ラルーシュ運動
ラルーシュ運動(英:LaRouche movement)は、リンドン・ラルーシュとその思想を推進する政治的および文化的ネットワークである。この運動には、世界中の多くの組織や企業が関与しており、キャンペーン、情報収集、書籍や定期刊行物の発行を行っている。『ニューヨーク・タイムズ』紙はこの運動を「カルト的」としている[1]。
特徴
編集ラルーシュ運動は熱心な信奉者を集め、いくつかの具体的かつ精緻な政策構想を展開したが、マルクス主義、ファシスト、反ユダヤ主義、政治的カルト、個人崇拝、犯罪組織などとさまざま呼び方をされている[2][3][4]。ラルーシュ運動は極右の政治運動であると考えられることが多い[5][6][7][8]。1984年、米国家安全保障会議の元上級職員ノーマン・ベイリーは、ラルーシュ運動の研究員を「世界最高の民間諜報機関の1つ」と評した[9]。ヘリテージ財団は「米国史において、最も奇妙な政治団体の一つ」と呼び、『ワシントン・マンスリー』紙はそれを「巨大かつ奇妙な虚栄報道機関」と呼んだ[4]。
ジャーナリストでジョン・バーチ・ソサエティの活動家であるジョン・リース[10]は、ラルーシュ運動について「政党というよりも政治的カルトの性格を帯びている」と述べ、ラルーシュは信者たちから「盲従」を与えられていると述べた[11]。また、ラルーシュ運動を「個人崇拝」とも呼んだ[12]。ラルーシュはこれに反論してカルト的人物であるという告発を「ゴミ」として、グループに対する支配を否定した[11]。
長年、批評を続けているチップ・バーレットとマシュー・N・ライオンズは次のように述べた[13]。
奇妙な政治的カルトとして片付けられることが多いが、ラルーシュ組織とさまざまなフロント団体はファシスト運動であり、その発信は、ナチスのイデオロギーの要素を反映している。1970年代初頭、ラルーシュ運動の支持者はポピュリズム的な反エリート主義と、極左、環境活動家、フェミニスト、同性愛者やレズビアン、労働団体に対する攻撃を組み合わせた。ラルーシュ運動の支持者は「人道主義者」エリートが産業資本家に代わって統治する独裁制を主張した。また、イルミナティ・フリーメーソンとユダヤ人銀行家にまつわる陰謀論の、特異で婉曲化された派生版を生み出した。ラルーシュ運動の見解は風変わりではあるものの、内部的には一貫しており、右派ポピュリストの伝統に根ざしていた[13]。
脚注
編集出典
編集- ^ Severo, Richard (2019年2月13日). “Lyndon LaRouche, Cult Figure Who Ran for President 8 Times, Dies at 96”. The New York Times. オリジナルのFebruary 14, 2019時点におけるアーカイブ。
- ^ Mintz, John (January 14, 1985). “Ideological Odyssey: From Old Left to Far Right”. The Washington Post. オリジナルのMay 14, 2011時点におけるアーカイブ。 September 2, 2017閲覧。
- ^ Robert L. Bartley (June 9, 2003). The Wall Street Journal
- ^ a b Avi Klein (November 2007). “Publish and Perish”. The Washington Monthly. オリジナルのJune 5, 2011時点におけるアーカイブ。 October 26, 2007閲覧。
- ^ King 1989, pp. 132–133.
- ^ Toner, Robin (April 4, 1986). “LaRouche savors fame that may ruin him”. The New York Times: p. A1. オリジナルのMarch 14, 2017時点におけるアーカイブ。 February 10, 2017閲覧。
- ^ Bennett, David Harry (1988). The party of fear: from nativist movements to the New Right in American history. UNC Press Books. p. 362. ISBN 978-0807817728
- ^ King, Dennis; Radosh, Ronald (19 November 1984). “The LaRouche Connection”. The New Republic.
- ^ "Some Officials Find Intelligence Network 'Useful'" Archived August 4, 2011, at the Wayback Machine., The Washington Post, January 15, 1985
- ^ “Western Goals Foundation”. Militarist Monitor (January 2, 1989). December 4, 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。September 7, 2020閲覧。
- ^ a b John Mintz (January 14, 1985). “Ideological Odyssey: From Old Left to Far Right”. The Washington Post. オリジナルのMay 14, 2011時点におけるアーカイブ。 September 2, 2017閲覧。
- ^ Berlet, Chip; Bellman, Joel (March 10, 1989). Fascism Wrapped in an American Flag. Political Research Associates.
- ^ a b The LaRouchite Secret Elite Synthesis Archived February 7, 2005, at the Wayback Machine. Chip Berlet & Matthew N. Lyons, Right-Wing Populism in America, p. 273.