ラ・ロシェル港の眺め
『ラ・ロシェル港の眺め』(ラ・ロシェルこうのながめ、フランス語: Vue du port de La Rochelle)は、フランス王国の画家クロード・ジョセフ・ヴェルネが描いた絵画。連作『フランスの港』を構成する一作品である。
フランス語: Vue du port de La Rochelle | |
作者 | クロード・ジョセフ・ヴェルネ |
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製作年 | 1762年 |
寸法 | 165 cm × 263 cm (65 in × 104 in) |
所蔵 | フランス国立海洋博物館、パリ |
解説
編集1761年7月から翌1762年7月にかけて、ラ・ロシェルで制作された[1]。同年のサロンに出展される『ロシュフォール港の眺め』(朝の光景)と対照をなすように、満潮時すなわち夕暮れの空気が湿ったような光景が描かれている[2]。
画面前景の岸には、地方色豊かな装束の女性たちとともに、港での諸々の労働に従事する人々が描かれている[1]。印象的な一本の大木が、風の動きを暗示すると同時に、雑然としがちなこの風俗的描写を引き締める役割を果たしている[1]。
岸の果てには港の入口を示す『サン=ニコラの塔』があり、その対岸には『鎖の塔』が描かれている[1]。向こう岸には教会や人家が立ち並び、両岸に挟まれた海上では大小の船が行きかう様子が描かれ、日暮れ時の慌ただしさが暗示される[1]。
出典
編集参考文献
編集- 大野芳材「ヴェルネとディドロ : 18世紀中葉のフランス風景画についての小考」『青山学院女子短期大学総合文化研究所年報』4巻、1996年12月、161-180頁。
- 矢野陽子「ジョゼフ・ヴェルネの連作「フランスの港」について」『駒沢大学文化』18号、1998年3月、39-62頁。