リトル・ドラマー・ガール
『リトル・ドラマー・ガール』(The Little Drummer Girl)は、イギリスの作家、ジョン・ル・カレが1983年に発表したスパイ小説。1984年に映画化され、2018年にテレビドラマ化された。
リトル・ドラマー・ガール The Little Drummer Girl | ||
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著者 | ジョン・ル・カレ | |
訳者 | 村上博基 | |
発行日 |
1983年[1] 1983年11月 | |
発行元 |
Hodder & Stoughton 早川書房 | |
ジャンル | スパイ小説 | |
国 | イギリス | |
言語 | 英語 | |
形態 | ハードカバー | |
ページ数 | 430 | |
前作 | スマイリーと仲間たち (1979年) | |
次作 | パーフェクト・スパイ (1986年) | |
コード | ISBN 0-340-32847-9 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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概要
編集ある夜、コーンウォールにひとりでいたル・カレは、ロイヤル・シェイクスピア劇団の『空騒ぎ』の巡業公演を見に出かけた。異母妹のシャーロット・コーンウェル[2]が出演していたためであった。そのときル・カレは、過激な思想をもつ若い女優がサーカスから勧誘を受けテロ組織に潜入する、すなわち〝現実劇場〟での役を与えられるというプロットを思いつく。彼はコーンウェルにアドバイザーになってもらえないかと頼み、コーンウェルは急進的な政治との関わりについて話した。それからしばらくしてル・カレは、サーカスをイスラエルの諜報機関に変更、潜入先の舞台もパレスチナに変えた。執筆のためル・カレは中東を何度も訪問。イスラエルのネゲヴ砂漠の刑務所に収監されていたブリギッテ・シュルツや[3]、PLO議長のヤーセル・アラファートへの取材も行っている[4]。
『リトル・ドラマー・ガール』は1983年にまずアメリカで刊行された。クノップフ社で出版前に3度増刷され、結局40万部となった。また、同社の1日あたりの最高販売数(5万9,000部)を記録した。発売と同時にアメリカのベストセラー1位に輝いた。数週間後、本国イギリスでも出版された[5]。
あらすじ
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映画
編集1984年10月公開。制作国はアメリカ合衆国。配給はワーナー・ブラザース。監督はジョージ・ロイ・ヒル。脚本はローリング・マンデル、ジョン・ル・カレ。音楽はデイヴ・グルーシン。
出演はダイアン・キートン、クラウス・キンスキー、サミー・フレー、ヨルゴ・ヴォヤギスなど。ル・カレも私服警官役でカメオ出演している。
キートンが演じたことから、主人公は20代のイギリス人から30代のアメリカ人に変更された。ル・カレは当初、チャーリィ役に前述のシャーロット・コーンウェルを推していたと言われている。ル・カレはロイ・ヒルにシャーロットを紹介し、ロイ・ヒルは彼女を気に入ったものの[6]、主役には大スターをあてるというスタジオの意思が最優先された[7]。
テレビドラマ
編集BBCスタジオとAMCスタジオが制作した。2018年10月28日から年12月2日にかけてイギリスのBBC Oneで放映された。全6回。監督はパク・チャヌク。チャーリィにはフローレンス・ピューが扮した。日本では2019年7月13日[8]からWOWOWで全8話に編集されて『リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイ』のタイトルで放映された[9]。
日本語訳
編集出典
編集- ^ The Little Drummer Girl by John le Carré - Goodreads
- ^ Moore, Matthew (October 13, 2018). “John Le Carré inspired by his ‘radical’ half-sister”. The Times March 20, 2019閲覧。
- ^ ジョン・ル・カレ 著、加賀山卓朗 訳『地下道の鳩─ジョン・ル・カレ回想録』早川書房、2017年3月15日、113-119頁。
- ^ アダム・シズマン 著、加賀山卓朗、鈴木和博 訳『ジョン・ル・カレ伝 <下>』早川書房、2018年5月25日、170-178頁。
- ^ 『ジョン・ル・カレ伝 <下>』 前掲書、181-183頁。
- ^ 『地下道の鳩─ジョン・ル・カレ回想録』 前掲書、130頁。
- ^ 『ジョン・ル・カレ伝 <下>』 前掲書、188頁。
- ^ “アレキサンダー・スカルスガルド出演の『リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイ』7月13日(土)より日本初放送!”. 海外ドラマNAVI. (2019年5月30日) 2019年7月13日閲覧。
- ^ “リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイ”. WOWOW. 2019年7月12日閲覧。