リゾビウム属グラム陰性の非芽胞形成好気性桿菌からなる。属名は根の生物を意味する。

リゾビウム属
分類
ドメイン : 真正細菌 Bacteria
: プロテオバクテリア門
Proteobacteria
: αプロテオバクテリア綱
Alphaproteobacteria
: リゾビウム目 Rhizobiales
: リゾビウム科 Rhizobiaceae
: リゾビウム属 Rhizobium
学名
Rhizobium
Frank 1889
タイプ種
Rhizobium leguminosarum
シノニム

Agrobacterium Conn 1942

下位分類(種)

など

リゾビウム属には植物組織の肥大を引き起こす菌株が多く知られており、それは窒素固定能のある根粒であったり、腫瘍や不定根のような病的なものであったりする。前者は根粒菌、後者はアグロバクテリウムと呼ばれ、分類学上でも別のに分類してきた。しかしこうした現象はそれぞれ特徴的なプラスミドによって引き起こされており、種をまたがってプラスミドが伝播することが知られている。その一方で染色体上の遺伝情報では根粒菌とアグロバクテリウムを区別することはできない。そこで2001年に、植物に対して示す表現型に関わらず近縁種はすべてリゾビウム属にまとめることが提唱され[1]、次第に移行が進んでいる現状にある[2]

参考文献

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  1. ^ Young, J.M., et al. (2001). “A revision of Rhizobium Frank 1889, with an emended description of the genus, and the inclusion of all species of Agrobacterium Conn 1942 and Allorhizobium undicola de Lajudie et al. 1998 as new combinations: Rhizobium radiobacter, R. rhizogenes, R. rubi, R. undicola and R. vitis”. Int. J. Syst. Evol. Microbiol. 51 (1): 89-103. doi:10.1099/00207713-51-1-89. 
  2. ^ 澤田宏之ら「植物病原性Rhizobium属細菌の分類の変遷とジーンバンクにおける対応」(pdf)『日本微生物資源学会誌』第30巻第1号、2014年、13-27頁。