。

1894年に言及した[1]物理学者レイリー卿に由来する。

得られた集合の元を小さい順に並べたものをビーティ数列と呼ぶため、ビーティの定理と呼ばれることもある。

概要

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1 より大きい実数 r, s に対して、

(R1) r, s無理数で、 

ならば、

(R2) 床関数による表示の数列
 ,  
の項全体は、重複がなく自然数全体を取る。
(注1)集合に重複がないだけでなく、数列の項に重複がない。
(注2)(1 <) r < s ならば 1 < r < 2 < s である。

この定理はも成り立つ[2][3]

r = 2 は 1 より大きい無理数である。このとき、1/r + 1/s = 1 より s = 2 + 2 となる。このとき、数列 Br, Bs の項を順に並べると、次の表のようになる。

r = 2 による自然数の分割
n 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
Br 1 2 4 5 7 8 9 11 12 14 15 16 18 19 21 22 24 25 26 28
Bs 3 6 10 13 17 20 23 27 30 34 37 40 44 47 51 54 58 61 64 68

証明

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r > 1, s > 1 とする。(R1) と (R2) は同値となるが、それを証明するために、まず必要性・十分性のどちらの議論にも必要なことを述べておく。

N を任意の自然数とする。

  …① を満たす自然数 ni個、
  …② を満たす自然数 nj

であるとする。

①より

 
 
  …③

同様に

  …④

③ + ④ より

  …⑤

((R1) ⇒ (R2) の証明)

r, s は無理数より、③, ④の等号は成り立たない。故に⑤, 1/r + 1/s = 1 より

 

N + 1 は整数より N + 1 = i + j + 1, ∴ N = i + j

N の任意性より、数列 Br, Bs の項全体は、自然数全体を重複なく取る。

((R2) ⇒ (R1) の証明)

(R2) より N = i + j …⑥

⑤, ⑥より

 
 

N → ∞ とすると、はさみうちの原理より

  …⑦

r または s は有理数と仮定する。このとき⑦より rs も有理数である。

r =: a/b, s =: c/dad は自然数)とおくと、bcr⌋ = ⌊ads となり項が重複しないことに矛盾。

故に r, s は無理数である。■

出典・脚注

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関連項目

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外部リンク

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