ルイーズ・リントン (Louise Linton) という芸名で知られるルイーズ・マヌーチン(Louise Mnuchin, 旧姓:ヘイ、1980年12月21日 - )は、スコットランド出身の女優であり、アメリカ合衆国財務長官であるスティーブン・ムニューシンの妻としても知られている。

Louise Linton
2017年撮影
生誕 ルイーズ・ヘイ(Louise Hay)
(1980-12-21) 1980年12月21日(43歳)
イギリスの旗 イギリス スコットランドエディンバラ
住居 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス
出身校 ペパーダイン大学
職業 女優
活動期間 2006[1]–present
身長 5フィート7インチ (170 cm)[2][3]
配偶者
ロナルド・リチャーズ
(結婚 2006年; 離婚 2009年)

公式サイト louiselinton.com
テンプレートを表示

ホラー映画『キャビン・フィーバー リブート英語版』への出演や『CSI:ニューヨーク』や『コールドケース 迷宮事件簿』といったテレビドラマへのゲスト出演でも知られているほか、ロサンゼルスにある独立系映画会社ストームチェイサー・フィルムズの設立者兼プロデュース・パートナーとしても知られている[4][5]

人物

編集

幼少時

編集

リントンはスコットランドエディンバラにあるマレーフィールド英語版にて[5]、三人きょうだいの末娘として生まれた[6] 。 エディンバラの女子校セント・ジョージ・スクール英語版にて教育をうけたのち、フェテス・カレッジ英語版を卒業した[7]。 リントンの実家はエディンバラ郊外にあるメルヴィル城英語版を所有しており[6]、リントンは休日をその城で過ごす[1]。 リントンは幼少時にThe London Academy of Music and Dramatic Artにて教育を受けていた[8]。 リントンの母は彼女が14歳の時に乳がんで死去している[6][9]

セント・ジョージスクール卒業後、リントンはモデル契約を断り、ギャップイヤー(大学に入学する前の1年間)にザンビア北部へボランティアへ行ったのち、アメリカ合衆国の大学に進学した[10] 。 リントンはペパーダイン大学にてジャーナリズムの学士を取得して卒業し、西ロサンゼルス法科大学英語版法務博士(ジュリス・ドクター)を取得した[11]

俳優業

編集

リントンという姓は、彼女の父方の祖父の姓に由来するものであり、自己啓発書『あたらしい私のはじめかた英語版』の著者であるルイーズ・ヘイ英語版と混同されるのを防ぐという観点からも、この芸名が用いられている[6]

リントンは2007年の映画『大いなる陰謀』のミス・M役で映画デビューを果たしたが[12]、劇場公開版からは出演シーンがカットされた[9]。 2008年にはロイ・リーのホラー映画『519号室英語版』にケイティ役で出演した[13] 。 2009年には男性誌マクシムのモデルを務めた[1][14]

2012年には自身の兄弟の所有する小舟から名付けたストームチェイサー・フィルムズという独立系映画製作会社を立ち上げ、プロデュース・パートナーを務めている[4][5]。 また、『CSI:ニューヨーク』や『コールドケース迷宮事件簿』といったテレビドラマにゲスト出演したほか、Crew 2 Crewという映画にも出演し、SF映画 Scavengersでは主役を務めた。2016年には『キャビン・フィーバー リブート英語版』と『Intruder』に出演した[1][13]

慈善活動

編集

リントンはUCLAマテル子ども病院英語版の理事会[15]と、エディンバラにあるフェテス・カレッジ英語版のOld Fettesian’s US Board of Trustees にそれぞれ所属している[16][17]

また、彼女は2010年から12年までの間Erskine Wounded Warriors Scotlandの大使を務めたのち、嚢胞性線維症患者のための団体であるScottish Butterfly Trust for Cystic Fibrosisの大使を務めている[16]

回顧録"In Congo's Shadow"

編集

2009年から11年までのインタビューの中で、リントンは1999年のギャップイヤー(大学入学前の1年間)に、「戦争で荒廃していた」ザンビアへ行き、彼女がボランティアへ行った村が茂みに潜んでいたフツ族の反乱者たちに襲われたことがあったと述べている[6][9][18] 。 2016年、リントンはこの経験を基に、ウェンディ・ホールデンとの共著という形で "In Congo's Shadow"を自費出版しようとしたところ、激しい非難が寄せられた[10][19]

