リップ、リグ&パニック
ローランド・カークのアルバム
『リップ、リグ&パニック』(Rip, Rig & Panic)は、アメリカ合衆国のジャズ・ミュージシャン、ローランド・カークが1965年にライムライト・レコードから発表したスタジオ・アルバム。
『リップ、リグ&パニック』 | ||||
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ローランド・カーク の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1965年1月13日 ニュージャージー州 ヴァン・ゲルダー・スタジオ[1][2] | |||
ジャンル | ジャズ | |||
時間 | ||||
レーベル | ライムライト・レコード | |||
プロデュース | ジャック・トレイシー | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
ローランド・カーク アルバム 年表 | ||||
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背景
編集本作のタイトルに関して、カーク自身は「リップ」がリップ・ヴァン・ウィンクル(または「レスト・イン・ピース」?)、「リグ」が「死後硬直 (rigor mortis)みたいなもの」という意味で、眠っている者や心が硬直した者が、自分の音楽を聴きパニックに陥るのだと説明している[3]。「ノー・トニック・プレス」はレスター・ヤングに捧げられた曲で、「フロム・ベシェ、バイアス&ファッツ」はシドニー・ベシェ、ドン・バイアス、ファッツ・ウォーラーに捧げられた曲である[3]。なお、本作に参加したプレイヤーのうちエルヴィン・ジョーンズを除く3人は、1968年9月17日にプレスティッジ・レコードで録音されたジャッキー・バイアードのリーダー・アルバム『ザ・ジャッキー・バイアード・エクスペリエンス』でも共演している[2][3]。
評価・影響
編集Thom Juerkはオールミュージックにおいて満点の5点を付け「カークが残した録音の中でも、最も畏敬すべきリズム・セクションとチームを組んだ」「カークと彼のカルテットは、音楽理論的な変化を何度も繰り返し、彼が当代の芸術家であることを明示している」と評している[4]。後にネナ・チェリーらが結成した「リップ・リグ&パニック」のバンド名は、本作から取られた[3][5]。
収録曲
編集特記なき楽曲はローランド・カーク作。オリジナルLPでは1. - 4.がA面、5. - 7.がB面に収録された[1]。
- ノー・トニック・プレス - "No Tonic Pres" - 4:34
- ワンス・イン・ア・ホワイル - "Once in a While" (Michael Edwards, Bud Green) - 4:02
- フロム・ベシェ、バイアス・アンド・ファッツ - "From Bechet, Byas and Fats" - 6:31
- ミスティカル・ドリーム - "Mystical Dream" - 2:39
- リップ、リグ&パニック - "Rip, Rig and Panic" - 7:00
- ブラック・ダイアモンド - "Black Diamond" (Milt Sealey) - 5:23
- スリッパリー、ヒッパリー、フリッパリー - "Slippery, Hippery, Flippery" - 4:55
参加ミュージシャン
編集- ローランド・カーク - テナー・サクソフォーン、フルート、マンツェロ、ストリッチ、オーボエ、カスタネット、サイレン
- ジャッキー・バイアード - ピアノ
- リチャード・デイヴィス - ベース
- エルヴィン・ジョーンズ - ドラムス
脚注・出典
編集- ^ a b The Roland Kirk Quartet Featuring Elvin Jones – Rip, Rig & Panic (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ a b “Roland Kirk Discography”. Jazz Discography Project. 2017年9月27日閲覧。
- ^ a b c d ジョン・クルース 著、林建紀 訳『ローランド・カーク伝 溢れ出る涙』河出書房新社、2005年、47-48, 52-53頁。ISBN 4-309-26825-0。
- ^ Jurek, Thom. “Rip, Rig and Panic - Rahsaan Roland Kirk”. AllMusic. 2017年9月27日閲覧。
- ^ Giannini, Melissa (2012年6月19日). “Cherrypicking With Neneh Cherry: Singer Breaks Down 7 Pivotal Tracks”. Spin. 2017年9月27日閲覧。