ラーダ・グランタ
ラーダ・グランタ (Lada Granta) はロシアの自動車メーカー、アフトヴァースがラーダブランドで製造・販売している低価格の小型車である。
ラーダ・グランタ | |
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フロント | |
リア | |
後期型セダンフロント | |
概要 | |
販売期間 | 2011年 - 現在 |
ボディ | |
ボディタイプ | 4ドアセダン・5ドアハッチバック・ワゴン |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン | 直4 1.6L |
変速機 |
5速MT 4速AT 5速AMT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,476mm |
全長 | 4,260mm |
全幅 | 1,700mm |
全高 | 1,500mm |
車両重量 | 1,115kg |
系譜 | |
先代 | ラーダ・カリーナ |
概要
編集開発コードVAZ-2190。ロシアで2011年12月22日から発売が開始された[1]。生産はトリヤッチ工場にて2011年11月29日から開始され[2]、2012年7月25日からはイジェフスクのイズアフト (IzhAvto) でも行われている[3]。
ボディタイプは現在は4ドアセダンのみとなる。グランタはカリーナのプラットフォームをベースに開発されたが、エンジンや前後サスペンションが改良されるなど、約400ものコンポーネントが専用に開発されて使用されている[1]。
グランタにはStandard、Norm、Luxの3グレードが設定される(さらに同グレードでも装備の違いによる複数の仕様が存在する)。StandardとNormは「クラシック」シリーズやサマラの後継、Luxはカリーナセダンの後継となるべく開発された。
当初はStandardとNormから製造・販売が開始され、それぞれ229,000ルーブル~と256,000ルーブル~という価格設定がなされた[1]。いずれも直列4気筒 1.6L SOHC 8バルブエンジンと5速マニュアルトランスミッションの組み合わせとなるが、Standardには60kW (82ps) 版、Normには64kW (87ps) 版のエンジンが搭載される。
装備面ではStandardが運転席エアバッグ、三点式シートベルト、「ISOFIX」チャイルドシート固定装置、昼間点灯ランプ、イモビライザー、チャイルドセーフティロック、フルサイズスペアタイヤなどを標準装備する。Normはこれに加えてトリップコンピューター、パワーステアリング、チルトステアリングコラム、フロントパワードアロック、センターロッキング、フロントパワーウインドウ、パワートランクリッド、ボディ同色バンパーなども標準で装備する。また、Standardには13インチ鍛造ホイールが、Normには14インチアロイホイールがそれぞれ装着される。
2012年8月にはNormのエアコン付き仕様も登場した。これにはエアコンの他にABS+BAS、デュアルエアバッグも装備される。これによりグランタは7種類存在することになり、希望小売価格も259,000~334,700ルーブルとなった[4]。
8月にはまた、Normのオートマチックトランスミッション仕様車[5]と、ATが標準装備となるLuxの製造も開始された[6]。AT仕様車は1.6L SOHC 16バルブ 72kW (98ps) エンジンを搭載し、これにジヤトコ製4速ATが組み合わせられる。AT仕様車は30のコンポーネントが新規に採用された。なお、トランスミッションは将来の現地生産も検討中であるが、当面は日本からの輸入となる[5][7]。AT車は9月から発売を開始し、Normの推奨価格は373,200ルーブル~となる[8]。
グランタは2012年9月以降ロシア市場において月販台数第一位となっており、2013年6月には17,005台を販売した[9]。なお、イズアフトでは2013年7月1日にグランタの累計生産台数が5万台を突破している[10]。
2013年7月、アフトヴァースはドイツとチェコにラーダ・グランタの最初の20台を輸出した。ヨーロッパ向けのグランタはユーロ5排ガス規制に準拠し、NormにもABSとBAS、ESPとデュアルエアバッグが標準装備される[11]。ロシアの経済紙ベドモスチはアナリストたちの見解を伝えており、それによると輸出台数は年5,000台まで増やせるかもしれないが、ヨーロッパへの輸出は経済的という以上に政治的な戦略であり、アフトヴァースは第一に自国市場での自社製品のイメージ形成のためにそれを必要としているとのことである[12]。
尚、日産自動車が2021年までロシア国内のみにおいてダットサンブランドで販売していた「on-DO」は同車をベース(実際はOEM)としていた。