この書籍からの抜粋が新聞テレグラフに掲載された際、ザンビアについて誤解を与える恐れがあるとして、新聞の読者から厳しい視線が寄せられた[20]。 その結果、リントンは書籍の発売を一時中止した[21]駐倫ザンビア大使館英語版を含む複数の団体からも、白人の救世主の物語を広めかねないという批判があった[21][22][23][24]。 その後、リントンは騒動を起こしてしまったことについて謝罪し、本から得た収益は適切な慈善団体に寄付すると述べた[25][19]。 また、テレグラフも事実確認が不十分なまま抜粋を掲載したことについて謝罪した[26][27]

最初の結婚

編集

2005年から2010年の間、リントンはロサンゼルスの弁護士ロナルド・リチャーズと婚姻関係にあった[6][9][28][29]

スティーブン・ムニューシンの妻として

編集

2017年にリントンは、ゴールドマンサックスの元共同経営者にしてデューン・エンターテインメントの設立者であるスティーブン・ムニューシンと婚約を結んだことを発表した[30]。 なお、マヌーチンはアメリカ合衆国財務長官就任に当たり、利益相反を避けるためにデューン・エンターテインメント代表の座を辞した[30]。 2016年5月上旬にリントンが新たな役職に就くことが報じられ[31] 、上院財政委員会の一員である民主党のロン・ワイデン上院議員の注意を引き、ワイデンは彼女の任命によってマヌーチンが会社から完全に関係を切り離されるのかという質問を送った。財務省はリンデンの役職は無給だと回答した一方、リンデンは5月下旬に最高経営責任者代行の座に就いた[32]

2人は共通の友人を通じて知り合ったとされ[1]、同年6月24日に開かれた結婚式には、副大統領であるマイク・ペンスをはじめとする約300人が出席し[19]、ワシントンDCにあるアンドリュー・メロン・オーディトリアム英語版にて執り行われた[33]。 2017年8月21日、リントンは夫とともにケンタッキー州フォートノックス英語版行きの政府専用機から降りたところを写した写真に、自身が身に着けている高級ブランド服やアクセサリーのブランド名のハッシュタグをつけ、それをInstagramに投稿したことが問題視された[34][8]。 彼女の投稿を見たオレゴン州の女性が皮肉のコメントを寄せた際、リントンは「私はあなた(オレゴン州の女性)よりもアメリカの経済のためにたくさんお金を使い、たくさん税金を払っている」と答え、「おめでたいまでにわかっていない」と述べた[35][1][36][37] 。 その後、夫妻は旅費政府に返金した[38]。 リントンはこれら一連の投稿を不適切で無神経だったことを認め、広報担当者の電子メールを通じて謝罪した[39]

フィルモグラフィ

編集

映画

編集
公開年 邦題
原題
役名 備考
2007 大いなる陰謀 Lions for Lambs スキンケア・コンサルタント 劇場公開版では出演シーンカット
2008 519号室
The Echo
ケイティ
2008 Banking on Love Dina
2008 Heineken Experience: Brew You 美女 ハイネケン・エクスピリエンスで上映される短編映画
2010 Screwball: The Ted Whitfield Story Shannon Storm
2012 ヒラリー・ダフ in 恋する彼女はスーパースター
en:She Wants Me
ジェシカ
2012 Crew 2 Crew Samantha
2013 パニッシュメント
en:The Power of Few
コーリーの母
2013 Scavengers Emerson
2014 Serial Daters Anonymous Claire
2016 キャビン・フィーバー リブート
Cabin Fever
Deputy Winston
2016 Intruder Elizabeth
2016 The Midnight Man Annie Luster
2016 ハリウッド・スキャンダル
Rules Don't Apply
ベティ
2017 Odious Veronica ポストプロダクション

テレビ番組

編集
放送年 邦題
原題
役名 備考
2007 en:The Daily Habit Amy 2話
2007 CSI:ニューヨーク
CSI: NY
シモーヌ 『ワインと異常な愛情』(原題: "A Daze of Wine and Roaches")に出演。
2009 コールドケース 迷宮事件簿
Cold Case
ルイーズ・パターソン(1944年) Episode: "WASP"
2011 en:William & Kate: The Movie Vanessa Rose Bellows テレビ映画
2012 en:A Smile as Big as the Moon ジュリー テレビ映画

