上述の物理的仮定のもとで、流体の状態は以下の連続の式、運動量保存則およびエネルギー保存則によって記述される。
-
ここで
- e :比内部エネルギーもしくは比エンタルピー、[J/kg]
- :総エネルギー、[J/kg]
である。さらに定常なので時間微分項は 0 になるなどの仮定を用いてこれらを積分すると、以下の式が得られる:
-
簡単のため、衝撃波は平面として、 方向にのみ伝搬するものとする。衝撃波が通過する前の領域(衝撃波上流)と衝撃波が通過した後の領域(衝撃波下流)とで物理量は不連続になっており、上流側の密度、速度、単位質量あたりの内部エネルギー(specific internal energy)、圧力を とし、下流側の密度、速度、単位質量あたりの内部エネルギー、圧力を とする。
質量(連続の式)、運動量、エネルギーの保存則から
第1式で第3式をわると
ここで、 は単位質量あたりのエンタルピーである。さらに第1式を
と変形する。ここで は単位質量あたりの体積である。すると第2式から
より
エンタルピーの表式に代入することで
を得る。もしくは
これをランキン・ユゴニオ関係(Rankin-Hugoniot relation)と呼ぶ。
1つの衝撃波による圧縮の限界を調べる。理想気体の場合、状態方程式
を仮定すれば
つまり、輻射優勢期 を考えれば元々の体積の1/7まで圧縮される。
磁場があるときの運動量保存則は次のようにかける:
これを 方向について書き下し、 を用いると
ここで粘性ストレステンソル が衝撃波上流と下流で、波面に非常に近い領域でない限り、0に限りなく近いことを利用して項を落としている。また、重力項も無視している。
一方、磁場があるときのエネルギー保存則は
同様に 方向について書き下し、
、重力項を無視して
を得る。加えて、磁束保存
について、 より 成分について
さて、前節と同様の状況を考える。 、それ以外の速度は0とする。質量、運動量、エネルギー、磁束の保存を書き下せば
理想気体の状態方程式 を同様に仮定する。同様に計算を頑張ると
これをランキン・ユゴニオ関係(Rankin-Hugoniot relation)と呼ぶ。
の速度が磁気音速(magnetrosonic speed) に比べ十分大きいとき( :強衝撃波極限)、