2022年からは2022年ロシアのウクライナ侵攻を受け、 グラントクラシック22を発売[13]。エアバッグや排ガス浄化装置、ABSなどの装置、オーディオ類やエアコンがついていない仕様で、西側諸国の部品が一切導入されていない製品となっている。
グランタスポーツ
編集2012年8月29日から開催されたモスクワ国際モーターショーにて、グランタスポーツが出展された[14][15]。ラーダ・スポーツ社によってチューンされたこの車種は専用のグリル、バンパー、リアスポイラー、サイドスカート、アロイホイールを装着し、車高を下げた専用サスペンションとリアディスクブレーキが使用される。直列4気筒・1.6Lガソリンエンジンはベースエンジン同様のSOHCの弁機構はそのままに、シリンダーヘッドが16バルブ(1気筒あたり4バルブ)化され、最高出力120hp、最大トルク160Nmに引き上げられ、これにクロスレシオMTが組み合わせられる。内装では布地/革張りのスポーツシートや赤糸の刺繍が施された革巻きステアリングホイールが装備される。グランタスポーツは2013年初めから販売を開始し、価格はおよそ40万ルーブルになると見込まれている。
脚注
編集- ^ a b c “Sales of Lada Granta starts in Russia”. Autostat (2011年12月23日). 2012年9月22日閲覧。
- ^ “AutoVAZ started the serial production of Lada Granta”. Autostat (2011年12月23日). 2012年9月22日閲覧。
- ^ “The production of LADA Granta started in Izhevsk yesterday”. Autostat (2012年7月26日). 2012年9月22日閲覧。
- ^ “Lada Granta with an air conditioner will cost 334700 Roubles”. Autostat (2012年8月6日). 2012年9月22日閲覧。
- ^ a b “AvtoVAZ will start to equip Lada Granta with automatic transmission in August”. Autostat (2012年6月19日). 2012年9月22日閲覧。
- ^ “AvtoVAZ will start the assembly of "luxury" Lada Granta”. Autostat (2012年8月27日). 2012年9月19日閲覧。
- ^ “Lada Granta with automatic transmission got 30 new parts and components”. Autostat (2012年8月12日). 2012年9月22日閲覧。
- ^ “Lada Granta with automatic transmission will be on sale in September”. Autostat (2012年8月23日). 2012年9月19日閲覧。
- ^ “Lada Granta set a new sales record in June”. Autostat (2013年7月10日). 2013年8月25日閲覧。
- ^ “IzhAvto produced the 50,000th Lada Granta”. Autostat (2013年7月1日). 2013年8月25日閲覧。
- ^ “AvtoVAZ has begun shipping of Lada Granta in Europe”. Autostat (2013年8月7日). 2013年8月10日閲覧。
- ^ “AvtoVAZ sells low-cost Lada cars to Europe to test demand”. ロシア・トゥデイ (2013年8月7日). 2013年8月10日閲覧。
- ^ “日本の中古車異常高騰の原因はロシアだった!! ウクライナ危機で激変した中古車輸出最前線(ベストカーWeb〈講談社ビーシー〉)”. LINE NEWS. 2022年10月3日閲覧。
- ^ “AvtoVAZ presented a sport car Lada Granta for 400 thousand Roubles”. Autostat (2012年9月4日). 2012年9月19日閲覧。
- ^ Enrique García (2012年9月1日). “Moscú 2012: Lada Granta Sport, 120 CV y un aspecto más atractivo” (スペイン語). Autoblog Spanish. 2012年9月19日閲覧。
外部リンク
編集- ラーダ・グランタ公式サイト (英語)