脚注

編集
  1. ^ a b c d e f Treasury Secretary Steve Mnuchin's actress wife Louise Linton got into an Instagram war — here's everything we know about her” (英語). Business Insider. 22 August 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月22日閲覧。
  2. ^ Louise Linton: Bio, Facts, Affair”. Celebrity Facts. 22 August 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。24 June 2017閲覧。[信頼性要検証]
  3. ^ Louise Linton, SAG”. Casting Networks Inc.. 23 August 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。23 August 2017閲覧。
  4. ^ a b Youngson, Andrew (4 August 2014). “Louise’s star is on the rise”. Press and Journal. 2 February 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。22 August 2017閲覧。
  5. ^ a b c “People: The business diary”. The Scotsman. (21 July 2014). オリジナルの19 September 2016時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160919163759/http://www.scotsman.com/business/management/people-the-business-diary-1-3482701 
  6. ^ a b c d e f “Queen of California”. The Herald Magazine (Press Reader). (19 February 2011). オリジナルの5 October 2016時点におけるアーカイブ。. http://www.pressreader.com/uk/the-herald-magazine/20110219/281479272900952. 
  7. ^ Stenson, Joe (3 May 2016). “Louise Linton reveals brush with death in Zambia”. Edinburgh Evening News. 8 July 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月3日閲覧。
  8. ^ a b Ryder, Sherie (2017年8月22日). “Louise Linton: The photo, the hashtags and the sarcasm” (英語). https://www.bbc.com/news/blogs-trending-41011528 2019年12月8日閲覧。 
  9. ^ a b c d “Interview: Louise Linton, actress”. The Scotsman. (7 November 2009). http://www.scotsman.com/lifestyle/interview-louise-linton-actress-1-1223200 23 August 2017閲覧。 
  10. ^ a b Schaub, Michael (6 July 2016). “Controversial Africa memoir draws fire for Louise Linton, actress, self-published author and Trump dining companion”. Los Angeles Times. オリジナルの6 July 2016時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160706214103/http://www.latimes.com/books/la-et-jc-louise-linton-memoir-20160706-snap-htmlstory.html 
  11. ^ Louise Linton Discusses Upcoming Film Roles”. The Sun. 21 February 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月10日閲覧。
  12. ^ Lions for Lambs”. The Hollywood Reporter. 22 August 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。22 August 2017閲覧。
  13. ^ a b ルイーズ・リントン - IMDb(英語)
  14. ^ LOUISE LINTON”. Maxim. 2017年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月22日閲覧。
  15. ^ Mattel Party on the Pier”. UCLA Health Sciences Development. 2019年12月8日閲覧。
  16. ^ a b Louise Linton (25 August 2014). "What makes Hollywood's newest bombshell tick" (Interview). Interviewed by TC Franklin. Locale Magazine. 2017年8月23日閲覧
  17. ^ “Interview: Louise Linton, actress”. The Scotsman. (12 January 2011). http://www.scotsman.com/lifestyle/interview-louise-linton-actress-1-1495145 23 August 2017閲覧。 
  18. ^ Barry, Maggie (28 November 2010). “Scottish actress counts her blessings as she hits the big time in LA”. Daily Record. http://www.dailyrecord.co.uk/entertainment/celebrity/scottish-actress-counts-her-blessings-as-she-hits-1077075 23 August 2017閲覧。 
  19. ^ a b c ムニューシン米財務長官が結婚式、トランプ大統領夫妻も出席”. AFPBB (2017年6月25日). 2017年8月26日閲覧。
  20. ^ “'But I soon learned that Africa is rife with hidden danger', The web reacts to the 'Whitest story of the year'”. Zambian Observer. (4 July 2016). http://www.zambianobserver.com/but-i-soon-learned-that-africa-is-rife-with-hidden-danger-the-web-reacts-to-the-whitest-story-of-the-year/ 23 August 2017閲覧。 
  21. ^ a b Zambian embassy slams Louise Linton memoirs”. The Scotsman (11 July 2016). 17 July 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月8日閲覧。
  22. ^ Ngoma, Lydia (5 July 2016). “Louise Linton's Zambia is not the Zambia I know”. The Guardian. 16 July 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月8日閲覧。
  23. ^ 'Angel-haired' aid worker memoir ridiculed”. BBC News (5 July 2016). 20 April 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年6月10日閲覧。
