リンカーン・ノーチラス
リンカーン・MKX (Lincoln MKX エムケイエックスまたはマーク・エックス) はアメリカのフォード・モーターが同社の高級車部門にあたるリンカーン・ブランドで製造・販売している中型高級クロスオーバーSUV (CUV) である。2019年のマイナーチェンジの際にリンカーン・ノーチラス (Lincoln Nautilus)へと名称変更された。
概要
編集初代(2006年 - 2015年)
編集リンカーン・MKX(初代) | |
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後期型(フロント) | |
後期型(リア) | |
概要 | |
製造国 | カナダ |
販売期間 | 2006年 - 2015年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドアSUV |
駆動方式 | FWD/AWD |
プラットフォーム | フォード・CD3プラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
3.5L V6 DOHC 3.7L V6 DOHC |
変速機 | 6速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,825mm |
全長 | 4,735mm |
全幅 | 1,925mm |
全高 | 1,715mm |
系譜 | |
先代 | リンカーン・アビエーター |
2005年に生産中止されたアビエーターの後継として2006年1月に開催された北米国際オートショーにて発表され、2006年12月に販売が開始された。前身のアビエーターがボディオンフレームシャシーの古典的なSUVだったのに対し、MKXではユニボディ構造のクロスオーバーSUVに生まれ変わっている。プラットフォームはフォード・CD3プラットフォームを採用し、姉妹車のフォード・エッジとはボディシェルも共有する。ボディタイプは5ドアのみ。Vista Roofと呼ばれる大きな面積のグラスサンルーフを持つことが特徴である。
エンジンはDuratec 35と呼称される新開発の3.5リッターV型6気筒DOHCを搭載。最高出力269ps(198kw)/6250rpm、最大トルク34.6kgm(339Nm)/4500rpmを発揮する。トランスミッションはGMと共同開発の6速フロアATのみが用意されている。
2010年1月には北米国際オートショーでフェイスリフトを受けた2011年モデルが発表された。エンジンは3.7リッターのDuratec 37に換装され、最高出力309ps(227kw)/6500rpm、最大トルク38.7kgm(380Nm)/4000rpmを発揮する。
日本へはフォード・ジャパン・リミテッドにより2008年9月から正規輸入・販売が開始された。なお、日本仕様はナビゲーターと異なり、右側の死角確認用のサイドアンダーミラーの代わりに小型カメラを装着している。
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前期型(フロント)
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前期型(リア)
2代目(2015年 - 現在)
編集リンカーン・MKX(2代目) ↓ リンカーン・ノーチラス | |
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MKX | |
ノーチラス(フロント) | |
ノーチラス(リア) | |
概要 | |
製造国 |
カナダ 中国 |
販売期間 | 2015年 - 現在 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドアSUV |
駆動方式 | FWD、AWD |
プラットフォーム | フォード・CD4プラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
V6 3.7L Ti-VCT V6 2.7L エコブースト 直4 2.0L エコブースト |
変速機 | 6速AT |
前 |
前:マクファーソン・ストラット式 後:インテグラルリンク式 |
後 |
前:マクファーソン・ストラット式 後:インテグラルリンク式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,849mm |
全長 | 4,844mm |
全幅 | 1,936mm |
全高 | 1,687mm |
2014年4月20日、北京モーターショーにてMKXコンセプトを出展[1]。2015年1月13日の北米国際オートショーで新型MKXを発表した[2]。同年4月20日には上海モーターショーで中国初公開された[3]
エンジンは北米向けがV6 3.7L Ti-VCT NAおよびV6 2.7L「エコブースト」直噴ツインターボの2種類、中国向けはV6 2.7Lエコブーストと直4 2.0Lエコブーストの2種類となる。いずれも「セレクトシフト」6速ATと組み合わせられる。駆動方式はFWDとAWDの2種類。
MKXは360度カメラを装備する最初のリンカーン車となる。カメラはフロントグリルのリンカーンエンブレムの中に装備され、駐車支援などに使われる。また、ハーマン社の最高級ブランドであるRevelオーディオシステムも装備される。
2019年モデルより、マイナーチェンジを行うとともにノーチラス(Nautilus)へと改称された[4]。
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MKXコンセプト(フロント)
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MKXコンセプト(リア)
名称について
編集- 元々MKXはアビエーターの名称で販売される予定であった。2004年の北米国際オートショーではデザインコンセプトモデルが「アビエーター・コンセプト」の名称で発表されている。しかしフォードによってリンカーンブランドの戦略変更がなされ、生産型の発表時にはMKXと改められた。本車種以降、ナビゲーターを除くリンカーン車は全てMKではじまるアルファベット3文字の車名に統一されたが、2016年に復活したコンチネンタル以降は順次従来のペットネーム方式に変更されており、MKXも2019年にノーチラスへ変更された。また本来MKXに付けられるはずであったアビエーターの名称は、2019年にデビューしたフォード・エクスプローラーのリンカーン版となる車種へ付与された。
- MKXは「エムケイエックス」と発音する。2006年1月の北米国際オートショーで発表された当時は「マークエックス」と呼称されていたが、7月に呼称を「エムケイエックス」へと改めた。特に日本市場ではトヨタ・マークXが存在しているため、「マークエックス」の呼称のままであれば、日本導入時に商標登録上の問題により名称もしくは呼称の変更を余儀なくされた可能性が高い。
- 2004年にはLincoln Mark Xというフォード・サンダーバードをベースに開発された2シーターオープンコンセプトカーが発表されているが、こちらの呼称は「マークテン(Xはローマ数字の10を意味する)」である。
脚注
編集- ^ “Lincoln MKX Concept Hints at Sophisticated, Elegant Global Sport Utility Vehicle”. Lincoln Media Center (2014年4月20日). 2015年4月30日閲覧。
- ^ “All-New Lincoln MKX Delivers Personal Luxury to Attract New Global Customers”. Lincoln Media Center (2015年1月13日). 2015年4月30日閲覧。
- ^ “The All-New Lincoln MKX Unveils in China at Auto Shanghai, Offers a Spacious and Luxurious SUV Experience; Pre-Sale Prices Announced”. Lincoln Media Center (2015年4月20日). 2015年4月30日閲覧。
- ^ “New Lincoln Nautilus Pairs Powerful Performance with Driver-assist Technologies that Inspire Confindence”. Lincoln Media Center (2017年11月28日). 2018年2月5日閲覧。