  24. ^ Attiah, Karen (6 July 2016). “Louise Linton just wrote the perfect White-Savior-in-Africa story”. The Washington Post. 7 July 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月8日閲覧。
  25. ^ Horne, Marc (2016年7月9日). “Actress says sorry as gap-year adventures cause African storm”. The Times. 2017年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  26. ^ “The Telegraph issues a formal apology over Louise Linton's book”. Zambian Observer. (22 July 2016). http://www.zambianobserver.com/the-telegraph-issues-a-formal-apology-over-louise-lintons-book/ 23 August 2017閲覧。 
  27. ^ “Gap year in Africa Book — Telegraph statement”. The Telegraph. (20 July 2016). http://www.telegraph.co.uk/women/life/gap-year-in-africa-book--telegraph-statement/ 23 August 2017閲覧. "[The prior excerpt] drew a number of complaints from Telegraph readers that the article mistakenly implied that the conflicts in Congo and Rwanda had spilled over into Zambia, that Zambia was a war-torn country in 1999 and that armed rebels had crossed Lake Tanganyika to Zambia that year. Other claims of inaccuracy were also made." 
  28. ^ Merlan, Anna (6 July 2016). “Actress Who Wrote Ridiculous, Fake-Seeming Zambia Memoir Is Dating Donald Trump's Finance Chair”. Jezebel. 22 August 2017閲覧。
  29. ^ Didcock, Barry (26 February 2017). “Louise Linton: Scots public schoolgirl goes from z-list horror films to Trump’s White House (no change there then, eh?)”. The Herald. 22 August 2017閲覧。 “...found herself a husband – attorney Ronald Richards, 14 years her senior. They divorced in 2010 after 'four or five' years of marriage. 'I think I was just a bit too young and we weren't exactly right for each other...Life moves quickly, particularly in fast-paced Los Angeles. It's not something I regret. I feel like I learned so much from it, and he and I are still dear friends'.”
  30. ^ a b Gonzalez, Sandra (9 May 2017). “Treasury Secretary's fiancée is interim CEO of Dune Entertainment”. CNN Money. http://money.cnn.com/2017/05/09/media/dune-entertainment-mnuchin-louise-linton/index.html 23 August 2017閲覧。 
  31. ^ Kassel, Matthew; Hallemann, Caroline (22 August 2017). “Meet Louise Linton, the Blonde Bombshell Who's Stirring Up Controversy on Capitol Hill”. Town & Country. http://www.townandcountrymag.com/society/politics/a10029952/who-is-steven-mnuchins-fiance-louise-linton/ 23 August 2017閲覧。. 
  32. ^ Wattles, Jackie; Alesci, Cristina (26 May 2017). “Treasury secretary's fiancée to resign from Hollywood CEO job after senator's criticism”. CNN Money. http://money.cnn.com/2017/05/26/media/steven-mnuchin-fiancee-dune-entertainment/ 23 August 2017閲覧。 
  33. ^ Stefansky, Emma (25 June 2017). “Amid All the D.C. Drama, Trump and Family Attend Steve Mnuchin’s Wedding”. Vanity Fair. 22 August 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。22 August 2017閲覧。
  34. ^ 米財務長官夫人が謝罪 ブランド誇示の投稿を皮肉られ応酬”. CNN (2017年8月23日). 2017年8月24日閲覧。
  35. ^ 米財務長官夫人が謝罪 ブランド誇示の投稿を皮肉られ応酬 (2ページ目)”. CNN (2017年8月23日). 2017年8月24日閲覧。
  36. ^ Haberman, Maggie; Bouchard, Mikayla (22 August 2017). “Mnuchin's Wife Mocks Oregon Woman Over Lifestyle and Wealth”. The New York Times. オリジナルの22 August 2017時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170822053821/https://www.nytimes.com/2017/08/22/us/politics/mnuchin-louise-linton-treasury-instagram.html 22 August 2017閲覧。 
  37. ^ Jackson, Russell (22 August 2017). “Louise Linton criticised for ′deplorable′ social media boast”. The Scotsman. オリジナルの22 August 2017時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170822193036/http://www.scotsman.com/news/louise-linton-criticised-for-deplorable-social-media-boast-1-4539038 22 August 2017閲覧。 
  38. ^ Treasury secretary's wife: I deserve my Hermès scarf because I'm rich and pay taxes”. Vox (2017年8月22日). 2017年8月23日閲覧。
  39. ^ Paletta, Damian (22 August 2017). “The treasury secretary's wife just apologized for a 'highly insensitive' Instagram post”. The Washington Post. https://www.washingtonpost.com/news/wonk/wp/2017/08/22/the-treasury-secretarys-wife-just-apologized-for-a-highly-insensitive-instagram-post/ 22 August 2017閲覧。 

参考文献

編集

外部リンク

編集